ルアーフィッシングのトピックをこまめにお届けする釣りの総合ニュースサイト

LureNews.TV YouTube Channel

そのロッド極めてしなり、溜めて、メバルを獲ることができる。ティクト「アイスキューブ IC-710T PS プラッキングシェイプ」

寄稿:飛田 俊一郎
  • X
  • Facebook
  • Line
  • はてなブックマーク
メバリング特集

柔よく剛を制す。しなるロッドに込めた想い

①軽量プラグをより遠くに

みなさんがこの竿を手に取って最初に感じるのは、おそらくティップからベリーにかけての“しなやかさ”でしょう。ファーストテーパーなメバルロッドが多い中、なぜそのベリーのしなやかさ?それにはちゃんと理由があります。

ひとつ目は「軽量なメバルプラグをより遠くに運ぶため」です。メバルプラッキングのシュチュエーションとしては、全国的に港内よりも消波ブロック帯や磯など外洋面でメバルを狙うことが多く、その状況下では、少しでも遠くにルアーを運べたほうが、より多くメバルの着き場にルアーを通すことができるからです。

やや長めな7フィート10インチの長さを利用し、しっかり曲げてキャストする事によって、軽量プラグをより遠くにルアーを運ぶことができるように詰めていきました。結果、キャストフィールが良く、遠投するのが楽しいロッドに仕上がりました。

②潮の流れを感じる感度

そして、2つめの理由は「ベリーで潮の流れを感じるため」です。

今、取り組んでいるプラグ「ビッグヒップ」を使ったメバルプラッキングのキモは「釣れる潮」を探しながら釣っていく事にあります。そのためには、やはり潮流変化を見極めなければいけません。

実は開発当初、潮の流れはティップで感じるものだと思い込んでいました。極細チューブラーや急テーパーソリッドなど、いろんなティップのパターンをテストしてみましたが、感度が上がるどころか、逆に下がってしまい…ファイトするもすぐにスタックする始末。ティップのバランスでこんなに釣りがやり辛くなるなんて…。結果トータルバランスを見直し、ベリーをしなやかに調整することで潮感度が格段に上がりました。

「でも曲がる竿は感度落ちるよね」そう思われる方もいらっしゃるでしょう。ですが、そこは今まで数々の高感度ロッドを世に送り出してきたティクトの技術力。軽さはもちろんのこと、「硬すぎず、ダルすぎず」「潮感度と当たり感度」レングスと感度を両立したベストなバランスに仕上がりました。

これは日本海側、特に北陸だけかもしれませんが、釣れる潮(次回プラグ編で説明します)にプラグが乗っていると感じた時に、「来るぞ来るぞ…」とバイトの前に合わせの準備をする事ができます。それを同じ釣り方をベースとしているアンバサダー米原氏に話すと「そうなんですよね、僕もわかります」と共感してくれました。早くこれを手に取った全国のアングラーさんと共有したい!そう思っています。

③メバルに本気を出させないベントカーブ

もう一つ重要なこと。「竿が曲がるとスタックしやすくなるんじゃないの?」…そう思いませんか。

確かにそれは一理あるんです。ですがその実、スタックするのは竿を立ててJHの釣りをしているときに多く無いですか?しかも近距離戦で。プラッキングの戦闘範囲は、プラグが届く距離の表層から中層である事が多く、これも検証してみたのですが、プラグの最高到達点〜中間距離で魚を掛けた時のラインの角度は硬いロングロッドと比べても実はそんなに変わりません。

つまり竿を立てずにプラグを引き、バットで合わせフックアップまで曲がりによるタイムロスさえ抑えれば、しなやかな竿でもスタックする事なく充分大きなメバルをキャッチすることができます。

また、この竿で小型のメバルを掛けると、逃げよう逃げようと真剣に暴れ、小型ながらに竿を曲げてしっかり楽しませてくれます。また大型メバルを掛けると、竿のしなりがサスペンションとなりバットで溜めが効くせいかメバルが本気を出す前に体力を奪われ寄って来ている感覚があります。これがプラッキングシェイプの理想のファイトになります。

構想からはおよそ3年、テスト2年、秋から夏までプラッキングオンリーで実釣百数十日、掛けたメバルは数知れず、基本設計が決まってからは尺メバル7本、スタックは1度もなし、そんなプラッキングシェイプがようやくリリースになります。

2 / 3
前へ 次へ