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今江克隆のルアーニュースクラブR「世界初インプレ!ABUの電子制御ブレーキユニット搭載リール『REVO VOLTiQ(ボルティック)』」 第1277回

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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新製品総力特集2026

ABUの新型ベイトリール、ついに公開

2026年3月2日、これまで完全に情報統制されていたABUの新型ベイトリールに関する一部情報が日本先行で公開された。

ピュアフィッシング・アンバサダーとして、初めて自分がこのリールに触れたのは昨年12月。その時の衝撃はある意味、従来のABUというブランドの常識では最も想像できなかった、良くも悪くもオールドABUユーザー、新規ユーザーを巻き込み賛否両論を巻き起こすことは間違いない「革命」的出来事だった。

電子制御ブレーキユニットを搭載した「VOLTiQ(ボルティック)」

その衝撃的なABUの変革とは、日本の大手ハイエンドリールの独占市場だったデジタルブレーキコントロールリール(DBC)市場に、ついにあのABUがREVO第5世代に独自の電子制御ブレーキユニットを搭載した「VOLTiQ(ボルティック)」を本気で参戦させてきたことである。

3月1日、ついに世界同時公開でベールを脱いだ第5世代REVO・VORTiQ。なんとあのABUが電子制御ブレーキに参戦してきた。

そしてこれがただのDBC化であれば、シマノDC、ダイワIMZの後塵を拝す後追いに過ぎないが、驚くべきはその性能比に対する価格の驚異である。自分自身、ハイエンド中のハイエンドの印象が強いDBC系ベイトリールは、興味はあれどその並ではない高価格から、借りて試投はしても買ってまで使いたいとは思わなかったジャンルだった。もしそれが気に入ってしまえば、複数台揃えるのにライブソナー並みの費用がかかってしまうと思うと、見て見ぬ振りをしていたというのが本音だ。それがまさかの「2万円台〜」という驚愕の価格帯で出現したならば、日本のバスフィッシングマーケットには黒船襲来並みの衝撃といっても過言ではないだろう。

昨年、ABUはスウェーデン工場を閉鎖し、生産拠点を米国周辺諸国に変えた。この事実は昭和世代のアンバサダーファンには悲しい現実だった。だが日本メーカーではとても不可能だったiPhoneを、そして身近ではライブスコープを当たり前のように開発しているデジタル先進国の米国が本気になれば、デジタル制御の次世代ベイトリールなど2万円台でも簡単に作ってしまう技術力があるのは当たり前だろう。さらにはその価格で採算が取れてしまうマーケットの底力に愕然とさせられてしまった。

昨年、スウェーデン本社工場が閉鎖され、実質的にもアメリカのブランドとなったアブガルシア。だが、昨年からのルアー、リール、ラインが一気に本格派バスプロ志向へと変貌し始めている。

その名に「VOLTiQ」と冠した電子制御ユニット搭載の第5世代REVOのベーシック機種「X」と「SX」が3月2日、日本先行公開された。

Xがなんと2万円台、SXでも3万円台という驚きの価格だ。

「VORTiQ」のファーストリリースとなる「REVO5 X」と「同SX」。デジタル制御ブレーキ搭載でXが2万円台、SXが3万円台というから驚きである。

ABUだけに店頭実売価格はもっと安くなるかもしれない。(円安は関係ないのか???)

そして今回、そのVOLTiQ搭載のX(左)とSX(右)、そして3000番台の数字を冠する謎のVOLTiQ“赤ABU”を9日間、みっちりと七色ダムのプリプラで実戦投入し、その実力を評価してみた。

2月の頭に初めてVORTiQのインプレを旧吉野川で行った。ただこの時はイメージ写真撮りがメインで、本格的な実戦性能を検証するために七色ダムで9日間使い込んでみた。

「REVO VORTiQ」のサイドカップのブレーキダイヤル部分が、デジタル機器のスイッチマークになっているのがアメリカ人らしい洒落の利いた部分。

Grabius ナイトレイブンの最終テストも並行して行ったが、マニュアルトランスミッションながら性能的には電子制御に全く引けを取らなかった。むしろマニュアルのリールは細かな場面では融通が利く感じを受けた。

