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【冬にオススメ】オカッパリの延長線上のカヤックフィッシング

寄稿:赤澤 克哉
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みなさん、こんにちは! bifarrテクニカルアドバイザーの赤澤克哉です。

さて、カヤックフィッシングというと沖に数キロ漕ぎ出して青物や真鯛などをバーチカルで狙うスタイルを想像するかもしれません。

たしかにそういう釣りができるのもカヤックの魅力なのですが、岸からの竿抜けポイントを狙う「オカッパリの延長線上のカヤックフィッシング」というスタイルもあります。岸からちょっとだけ出るだけでも、どうしても届かなった根やナブラなどにアクセスできる……とてもメリットがあるんです。

そうは言っても季節は冬。そこで、今回は冬のカヤックフィッシングを楽しむポイントをご紹介していきます。

赤澤 克哉(Katsuya Akazawa) プロフィール

千葉県市川市のカヤックフィッシングショップ「kayak55.com」スタッフ。日本のカヤックフィッシング黎明期からカヤックフィッシングの楽しさ、安全面、マナー面などを伝える活動を続けている。JSPA(日本セーフティーパドリング協会)アドバンストインストラクター。bifarrテクニカルアドバイザー。他、ジャクソン、palm、bluestormなどのフィールドテスターも務める。

ポイント①:凪とウエアリングが大切

まず、カヤックフィッシングは大前提として安全第一。天気予報を活用して安定した凪の日だけを選んで釣行するのはどの季節でも一緒ですが、特に冬は水温も低くとてもリスクが高いので天候には細心の注意が必要です。

水は空気中の25倍のスピードで体温を奪っていくと言われていますから、冬の低水温に直接身体が濡れてしまうのはリスクを激増させます。もしもの“沈”の時でも、身体自体が濡れないフルドライスーツはリスク軽減の上で必須と言っていいでしょう。

フルドライスーツといえば10万円以上することが普通ですが、bifarrではリーズナブルな価格のフルドライスーツも取り揃えています。もちろんアフターサービスもしっかりしていますよ。

1月〜3月のオススメウエア

ポイント②:波がない場所から出艇する

フィッシングカヤックは波乗り用にはできていません。釣りをするために安定感があるカヤックでも、白く割れた波の中で簡単にバランスを失います。

パドリング技術が身についてくれば、波に乗ってしまってもスターンラダーやローブレイスなどのテクニックで沈を防ぐこともある程度できるようになりますが、大前提として波がない穏やかな砂浜を探しての出艇・着岸となります。着岸で波にもまれて沈をするとロッドは折れてルアーは紛失…なにより危険です。

予報で波が低い日を選び、消波ブロックの内側、サーフに張り出したヘッドランド、Tバー、季節外れの海水浴場(海水浴場シーズンは出艇不可)など波が立ちにくい条件を備えた場所から出てみてください。そんな場所を見つける下見も楽しいものです。

