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【69か74か、パワーかフィネスか】アングラーを育てるロッド、ティクトの「アイスキューブ」アンバサダー飛田俊一郎の考え方

寄稿:飛田 俊一郎
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メバリング特集

69シリーズの“モノ足りなさ”を補う新しい2本のロッド

その後も、先の2種類のアイスキューブを使ってメバル釣りを楽しんでいましたが、徐々に69シリーズでは少々物足りないシュチュエーションが出てきます。当時は、ちょうどティクトの製品開発のお手伝いを始めた頃。そんな折、TICT開発担当から、新アイスキューブについての意見を求められます。

 

取り回しの良いミドルレングス、7.4ftのチューブラーとソリッド

“取り回しの良いミドルレングスが欲しい”…そう思っていた僕は、同レングスで2本、7.4ftのチューブラーとソリッドを提案。

そしてでき上がった74シリーズは、前述の通り、69シリーズの手の届かい所をカバーしながら、バーサタイルロッドとして仕上がってきました。それがIC-74FS-Sis”finesseSolid(フィネスソリッド)”IC-74PT-Sis”PowerTubular(パワーチューブラー)”です。

商品名 ティップtype Length
(ft./cm)
Section Close
(cm)
Weight
(g)
TopDia
(mm)
ButtDia
(mm)
Rig wt.
(g)
Line
(MONO)
Line
(PE・号)
IC-74FS-Sis カーボンソリッド 7’4″(224) 2pc. 114.5 68 0.8 8.7 0.1~4g 0.8~2.5lb. #0.1~0.35
IC-74PT-Sis チューブラー 7’4″(224) 2pc. 114.5 70 1.0 8.8 0.8~9g 1~3lb #0.1~0.4

 

両モデルに共通して言える事は…

①しなやかに曲がる事 ②遠投性能が向上した事 ③潮の流れを感知しやすくなった事 ④足場の悪い所での取り回しが良くなった事 

などがあげられます。

また、使用ラインはフロロ、PEとどちらにも対応しますが、外洋に面した場所での釣りがメインとなるため、根ズレや不意の大物に遭遇する場合も多く、個人的にはPEラインの使用をお勧めします。

 

フィネスソリッドとパワーチューブラー

では、その2本をどう使い分けていくか。以下がSF(=フィネスソリッド)とPT(パワーチューブラー)の個人的な使い分けになります。

フィネスソリッド(74FS)

乗せ調子の74SFは、同じく乗せ調子の69Fと比べると少し張りが出て、港湾だけでなく外洋面でも使いやすくなりました。

69と同様、軽量JHや軽量プラグの釣りが得意で、メバルのついばむ様な追い喰いにも違和感を与えず、繊細な巻の釣りで使うことが多いモデルです。

対応するメバルのサイズは、やはり25センチくらいまで。それを超えてくると少々手に負えなくなるのですが、そんな時は、やはり74PTの登場です。

 

パワーチューブラー(74PT)

このPT、僕の住む富山ではメインロッドで使用することが多いモデルです。というのも、消波ブロックの上での釣りがメインで、かつホタルイカを捕食しゴリマッチョ化した大型メバルが相手だからです。

※ロッドはプロトモデル

 

ブランクスはベリーにかけて、しなやかな調子に仕上がっていますが、バットは強靭で高い復元力があります。

JHでの釣りもさることながら、ホタルイカパターンのプラグ遠投での使用も視野に入れます。また、軽量ジグやフロート、Mキャロなどにも対応しており、これ1本で何でもこなしたいアングラーさんにもお勧めです。

 

69Pに対し、しなやかな74PT

さてこの、前作69Pが張りのあるソリッドティップモデルだったのに対し、このPTはしなやかで、適度なかつ張りのあるチューブラーティップモデル。

どうして69みたいに硬めのロッドじゃないの?と思われるかもしれませんが、これにはちゃんとした理由があります。

まず前述の通り、軽量リグを竿のしなりで遠くに飛ばしたいという事。また、しなやかなベリーは潮の流れをリサーチしやすく、釣れる流れをみつけやすいこと。そしてベリーからバッドの復元力を活かし、魚を浮かせるという事。その復元力を味方につけその勢いで、ドラグフルロックのゴリ巻きができること。

これこそが74PTで大型メバルを獲る1つの方法だと思います。また、富山湾でメバル釣りをしていると、時にはシーバスやクロダイなどの大型ゲストフィッシュに遭遇することも。そんな魚を暴れさせず、いなして獲るのも74PTは大得意です。

※ロッドはプロトモデル

※ロッドはプロトモデル

 

69か74か

そして最後に、じゃあ、「74あれば69はいらないじゃん」、なんて思われる方もいらっしゃると思いますが、やはりそこは使いどころ。

例えば、69Pと74PT。縦に長い消波ブロックがゴロゴロ沈んだポイントに着く大型メバルをJHのフォールで誘う釣りには、やっぱり69Pは欠かせません。正直、そんなポイントなら、74PTのしなやかさと長さが逆に仇となる事も多く、パリッとしたショートロッドで強引に寄せたい、そんなときは、まさに69Pの出番となります。

 

ここまでに、69シリーズと74シリーズの違いを足早に説明させていただきましたが、いかがだったでしょうか?

最後になりますが、僕のメバル釣りはこれらのロッドに育ててもらった部分が大きいと感じています。言うなれば「メバルアングラーを育てるロッド」。どちらのロッドも、メバル釣りの基本をバッチリ押さえてあるため、初心者からのステップアップにも、上級者のワンポイント使用にも最適なロッドとなっております。

ぜひぜひこのアイスキューブシリーズを使ってメバル釣りを楽しんでいただけたら嬉しく思います。

 

TICT ティクト

高知県高知市を拠点とするブランド。アジング・メバリング、グルーパーゲームなど、ライトSWゲームフィッシング関連のロッド、ルアー、ジグヘッド、周辺アイテムを続々と輩出中。

 

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