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今江克隆のルアーニュースクラブR「TOP50第4戦桧原湖 初のライブソナー有 VS ライブソナー無ルール試合の現実と功罪」 第1301回

公開日:
連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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TOP50第4戦桧原湖戦が閉幕した。

自分の結果は45位予選落ち。

予選FFS許可、決勝はFFS禁止ルールで初めて開催されたTOP50戦は、皮肉にも自分は決勝の練習を徹底しながらFFS戦の予選を通過することなく試合を終えた。

予選FFS使用許可、決勝FFS使用禁止という初めての変則ルールで開催された桧原湖戦。奇しくも優勝はFFSがあってもなくてもスコアを落とさなかった今泉拓哉プロの圧勝だった。

初日

自分の限界を受け入れないためにも、あえて言い訳するとすれば、試合初日スタート直後からこれまた皮肉にもメインのFFS機器が突如故障し使用不可能になるトラブルに見舞われ、片目を失った状態での戦いを強いられてしまった。

大型ラージ狙いの練習に力を入れていただけに、できるだけ早期にベースウェイト3尾2,700~2,800gを揃え、1,500g前後の大型ラージに費やす時間をどれだけ取れるかが鍵だと思っていた。ラージが獲れなかったことも想定し予想予選通過ラインの2,700gは確保したうえで、ラージで1本入れ替え3,500gに達するには絶対に必要なベースウェイトでもあった。

だが皮肉にも初日朝からFFSにトラブル発生、同時にハミン360にもトラブル発生。さらに風雨で荒れたこともありFFS精度が著しく乱れリミットメイクすらままならず、苛立ちと焦りから完全にリズムを狂わせてしまいラージを狙いに行くことすらまったくできなかった。

まさかFFS禁止の決勝を待たずして予選初日朝からFFS機器トラブルに見舞われ、片目を失ったような状況での試合を強いられることになった。

結果、初日予選通過ラインは予想以上の3尾2,800g、さらにTOP50の実力は想定をはるかに超え、なんと予選通過圏内の30人中23名もが3,000g超えという超ハイウェイト戦になっていた。

自分の結果はキーパーを揃えただけの3尾1,800g。もはや予選通過にすら絶望的な差がついた初日49位に終わった。

マイクロベイトをモニターに捉えられなくなった初日、なんとかアラバマウェイクを使ってリミットは揃ったが入れ替えもできずわずか1,800g。3尾2,700gは最低ラインと思っていた初日にほぼ最下位の49位という絶望的結果に終わった。

2日目

そして予選2日目、予選を通過するには最低でも3尾3,500g以上が必要で、もはや奇跡を起こすにはベースウェイトを確保したうえで大型ラージ2尾を仕留めるしか選択肢はなかった。

なんとかFFSの修理を終えた2日目、試合開始後2時間弱でFFSライブサイトで約2,700gを確保。

両目が開いた2日目は速攻で2,700g弱を揃えることはできた。だが、ハイウェイト続出の中、予選を突破するには最低でも3,500g以上が必要。スモールだけでは到底不可能なウェイトだ。

しかしここでいくらスモールで入れ替えを繰り返しても3kgそこそこでは予選は通過できないことは確実、残りの時間のほぼすべてをラージ狙いに費やす賭けに出るしか選択はなかった。 だが、初日予想以上に大型ラージを仕留めてきたプロがかなり多く、2日目はほとんどラージの姿をウェイインでも見ることはなく、無謀な賭けは徒労に終わり自分の桧原湖戦は何もできないまま苦渋の45位予選落ちで終わってしまった。

ベースリミットを早々に揃えた2日目、残り全時間を使って全力でビッグラージ2本を狙ったが、ほぼ初日に抜かれた後だった。

2日目は桧原湖全域を走り回って大型ラージを探したが、すでに抜かれたあとばかりなのか一度も遭遇することさえなかった。あとで聞いたが、自分が最も狙っていたラージは今泉プロが初日に釣っていた。

藤川プロ、河野プロ、山岡プロ

最高レベルのFFS戦となる桧原湖で、予選を通過する方がFFSなしの決勝より難しいと予測はしていたが、いきなり初日からFFS使用を制限されてしまったことは、若手ライバー全盛の今、フィジカル的FFS操作面で圧倒的に劣る自分にとっては致命傷だった。