実際に使ってみた

まず本音でいって、自分には「VOLTiQ(ボルティック)」の電子制御系ブレーキの理屈的なことはさっぱりわからない。サイドプレートを外しても「見た目」の機構はあまりにシンプルすぎて、今までのマグや遠心のような、いじれそうなマニュアル感は全くしない。筒のような謎のユニットの中がどのような仕組みになっているのかは、見たところで電気工学博士号でも持っていなければ理解不能なのだろう。さらにこの「VOLTiQ X」、「VOLTiQ SX」のシンプルさは、そのデジタルダイヤル(マグダイヤルではないわな……)調整のシンプルさで、1-3がプロモード、4-5が通常モード、6以上はバックラッシュするのが難しい初級者モードとなっている。

パーミングカップを開けて内部構造を見ると、あまりにもシンプルで愕然とした。このちくわみたいなヤツの中に最新のデジタルデバイスが入っているのだろうか??? 改造は無理な気がした(笑)。

数学物理オンチな自分にはなんのこっちゃよくわからないが、一応載せておきます。

では、実際に使い込んでみた実戦インプレを忖度抜きで紹介すると、今江的に感じたのはプロモードの1-3に関しては、KTFの「KAHEN」にやや似たフィーリングで、かなりピーキーだがプロであればこのレンジを多用したくなる人も多いだろう。

逆に6以上に強めると、とにかく通常のオーバーヘッド系ではバックラッシュ制御能力は抜群に高く、初級者でもとても安心して振り切れる。そのくせ、マグネットとは違って電子制御のため飛距離が極端に落ちる感覚がないため、初級者・中級者が6以上の設定で投げればとても快適なリールといえるだろう。

だが、忖度なくいえば、あくまで「遠投」に関しては快適そのもので、飛距離も同設定であればマグネットや遠心より明らかに伸びるといえるが、10g以上の重いルアーであれば快適な一方、軽い(5〜7g以下)ルアーのピッチングや近距離では、同一ブレーキ設定では快適とはいえないものである。

ブレーキの効き方はKAHENに似た部分がある。ただ、強く撃っても弱く撃ってもこのブレーキのピークポイントは変わらないため、ある意味、1〜3のレンジ以外では、むしろ弱く撃った時にやや効きすぎる感もある。

まあ、ここはともに「深溝スプール」なので、浅溝の本格的ベイトフィネスリールと比較するのはお門違いだと思う。

そのために1-3のプロモードが設定されているのだが、こちらはKAHEN系スプールが好きな方には、「優しめのキャスト」での立ち上がりのノーブレーキ感、収束の伸びはハマるかもしれない。逆に自分のようにLX992系の「強く奥の奥に撃ち込みたいけどバックラッシュや糸浮きは嫌い」な人には、1-3はかなりピーキーだといえるだろう。

上でも下でも横でも強く振りたい系の昭和関西系の自分には、プロモードより「4」の境界レンジが最もバーサタイルだと感じた。一方で河野正彦プロのようなユルユルサミング好きなデジタルネイティブ世代の若者が使うと「1-2が良いです」とサラッというから、まあまあショックではあった。

1〜3がKAHENに似たフィーリングでややピーキーなプロモード。6以上になるとバックラッシュを徹底して防ぎつつ飛距離を伸ばすセーフティーモード。今江的には4が一番合ってました。自分ってもしかしてセミプロ?

七色ダムでいろいろな釣りに使ってみた

七色ダムで左右いろいろな釣り方で使ってみた本音の印象では、XとSXに関しては巻物フルキャスト遠投系の釣りには、その心地よい電子音とともに「飛ばしてる感」は素晴らしく、基本的には重めのルアーでの「ブン投げ」こそが気持ちよいリールというのが偽らざる印象である。(ちなみに“心地よい電子音”という謎の売り文句でもある)

七色ダムで1尾釣ることに成功したが、左の「VORTiQ X」は結構気に入った。これが2万円台というのは驚きでしかない。

一方、スキッピング等のテクニカルなキャストでは、ブレーキをきつめにかけるとバックラッシュはかなり防げるが、電子ユニットがスキップの減速差に応じて強くブレーキをかけるためか、スキップ回数が数回少なく、後半の伸びが落ちる印象を受けた。デジタルリールで芸当級のスキッピングを魅せるインスタ動画なども多いが、ロッドがガチの試合では使えないレベルにベロベロに柔らかいもので、さらによりスキップしやすいルアーを使っていたりするので、デジタル化によってスキップが一気に簡単になるとは一概に思わない方がいいかもしれない。

インプレはさらに続く!

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