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【Episode of EGI OH K/vol. 1】川上英佑に訊く「エギ王K」開発秘話

寄稿:川上 英佑
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エギ王Kが発売されて10年。

現行のエギ王シリーズの中でも唯一リリースから商品名、形状が変わっていないモデル。今やエギ王シリーズを代表するモデルとなった「エギ王K」

現在10周年特別企画のエギ王K開発ストーリーがYoutube上で公開中ですが、実は動画の中でお伝えしきれなかった部分があります。

出典:YouTubeチャンネル「YAMASHITA Maria」

動画で伝えられなかった未公開エピソード

今回は開発に携わった私の視点から、エギ王Kの安定フォールにも密接に関係する“抵抗値”を生むハイドロボディが欲しいと感じるきっかけになった、未公開のエピソードをお伝えします。この記事を見た後に再び動画を見ていただくと、また違った面白さを感じていただけると思います。

川上 英佑(KAWAKAMI EISUKE) プロフィール

ショアをメインにオフショアからのエギングにも精通するYAMASHITAエギングマイスター。 エギング歴は20年に及ぶ。エギングが認知されてまだ間もない頃からYAMASHITAのプロスタッフとして活動、その活動範囲は国内外問わず幅広く、東南アジアからオセアニア、ヨーロッパ、南アメリカと世界中に及ぶ。また世界各国でエギングを行い、またエギングセミナーを開催。ロジカルなセミナーは海外でも人気が高い。

派手で力強いアクションが主流の時代

私がYAMASHITA Mariaの営業マンとして和歌山県を担当していた頃の話。

ダートアクション全盛の2001年頃、当時のエギングシーンはとにかく派手なアクションが主流で、シャクリにしてもショートジャークにしても全体的にかなり強めでした。当時私は関西のエギング大会にもよく参加しており、私自身も含め参加者の殆どが派手で強めのアクションが多かったように思います。

それに応えるようにエギング専用PEラインの普及がどんどん進み、エギもアクションに特化したモデルが各メーカーから次々と登場した時代でもありました。

秋がメインシーズンとされる当時のエギングにもマッチした「派手で力強いアクション」のエギング。加えてランガンスタイルが主流の当時。次の場所に入って活性の高い個体が居ればすぐに結果が出るため、常に派手なロッドアクション、大きく動くダート系のエギの組み合わせに疑問を持つ事もありませんでした。

しかし様々な季節、状況でのエギングを経験していく中で、それが通用しない状況がありました。当時メインで使用していたエギは、“ King of Dart”と称されたエギ王シリーズの初代モデルでシリーズの中でもアクションのキレがNo.1のエギ王。

エギ王で対応しきれない状況がある

エギ王で反応が無い時は、大分型を踏襲したボディ形状のエギFやエギ職人を使うと不思議と厳しい状況でも釣果に結びついていました。

釣り人は苦しい時に良い思いをさせてもらった道具に対し印象が強く残ることもあって、私自身この大分型の原型に近いボディ形状がとても気に入り、営業で和歌山出張へ行く度に、昔ながらの漁具店に足を運んでは、大分型ボディの古いエギだけでなく昔ながらの漁具のエギを購入したものです。

最初はあまりエギのボディ形状に対して意識はしてはいなかったのですが、2タイプのエギを使い続ける中で、同じサイズのエギでもシャクった時の腕にかかる負荷が異なる事、フォールの際のラインの張り方などが異なることに気づきました。

釣りに行かない時でもエギに触れたり握ったりしていると、よりその違いや特徴を感じ、重さやサイズではない、エギのボディ形状から生み出される抵抗値に着目するようになりました。

ここから動画冒頭のエギの抵抗値に繋がっていきます。

※vol. 2へ続く…

ヤマシタ

「ヤマシタ(YAMASHITA)」は、神奈川県横浜市の老舗釣具漁具メーカー「ヤマリア」のエギング、イカ釣り、タイラバ、タコ釣りなど、海釣り用品に特化したブランド。特にエギングへの造形は深く、エギのスタンダートである「エギ王」シリーズや、「ケイムラ」カラー、「490グロー」カラーなどを送り出し、最新のテクノロジーでエギングの世界を変え続けている。