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リバーシーバス上げ潮のタイミング。ランカーハンター久保田 剛之はこう釣る。

寄稿:久保田 剛之
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はじめまして!メガバスフィールドスタッフの久保田剛之です。

ルアーニュースRの原稿を担当するのはお初になりますが、この場ではよく質問などでいただくシーバスゲームやフラットフィッシュゲームの理論的なものについて綴っていきたいと思います。

河川内に餌を求めて遡上してきたシーバス。満潮から干潮に向かういわゆる『下げ潮』では流れがあるのでなんとなく釣れるけど、干潮から満潮へ向かう『上げ潮』ではどうやって狙っていいか分からない、釣れたことがない、などの声をよく聞きます。

そこで今回ご説明するのは【リバーシーバスゲームの上げ潮時の狙い方】です。

久保田 剛之(Kubota Yoshiyuki) プロフィール

ランカーハンターの異名を持ち、国内屈指のシーバス激戦区・湘南〜西湘エリアをホームに、日々スキルを磨き続ける。サーフや磯ヒラなども楽しむマルチアングラーの一面も。

 

リバーシーバスの上げ潮時の狙い方

シーバスが餌を追って侵入する河川を、まずは大きく2つに分けて考えます。

1つは上げ潮時に逆流する河川。もう一つは逆流しない河川。逆流する河川から考えていきましょう。僕がホームグラウンドとしている相模川も大潮と中潮では逆流する河川です。

上げ潮で釣るためのコツ、シーバスの位置を捉えるコツはなぜ逆流するのか?のメカニズムをしっかりと理解することです。

 

超基本的なことですが水は高い所から低い所に流れます。え?当たり前だろって?意外とこの当たり前のことが『自然』っていう言葉を意識した途端に消えてしまいがち。『自然は読めない』ってよく言います。でもある程度『読める自然』もあるんです。それでは解説していきます。

 

ケース1:上げ潮時に逆流する河川

タイドグラフと図と共に見ていきましょう。グラフとして見やすいので昼の潮で説明していきます。

タイドグラフ①

これは満潮潮止まり。川は下流方向に流れています。

タイドグラフ②

干潮潮止まり。まだ川の流れは下流方向へ。

タイドグラフ③

この辺りから海の上げ潮が始まり海水面が上がり始めます。一方で川の水は絶えず上流の山間部から供給され続けています。海面が上がり始めたことにより川の水は出口を塞がれ河川内部に溜まり始めます。河川内のアングラーから見ると川の流れが完全に止まっている時間帯です。

タイドグラフ④

更に海水面が上がってきます。そして出口を海水に塞がれた川の水が河川内部にどんどん溜まり始めます。アングラーから見ると流れが止まっているのに水位が上がり始めます。

タイドグラフ⑤

海水面が勢いを増して上昇しています。海水面及び河川河口部で渋滞を起こした河川の水面が河川内部の水面の高さを上回り逆流を始めます。アングラーから見ても逆流し始める時間帯で水位も上がっていきます。

タイドグラフ⑥

満潮時刻の少し前。逆流で押し返された水。しかしその間も上流部からの水の供給は止まっている訳ではないので、いずれその逆流と上流に溜まった水が拮抗して再び河川の流れは止まります。

で、タイドグラフ①にもどって河川内に入り込んだ海水、押し返された川の水、共に再び下流に向かって流れ始めています。

とこんな感じ。言葉で読むと『当たり前のことを言っている』と思うかもしれません。

しかししかし、上げ潮の間で川の水が逆流している時間帯って⑤~⑥の間だけなんですよね。

 

上げ潮の時合い

河川内のシーバスは流れを利用して餌を捕食する傾向が強いので、干潮から満潮にかけての間でシーバスの時合いが来るのは⑤~⑥の間だけなんです。

そう、下流方向に流れている時間と比べ遥かに短い。時間が短いってことは『狙いを絞り易い』ってこと。なんだか釣れそうな気がしてきませんか?

河川河口部の方が早いタイミングで逆流が始まり、上流に行くほど逆流のタイミングは遅く勢いも弱くなります。それぞれの河川の海抜によって逆流する範囲もまちまちです。

1kmの範囲でしか逆流しない川もあれば数キロにわたって逆流する川も。ご自身が通う河川で一度確認してみるとシーバスを狙うべきタイミングがハッキリと絞れるようになります。

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