ポイント③:オカッパリのアングラーの邪魔にならない距離を取る

「オカッパリの延長線上のカヤックフィッシング」は、岸からは届かないかゆいトコロに手が届くのが魅力ですが、オカッパリアングラーの射程圏内に入るのはマナー違反です。

いくら届かなくても射程ギリギリに浮いているだけでも目障りになりますので、岸にキャストしているアングラーがいたら最低でも300m以上は離れて釣りをしたいですね。

ポイント④:狙い目となるエリア

続いてはこちらも重要ですね。どんなポイントで釣りをするか。基本的にはこちらもオカッパリの延長線上と考えて良いと思います。

干潟

シーバス狙いにおいて、夜にウェーディングアングラーが多い干潟を日中に狙うことができるのも魅力。潮位が高くても入っていけるのもメリット。

ただし、初夏から夏の干潮では干潟はすべて地面が露出するほど引くので逆にカヤックは出せなくなることもあります。

サーフに点在する離れ消波ブロックの沖

サーフに点在する消波ブロックの切れ目には必ず離岸流が発生して、ベイトフィッシュやフィッシュイーターが溜まりやすい。かなり沖の方までその影響は効いています。

ボトムの変化

岸から最初のカケアガリというのはどの場所でも見逃せないポイント。他、岩や海藻帯などちょっとした地形の変化を魚群探知機で捉えたらとにかくチェック。

オカッパリの延長線上のカヤックフィッシング・オススメタックル

オカッパリの延長線上の釣りはキャスティングゲームとなります。徹底的に「座った状態」でのキャストにこだわって設計したマルチエフェクターが1本あればすべてカバーできると言っても過言ではありません。

振り抜けが良く、キャストしているだけで爽快な気分になれるロッド。シーバス用の小型ミノーから1.5oz程度のトップやメタル系ルアーまでなんの不安もなくフルキャスト可能です。

水深1.5m〜2.5mぐらいの干潟エリアなどのシーバス釣りにおいて、小粒なヘビーシンキングミノーであるGコントロール20は飛距離抜群で、手早く巻いて水面下1mぐらいをブリブリ強い振動で泳いでくれます。広範囲を手早くサーチできるはカヤックフィッシングでアドバンテージになります。ボディに搭載されたセカンドリップの効果で通常のシンキングミノーと同じぐらいのスピードでもアクションしてくれるので、速い動きで食わない時にスピードダウンして使うこともできます。

サーフエリアのちょっと沖、水深3m以上からはこのルアーだけあればすべてカバーできる、まさに「オカッパリの延長線上のカヤックフィッシングで基本となる1本」。ヒラメ、マゴチ、シーバス、青物……魚種問わず使えます。使い方はとても簡単で、フルキャストしてカーブフォール〜ボトムを取ったら数回リーリング〜リーリングを止めて再びカーブフォールでボトムを取る〜この繰り返しだけです。リアウエイトでまさに飛び過ぎ、巻くだけで強いウォブリング。広範囲を流しながらやる気のある魚を拾っていくカヤックフィッシング最適なルアーです。

もちろん水面に雰囲気あれば水面直下をバジングしてもいいし、中層に反応あればボトムから斜めに巻き続けてもいいし、一粒で何度も美味しいルアーです。
ウエイトは水深やカヤックが風に流されるスピード次第で30gと40gを使い分けていきます。

カヤックフィッシングでは広範囲を探った方が効率が良いため、前述のGコントロール20や飛び過ぎダニエルブレードなどの泳ぎが強く、釣りのテンポが早いルアーが基本となります。

ただ、日によってどうしてもハードルアーに食いが悪いことがあります。その主な要因は「急激な状況変化」。水温が低いなりに落ち着いていればいいのですが、寒波が入って急に前日より水温が落ちた時や、雨が降って急ににごりがきつくなった時ですね。そんな時は、サーフの釣りで流行中の「サーフフィネス」が最後の切札になります。

フリークセットでしつこくじっくりボトム周辺で巻いてみてください。フリークセット搭載の水流を受けるメタルプレートでじっくり巻いてもワームがしっかり動いてくれて食わせます。フリークセットはアタリがあったら即アワセは禁物。少し待って食い込ませてからフッキングします。

冬は万全の予報で海に出ても、予報がはずれて荒れた時にリスクが高い水温です。「オカッパリの延長線上のカヤックフィッシング」ならば、海が荒れてもすぐに着岸できるので、安全面においても初心者の方にオススメです。ぜひ安全第一で、いつも陸から釣っている場所のちょっと沖を攻めてみてください!

bifarr(バイファール)

株式会社ジャクソンと高階救命器具株式会社による共同プロジェクトとして、2022年に誕生したブランド。 近年注目されているジャンル「パドルフィッシング」をテーマにカヤックやSUP、釣具、アパレルなどのギアの販売などを行っている。静岡県静岡市清水区には実店舗を設け、アイテム販売のほかカヤック・SUPフィッシングの体験や宿泊なども行っている。