全てのプランが初日朝一に狂ってしまった桧原湖戦。高額機材のメンテナンスを怠った自分の失態だ。デジタル機器に疎い自分にとって、FFSを高度にマスターするにはセッティングをはじめとしたデジタル基礎知識が乏しすぎることを痛感した。

あとから思えば時間をロスしてもFFSの修理に戻るべきだったが、焦りでサブ機でなんとかしようとした自分の完全な判断ミスだった。

2日目は簡単に2,700g弱まで揃ったが、初日の大失態で何も挽回することもできず、楽しみにしていたFFS無しの決勝にも出ることは叶わなかった。

予選の結果は想像以上の驚くべきハイウェイト戦だった。2日間ほぼウェイトに差がなく22名もが3,000g超え、2日目の30位ですら初日を上回る2,852g。これは昨年も同時期に開催されたTOP50の予選通過ウェイト、初日2,410g、2日目2,438gをはるかに上回るハイスコアだ。スモールマウス戦の400gの差は、ラージマウス戦の1kg差に匹敵するほど数字以上に大きな差なのだ。

初日、FFSの名手・藤川温大プロは3,400gで9位、皮肉にも自分がプリプラでラージや大型スモールを炸裂させていた「ビーストボーン」のプロト4.9インチでビッグラージを仕留めていた。試合前に1個だけ渡したにもかかわらず…。

自分もメインにしていた「ビーストボーン4.9インチ(プロト)」で見事にラージを仕留めて初日9位の藤川プロ。桧原湖歴2年目ながら昨年も5位入賞しFFSでは無類の強さを見せる。

本来なら自分も初日は速攻で2,700~2,800gを揃えたうえでビッグラージを「ビーストボーン」で入れていいく久々のラージ戦略を組んでいたのだが、ベースすらも昼過ぎまで揃わず、何もできなかった。

そして16インチFFSを2台積み、徹底してFFSの練習をやり込んでいた河野正彦プロも「ジャバロンONE」のホバストと桧原湖限定カラー仕様の「アイアロー」で3,300gの10位スタート。あれほどFFS音痴だった河野プロもやはりデジタルネイティブ、機器さえ揃えてやり込めばその習得の早さは自分の比ではなかった。

16インチGARMINを2台搭載し、ライブに目覚め始めた河野プロ。もともとフィジカルが強くデジタルネイティブだけに自分よりはるかにFFSの上達速度が速い。ただ、それは彼にとって諸刃の剣でもあった。

さらに2日目には山岡計文プロが得意の必殺技「レインボーチューブの水面放置プレー」で3,600g超えのトップウェイトをマーク。FFSで中層の群れを見つけ、その水面に「レインボーチューブ」を放置し、スモールを急浮上させて喰わせる表層ライブだった。なぜか4インチが圧倒的に良かったそうだ。

スモールのみで3,600g(オールキロアップ)をマークするには、やはり特殊な水面トリックでなければ普通の釣りではまず達成できないウェイトなのである。

なんと2日目、4インチの「レインボーチューブ」の水面放置プレーで、スモールのみで3,600gを達成し2日目トップウェイトの山岡プロ。中層の群れをFFSで見つけ、その進行方向水面にレイチューを放置で浮かせると急速浮上で喰ってきたそうだ。

究極のライブサイト戦

TOP50第4戦桧原湖予選は、予想はしていたがその予想をはるかに上回る究極のライブサイト戦による驚異的ハイウェイト合戦となった。

JB桧原湖シリーズでも3kgは毎試合1名~2名出ればよい方にもかかわらず、連日20数名が3kg超えする現実はこの1年でTOP50のFFS技術レベル&装備が劇的に進化・高精度化したことをあきらかに証明する結果となった。 それだけにFFS禁止となる決勝はTOP50プロ本来のステゴロ戦の底力が証明される機会となることは間違いないと思われていた。

FFS禁止の決勝はバウ、コックピットともに外したトランスデューサー端子にカバーが付けられ、タイラップで止められ開封禁止のシールが貼られた。

初めてFFS全面禁止の決勝

そしてついに約6年のFFSの歴史で初めてFFS全面禁止の決勝が始まった。

そのスコア結果はある意味衝撃的であり、ある意味、当然の帰結ともいえるものになった。

FFS使用可の初日、2日目の各日単日スコアに比べFFS禁止の決勝スコアの総ウェイト差は予想通りのロースコア戦となった。あくまで今回の成績のみをデータ的に見た分析だが、FFSを得意とする通称「スコーパー(アメリカではFFSを主力とするプロをスコーパーと呼ぶ)」は、やはり軒並みスコアを大きく落としたことはデータ的には明白だった。

