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「ヤマガブランクス88チェイン」とは何か?

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ヤマガブランクス渾身のバーサタイルロッドとして登場したヤマガブランクス88チェイン(以下88チェイン)ですが、8月8日の発売日以降、もう手にされている方も多いと思います。

88チェインは新機軸のバーサタイルロッドとして、様々なフィールドで活躍するモデルとしてデビューしましたが、単純にバーサタイルロッドと言っても、いまいちピンとこないのもバーサタイルロッドでもあります。

バーサタイルロッドとは、簡単に言うと「なんでも竿」、カタログ的に言うと「高汎用性能モデル」ですが、エギングロッドやシーバスロッドだって高い汎用性を持ったバーサタイルロッドと言うこともできます。

そういった汎用性能の高いロッドで、なおかつルアーとラインのロッドスペックが近いロッドと88チェインは何が違うのか? その違いこそが88チェイン開発のコンセプトであり、単機種のみのリリースになっている理由でもあります。

今回は、そういった88チェインのコンセプトや設計についてお話させていただこうと思います。

ヤマガブランクス「ヤマガブランクス88チェイン」詳細ページはこちら

幅広い対象魚と多彩なルアーをストレスなく使いこなすための研ぎ澄まされた性能

ヤマガブランクス88チェインで求めたのは、目の前のフィールドにいるターゲットを多彩なルアーを使って自由に攻略する性能です。

10g前後の軽量プラグもスパッと振り抜き、40gのメタルジグもしっかりとウェイトを乗せて遠投できる。セイゴ・クロダイといった小型ターゲットから5kgクラスの青物まで、しっかり曲がってファイトできるブランクの調子とバットパワー。一本でどこまで自由に楽しめるかという性能を追求したモデル、それが「ヤマガブランクス88チェイン」です。

88チェインは可変するダブルテーパーアクションの新機軸バーサタイルロッド

よくある質問として「ルアー8~40g、ラインPE0.8~2号という88チェインのスペックと、それに近いロッドでは何が違うのか?」というものがありますが、この質問への回答は「ロッドの設計が違うことで、同じ負荷でも曲がり方が違います」というものです。

2段階で曲がるダブルテーパー設計

88チェインは、負荷に対してロッドの曲がり支点とパワーが変化するダブルテーパー設計になっており、様々なルアーサイズや種類をストレスなく使用できるように、キャスト時やファイト時に掛かる負荷に応じて曲がりの頂点(反発力の支点)が2段階で変化するようにブランクを設計しています。これにより、プラグからメタルジグ、シンカー&ワームまでストレスなく使用できるロッドに仕上がりました。

具体的に言うと、小型ルアーのキャスト時や小さなフォームでキャストする際、1段階ギアまで入り込みスムーズにルアーを押し出します。次に高負荷の掛かるジグやプラグをペンデュラムでキャストする際には2段階から曲がり、更に強い力でルアーを押し出します。

ファイトも同様で、クロダイ等の小型ターゲットの場合は1段階目のギアでスムーズな曲がりとなり、魚を弾かずに溜めていなすファイトを展開でき、3kgを越すような大型になると2段階目のギアへと曲がりが移行し、より大きな曲がりしろを持ちながらバットがしっかりと曲がって魚の走りをいなす性能が際立ったロッドに変化します。

1段階目のギアでも2段階目のギアの曲がりでも、どちらもスムーズな曲がりになるように設計されており、低負荷でも使用感に抜けを感じないように曲がりの力点が移行する使用感こそ88チェインの最大の特徴です。

専用ロッドの方が優れる部分も

このダブルテーパー設計は一本で様々なゲームを楽しむための性能ですが、ターゲットとフィールドを固定するならば、やはり専用ロッドの性能が優れている点もあるのは事実です。

例えば、ロックフィッシュ用ロッドは張りが強めの設計でボトムでのアクションや感度、根掛かりを外す反発力、魚を一気に引き抜くためのガツンと残るバットなどを持っています。サーフ用のロッドはロングレングスで遠投性能に優れ、波打ち際で大物を強引にズリ上げるパワー表記以上のバットパワーなどが必須です。

また、磯においては88チェインの8ft8inというレングスは短めですので、磯際でのファイト時の攻防はスリリングなものになります。更にエギをしゃくることは可能ですが、エギングロッドのように軽快にロッドを上下に動かすことの疲労度も違いますし、何より低テンション時の高感度性能は圧倒的にエギングロッドの方が上です。

88チェインの「楽しさ」という性能

しかし、張りやパワーやレングスでは専用ロッドに分があり、誘いやランディング時に苦労することがあったとしても、88チェインはそれを補って余りある「一本でなんでもこなす楽しさ」があります。

なんでも竿にありがちなダルさを排除し、あくまで軽快な使用感で、幅広いルアーをストレスなく使いこなし、小物から大物まで狙っていける設計は、何よりも「楽しさ」を追求して生まれたからに他ありません。

フィールドとフィールドを繋ぎながらジャンルを飛び越えて、純粋にルアーフィッシングを楽しみ尽くす「88チェイン」スタイルを、ぜひ、体感してみてください!

YAMAGA Blanks 88 CHAIN キャスト&各種ルアー使用感解説

出典:YouTubeチャンネル「YAMAGABlanks」

YAMAGA BLANKS 88 CHAIN 宮崎マイクロベイト攻略!! 実釣動画

出典:YouTubeチャンネル「YAMAGABlanks」

ヤマガブランクス(YAMAGA Blanks)

釣竿製造の株式会社山鹿釣具のオリジナルブランドとして2008年に誕生したロッドメーカー「ヤマガブランクス」。より良い製品づくりを目指し、工場内で設計者と職人がコミュニケーションを取れるように、また多くのプロトロッドのテスト・改良をスピーディーに繰り返すために、ブランクの設計・巻きつけ・塗装・組み立て・出荷まで全てを国内自社工場で一貫生産し、その高品質なロッドに定評がある。