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【2024年で20周年】平岩孝典本人に訊く「ジョインテッドクロー」が今も昔も、そしてこれからも釣れ続ける理由

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集魚力

続いては、ジョインテッドクローの真骨頂「集魚力」。何がバスを引き寄せるのか、アクションなのか、リアルな見た目なのか、あるいはそれ以外の何かなのか。

8割~9割はアクション

集魚力の秘訣を聞けば、8~9割はアクション、そして残りの1~2割はカラー。「アクション」で寄せて、最後に口を使わせるのは「カラー」であるという。

そもそも平岩氏が考えるS字アクションのメリットは「中間的」であること。ジャークベイトやミノーのジャークすれば左右にダートするアクションをS字によってゆっくり演出できる…つまりスローにダートを演出できるという点、加えてアクションを止めたときにジョイントによって自発的なアクションを起こすという点。直線的に泳ぐ場合と、ジャークして左右に飛ばして誘う場合の“中間的であること”が最大のメリット。それこそが集魚力の秘訣であると平岩氏。

400色を超えるカラー

その集魚力の秘訣の残りの1~2割を担うカラーへのこだわりも興味深い。

「魚から何に見えているかは正直わからない」とした上で、その経験からナチュラルカラーとチャートカラー、そして超リアルカラーでは明らかに反応が違うと。ただし反応は違えど、例えばクリアなバックウォーターでチャートカラーにしか反応しないケースやその逆もあり。また近寄ってはくるものの口を使わず、超リアルカラーを入れると一発で口を使うというケースもある。

結果的にどんな色でもバスが釣れる…そんな遊び心も後押しして、これまでになんと400色を超えるカラーが登場。数こそあれど、重要なのはナチュラルカラーとチャートカラーと超リアルカラーを意識すること。実際、平岩氏もこの3色を軸に釣りを展開しており、今現在カラーで大きく外すことはないと言う。

派生するメソッド

さて、ジョインテッドクローほど様々なメソッド(釣り方)があるルアーもそう無い。ただ巻きをはじめ、デッドスティッキング、リアクション、デジ巻き…登場から20年が経とうとする今なお新しいメソッドが誕生。

これはあえて仕掛けたのか、それともジョインテッドクローが愛されるがゆえにどうにかして釣りたいと言うアングラー側の努力なのか。これも平岩氏本人に。

ただ、S字系であること

テスト段階では、アクションを付けたり、止めたり、ボトムに放置したり…様々なことを試し、実際に効果的であることはわかっていた。とはいえ、そもそもS字であること自体が新しく、またS字を描く“ただ巻き”だけでも十分に釣れる。その上で、こんな使い方ができる、あんな使い方ができると伝えればユーザーが混乱するでしょ…と。

つまり、メーカーの戦略として発売当時は「S字系」であることだけをアピール。その先の使い方はあえて説明しなかったというのが答え。

平岩氏は続ける。釣り人は釣れないとアクションを付けてしまう。そのとき「お、ダートするぞ」「首を振るぞ」とユーザーが気付き、それで釣れたとなればまたそこに新たな喜びが生まれる。

つまり「楽しみを後に取っておいた」と。

いろんな使い方が派生し、大場所、小場所問わず様々なフィールドで実際に実績を積んできた。ジョインテッドクローはいわばユーザーと共に育ててきたルアー。だからこそ、この先まだまだ新たな使い方やメソッドが登場するはずで、その可能性は極めて高い。

魚がスレない

メソッドについて伺った延長線上で、もう1つこんな話。

「魚がスレないんです。」

いわく、リップがなくボディ全体で水流を受けてS字軌道を描くジョインテッドクローは、100人使い手がいれば100通りのアクションになる。リップやその他パーツで強制的にアクションを起こす他のルアーとは違い、魚がスレない

これは魚がルアーをチェイス、そのキャストでは口を使わず、もう一度同じ所を通せばまた見に来る。そして3回目に通したときに食う、なんてことがしょっちゅうあることも裏付けといえば裏付け。

極めて「生」

ジョインテッドクローは曲がらない。

これは止めたときの話で、いわく大型のジョイントルアーは止めたときにジョイント部が曲がる。一方のジョインテッドクローはアクションを止めたときに真っ直ぐの姿勢をキープし、そのように作ってあると。

巻けば左右にアクションし、もちろんボディも曲がる。そこでアクションを止めると自発的に真っ直ぐの姿勢になろうとする。この人間が引っ張って動かすではない、自発的なアクションが極めて「生」であり、これも魚がスレにくい要因であるとも。

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