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今江克隆のルアーニュースクラブR「令和の新バーサタイルロッドとは…その2つの方向性」の巻 第1020回

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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「スパインレス」全ての性能に優先する基本性能

さて、ここまでは「クーガーE7」と「ディアW7」の「違い」を解説してきたが、この2機種の最も優れた共通の性能が、ほぼ完全な「スパインレス(背骨なし)ブランクス」であるという点だ。

「スパインレス」に関しては、ここでも何度も解説してきたので割愛するが、今江的には「スパインレス性能は全ての性能に優先する」と断言してもよいほど、ロッドの本質的、物理的差を決定付ける基本性能である。

「クーガーE7」も、「ディアW7」も、ネジレが最大限に起きるバックハンドで投げた時にその物理的な違いを明確に感じられる。オーバーハング下にルアーを滑り込ませる時の、その気持ちよさを一度覚えたらヤミツキになるほど

高性能カーボンを使用することは、コスト度外視すれば構造上の難易度はさほど高いものではない。しかし、スパインを限界まで排する技術は、そこに触れることを業界タブーとされたほど難易度の高い技術である。

極論、8万円を下回る価格でこれが実現できたら業界大革命と言ってもいいだろう。

正直「エバーグリーンは本当にようコレやらせたもんだわ…儲けは大丈夫なんか??」と心底心配してしまうほど、「スパインレス」とはどこのメーカーもやりたくない、触れたくない竿の根源的欠陥部分なのである。

全メーカーが揃ってスパインありきのロッドなら、差はイメージ戦略、それ以外の技術戦略、そして低価格戦略で決まるからだ。

行き着くところ、竿の究極技術である完全無欠の構造改革的パーフェクトスパインレスはまだ実現はしていない。シート巻きつけ製法である限り、それは不可能かもしれない…。

そういう意味では、「クーガーE7」も、「ディアW7」も、「スパインレス」と称して問題がないレベルまで、ほぼスパインを製品状態で感じられない、スパインの悪影響を受けないところまで精密に作りこまれた技術的高精度ロッドと言うのが正確なところだ。

スパインレス系ロッドの本質

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