第4戦桧原湖の単日ごとのスコア表。FFS使用可の予選はカットラインでも実に2,800gオーバーの超ハイスコア。3,000g越えが連日20名以上。スモールマウス戦にもかかわらず霞ヶ浦のラージマウスの3尾スコアを遥かに超えている。

3日目というプレッシャーもあるが、30名という少人数制と桧原湖のバスの個体数の多さから例年桧原湖戦では決勝も他の湖に比べさほどスコアが劇的に落ちることは少ない。だが予選では連日20人超えの3kgオーバーは5名に減少、予選の30位通過ギリギリのウェイトである2,800gでも決勝では10位と明確にウェイトは落ちる結果になった。

FFS戦の特徴としてどうしてもバスの位置、サイズ、量が明確に目で見てわかるため、近接船団戦の釣り合いになることが多い。FFSは肯定派だが、昔から船団戦だけは自分は無理。

そして3人に1人がリミットメイクもできていない。中でもTOP50最強スコーパー、吉川永遠プロの桧原湖ノーフィッシュは信じがたいほどの衝撃的な出来事だろう。 同時にシャローに関しては、TOP50でも3本の指に入るサイトの名手である河野プロがかなり有利かと思われたが、決勝でノーフィッシュに終わったことも意外な出来事だった。

決勝の日、決して気迫が抜けたわけではないが藤川プロのこんな姿は試合中に見たことがない。人によってだが見方を変えればFFSの方が集中力と緊張感があるためか、よりスポーツ選手に見えるともいえる。

本人に聞いたところ、マスターし始めたFFSで決勝上位進出できたことで、逆にシャロー勝負に行く選択に迷いが出てしまったという。FFSをマスターしたことで、逆にシャローサイトのキレ味に鈍りが出る。双方を両立させる能力がいかに難しいことか、河野プロのノーフィッシュはそれを如実に語る出来事でもある。

バスプロはライブ無しだとたいして釣れない?

この結果だけを見ると「やはりバスプロはライブ無しだとたいして釣れない」と一般目線では評されるかもしれない。しかし一方、玄人目線で見れば「ライブ技術があれば桧原湖での試合経験がほとんどない1年生TOP50プロでもこんなに釣れるんだ」という驚きもある。

FFSがない時代では回遊性が極めて高く、火山噴火による難解な地形の複雑さが日本屈指の桧原湖は、新人TOP50プロのまさに最難関の鬼門、圧倒的にベテラン有利の湖といわれていた。それがFFSの登場で地形や回遊ルートのピンを知らなくても、「リアルタイムでダイレクトにバスを見つけ、目でルアーとバス双方を見ながら狙う」ことができるようになったがゆえ、経験値に関係なく、ライブ技術の優劣で十分に経験値の高いプロと互角に戦えるようになった。

桧原湖程度の大きさの湖でなら、コンソールにもFFSを装備し、サイドイメージ、360、GPSマッピング機能を併用すれば、自分たちが過去数年かけて調べ上げた難解複雑な桧原湖の湖底も、7日もあればほぼ丸裸にできるうえ、同時にバスの群れの移動すらもリアルタイムで追いかけることが可能になった。アメリカの広大な湖で地形的な経験値がまったくない日本人が活躍するうえでは、なおさらにFFSは極めて有効かつ強力な武器なのである。

だが一般アングラー目線で考えれば、「釣り」とは自然の中で人間の「野生の勘(カン)」を駆使したバスとの素手の勝負、原始的狩猟本能こそが「釣り」の本質であり、電子デバイスを駆使し、武器を持たない裸のバスを追い詰め狙い撃ちしていくFFSスタイルはあまりにもバスと人間の知恵比べにおいて平等ではない、凶器を使った反則だと思う人もいるだろう。 一方で、人類にしかない英知を結集して作り出したFFSによって、誰にも平等に釣れる魚が格段に増えることは紛れもない事実であり、「狙って釣れるからこそ楽しい」「なぜ釣れたのか明確に理由がわかる」という現代人らしい考え方も十分に理解できる。

バストーナメントでの本当の強者とは?

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