今江克隆のルアーニュースクラブR「TOP50第4戦桧原湖 初のライブソナー有 VS ライブソナー無ルール試合の現実と功罪」 第1301回
バストーナメントでの本当の強者
決勝の日、雑誌記者が同船していた藤川プロが、「何も見えなくて、想像だけで釣りをして何が面白いんですかね…」と呟いていたと聞いたが、想像ではなくすべての答え合わせが実映像として確認できるFFSは、「釣りは運」という曖昧なイメージを極力排し、競技としての明確な技術差という点、すなわち「競技性の高さ」の視点で評すればFFSはバストーナメントをよりプロスポーツ性の高いものにするために必要不可欠な存在だともいえるだろう。
つまるところ、バストーナメントとは人間がもつ原始的狩猟本能を競う競技なのか、それともプロスポーツとして勘や運を排除した純粋な釣技を競う競技なのか、その論争の明確な結論が出ることは今後もないだろう。実はそれこそが競技化するにはあまりにも曖昧な要素が多い、自然を相手にした「釣り」の永遠の本質なのかもしれない。
だが、それゆえにFFS使用可の初日トップウェイト、さらにFFS禁止の決勝でもトップウェイトを出し、圧倒的なスコアで優勝を飾った今泉プロの強さがより光った試合だった。

初日1位、2日目2位、FFS禁止の決勝1位とほぼ完全優勝だった今泉プロ。FFSの技術の高さと桧原湖シリーズでの経験値の高さで、並み居る強豪スコーパーを完全に上回った。
予選を「ベビーライク 2インチ エラストマー」のFFSホバスト、決勝はかつてFFSがない時代に桧原湖最強ワームとして一世を風靡した懐かしの「バークレー・Gulpベビーサーディン」のダウンショットのほぼバーチカルシューティングでピンの立ち木を攻略する戦略だった。

今泉プロのFFSウィニングルアーは「ベビーライク2ES」の1.3gホバスト。ラインは安価な東レのエリアトラウト・リアルファイター0.2号4本撚り。安価ゆえに巻き替えの頻度を上げられるので今泉プロは信頼して使っていた。
なぜ今泉プロがFFSなしでも変わらず安定した結果を出せたのか、その理由はシンプルだと思う。
今泉プロはTOP50戦の2週間前に開催されたJB桧原湖シリーズ、そしてJB2桧原湖でも連続3位入賞しており、長年にわたる豊富な練習量で桧原湖の地形、さまざまな立ち木、水位による湧き水の位置を把握しきっている。これは今試合準優勝した江尻悠真プロも同様で桧原湖シリーズにエントリーし「昔ながらの豊富な練習量」を圧倒的にこなしている。 それが何を示しているか、答えは明白だ。

FFS禁止の決勝ウィニングルアーはFFS時代以前、桧原湖最強ワームとして時代を席巻した知る人ぞ知る「バークレー・Gulpサーディン」。FFSが使えないときのエサ並みの集魚効果は今も健在だった。
FFSスコーパーであっても、FFSなしであっても、結局はいかに勝利のための練習時間をその湖で誰よりも多くこなしているかであり、FFS、FFSなしにかかわらず勝利に近道はないのである。本当に強いバスプロとは、どんな土俵でも強いプロであり、結論的にはどんな土俵でも練習量と勝利への気持ちの強さで決まるものであり、FFSであろうがFFSなしであろうが、今の時代、本当の強者は全局面で強くなければならない。そしてその全局面に「日本で」という言葉にあえて付け加えるならば、強いだけではなく「ファンを獲得できるカリスマ性を持つか否か」が極めて重要な才能だと自分は思う。
FFSアリ無しを論争するのは、昔でいう「ライトリグはダサい」「ビッグベイトはカッコいい」といっていることと自分はあまり大差ないと思っている。結局つまるところ、バストーナメントも打撃も関節技もアリのMMAなのだ。その全局面で強くてかつ見て面白い試合ができ、ファンに夢を与えられるカリスマ性がある者だけが時代を牽引できるヒーローとなれる。スコーパーであろうがなかろうが、多くのファンにバス釣りの夢を与えられるカリスマならば、それが本物のバスプロと呼べる選手なのだから。

FFSがなかった時代の生き残りの代表ともいえる小森嗣彦プロと自分。ともに決勝に出ることはできなかったが、未来のトーナメントがどのようなカタチになろうともまだまだ挑戦あるのみだ。
今回の桧原湖戦のさらにディープなトーナメント解析に関しては、釣りビジョン「THE TOP50」で今泉プロにGARMINの個人設定からFFSなしのキモまで、めちゃくちゃ突っ込んで独占インタビューしてきているので優勝検証番組をお楽しみに。また今試合は藤田夏輝プロ、梶原智寛プロに釣りビジョンが密着し、試合時のFFS画面録画付きで深掘り解説しますのでご期待ください。
最後に今試合を経てひとつだけ自分がFFSに危機感を感じるとすれば、その装備価格がトッププロを目指すうえで年々常識外れの高額機材になっていること、最新装備合戦になっていることだ。現実、FFSなし条件ですら、FFSの代わりになる真下でもルアーを映せるGARMINの特殊な2D&ダウンスキャン装備や、GARMIN・GT360UHD、ハミンバード360APEXなどなど、FFSなし対策として高額最新装備を搭載しているプロもまた多数いたのも現実だ。
若くして1,000万円を超える参戦資金をもつセレブであることが最低条件であるTOP50トーナメントでは、はなから若者のチャレンジ精神を挫いてしまう。昭和・平成時代のトーナメントのように、バストーナメントはたとえお金がなくても、腕一本、実力で成り上がり、将来もバス釣りで人並み以上に食っていける夢のある世界であってほしいと思う。
























































