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レオン加来匠がブレードジギング全盛の時代に、あえて「ブレードゲーム」を提案する是非

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ブレードゲーム特集

あらゆる魚を魅了するブレードジグ

10年以上、一軍ルアーとしてリトルジョージを使い込んだ。その10年という歳月の中、国内でもリトルジョージが釣れるルアーであることが認知されていき、国産ルアーでもブレードジグが作られるようになっていった。

ちなみにリトルジョージを代表とするこれらのルアーは「スピンテールジグ」とも称されるが、レオンさんの認識はブレードジグ。様々なブレードジグが出てくる中、あえてブレードが回転しないジグなども登場、スピンしない=スピンテールではないということで、ブレードが付いたジグを総称して「ブレードジグ」としているとのこと。

シーバス、カサゴ、キジハタ、サバ…

様々なブレードジグが登場する中で、特に印象に残っているルアーは「邪道クルクル」だったという。

コンセプト的にリトルジョージの延長線上にあったこのルアーを初めて見た時、そのサイズ感からもっと大きい魚が狙える、もっとシーバスが釣れると感じたと。実際使ってみると、もちろんシーバスは釣れた。ただシーバスに留まらず、カサゴ、キジハタ、サバ、タチウオ…など様々な魚種が好反応を示す結果となった。

「ナッゾジグ」でキジハタ

ひらめきはマルアジから

ブレードジグが幅広いターゲットに効くということが周知されていく中で。…とある年、ホームとしていた岩国~広島にかけて「マルアジ」が大漁に接岸した。以降、毎年その時期になると型の良いマルアジが接岸するようになった。ともすれば、釣りたくなるのが釣り人。レオンさんも仲間とマルアジを狙うようになっていく。

効率の良さを視野に、あれこれ試していく中で仲間内で「どうやらマルアジにはブレードが効く」ということがわかってきた。ブレードを装着したシンキングプラグやメタルジグ、そしてリトルジョージ…ブレードの付いたルアーを投げると、たしかに反応が良い。むしろ劇的に反応が良いのである。

これは、小さなイワシをベイトにしていたマルアジにブレードのキラキラが効果的だったのではないかと、後に振り返る。

ただ、ここで問題が起きた。乗らないのである。チェイスはするし、バイトもあるが、ただただ乗らない。

この乗らないという現象は、先述の邪道クルクルを使ってシーバスを狙っていたときにも同じようなことがあったという。この時の乗らないバイトの正体は「メバル」。シーバス用とあって、ややサイズの大きな邪道クルクル。しかし、そんな大きなベイトを口の小さいメバルが捕食するような状況はホームエリアにはない。つまり…

ブレードにバイトしている!

そう、それこそが「ルアー全体ではなくブレードそのものをエサとして認識している」という証で、乗らなかった理由。それがきわめて重要なひらめきでもあったという。理由が判明したところで、次の難題はブレードバイトをどう針に掛けるかということ。

コロンブスの卵

…そして、翌日。

友人のT君が持ってきたものは“コロラドブレードにダブルフックを仕込んだもの”だった。T君が持ってきた試作品を手に、その日の内にテストへ。…すると、なんと全てのバイトがヒット。全部、すべてが口に掛かった。

「ブレードの中にフックを入れて一緒に回す」という画期的なシステム。そう、それこそがその後、レオンさんが監修したブリーデン社の名作「メタルマル」に採用した「ステルスブレードフックシステム」のベースになったシステムだったのである。

200年近い歴史のあるルアーの中で、誰もが思いつかなかったブレードとフックを一緒に回すという発想。レオンさんはこのT君の発想力はまさにコロンブスの卵と形容する。

そのシステムを使うようになってから、ものの1ヶ月ほどでマルアジをはじめ、タチウオ、マゴチ、マアジ…ありとあらゆる魚が釣れた。このプロトのルアーにセットされた「#1」というサイズのコロラドブレード、これが小型魚でも食えるサイズだった。これを見たブリーデン社の社長が「魚種限定解除」と銘打ってメタルマルを売り出すまでには、そう時間はかからなかったという。

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