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「スピードスティック」プロジェクト、その経緯と想い【特別寄稿by天龍・舟木雄一】

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現代に繋がる革新的なロッドだったスピードスティック

ルーチルドレ氏(写真左)と当時の天龍社長(現会長)の塩澤美芳氏(写真右)

弊社の創業者(現在88歳)に聞くと、スピードスティックの生みの親でもあるルー氏は、当時のタックルに満足できる物がなかったようで、重さやダルさを取り払った新しいロッドを望んでいたとの事でした。

そこで1970年代、ルー氏の起こした会社ルーチルドレ・サンダース社と、天龍、富士工業がタッグを組み、生み出されたのがスピードスティックです。

当時のブランク素材はグラスであったが、グラスとは思えないシャープなアクションを実現させ、スピードガイドや強化樹脂製のリールシートなど、現代のロッドに繋がる革新的な開発を行ってきました。

その後、生産と販売がダイコー社に引き継がれ、長い間スピードスティックはルアーロッドの歴史を刻んでいく訳です。

1970年代から80年代、90年代とルアーフィッシングを楽しんできた方には、それぞれの思い入れが多くあり、スピードスティックを使ってきた方にも一緒に使ったリールやルアーなど、話し出したら尽きないと思います。

当時体感した「遊び心」を次世代に継ぎたい

倉庫に保管されていたスピードスティック

弊社創立50周年を迎える頃、スタッフの中から「スピードスティック復活」の企画書があがりました。企画書には「当時自分たちがスピードスティックを使って経験した釣りの楽しさを、現代の子どもたちにも経験をして欲しい」と書かれてありました。

この企画書をキッカケに、後のスピードスティック復活プロジェクトは始まりました。歴史のあるロッドを復活するにあたり現代的なエッセンスを取り入れ、新しく蘇らせようと考えたのが今回のプロジェクトです。

ただ…現代的なロッドにしてしまうと、釣り方によっては当時のルアーフィッシングとはかけ離れてしまいます。

私達が考えたのは、単に魚を釣ることに特化した「漁具」ではなく、昔楽しんだ釣りを現代的にした『遊び道具』を作る事でした。

他でも書きましたが、もしルー氏が今の時代に生きていたら、こんな風に遊んでいたのではないだろうか…?そして、タックルもこのように進化していったのではないか…?と思った訳です。

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