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今江克隆のルアーニュースクラブR「2021年のロッドトレンドは!? カレイド・シリーズ最新情報を紹介」の巻 第1038回

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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中弾性スパインレスロッドの実現

一方でもう一つの課題、“曲がる竿”に関してはロッドビルド永遠の命題でもある「中弾性スパインレス(背骨なし)ロッド」の実現を目標とし、初めて公式にスパインレスを全面に謳った「スーパースティード66M」を2019年に発表。

2020年にはその集大成とも言える7フィート、ファーストテーパーMHの「クーガーエリート7」を発表するに至った。

スパインレスへの挑戦は、テムジン・クロスファイアの時代に遡るが、スパインレスにコダワるがゆえに重さと鈍さが増し、コンバット本来の性格とは異なるものになった。

「曲がる竿ほど難しい」、それが自分が3年前から悩み続けたロッド開発の矛盾との闘争だった。クロスファイアに始った本当に優れた「曲がる 竿」への挑戦は、この「スーパースティード」の完成で明確な方向性が決まった

しかし2020年、「クーガーエリート7」の発表は、ロングロッド、超軽量、そしてファーストテーパーロッドのスパインレス化という大難関をついに突破することになる。

国内生産ならではのバイアス巻きカーボンシート精密コンストラクション技術、そして曲がる竿の宿命である「楕円状の潰(つぶ)れ」を重量を増すことなく補強する熟成された高密度高弾性四軸カーボン技術、この2つの高い技術によっての理想のスパインレスロッドに限りなく近づいたといえるだろう。

そして、2021年春、その中弾性ブランクス製造技術の極めつけともいえる「肉厚」、「ローテーパー」のロングロッド、「ディアウルフ70MHX」が、ついに発表される。

変な言い方かもしれないが、ここまで30数年、ようやく今、「純国内生産」にコダワリ続けた価値があったと思える。

外観品質ではなく、製品内部の見えない部分のクオリティに1から100まで管理の目が行き届くからこその純国産高品質クオリティ、それは今の時代、もはやバスロッドとして奇跡的存在である。

今にして改めて実感するが、よくぞ、エバーグリーンは30数年間、安易にコストダウンすることなく無理難題を実現するために国産クオリティにコダワったと思う。

その長きにわたる指導力と情熱こそが、真のバスタックルメーカーだと今さらながら感服する。

2つの問題を解決した時、そのバスロッドはどうなる?

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