ルアーフィッシングのトピックをこまめにお届けする釣りの総合ニュースサイト

LureNews.TV YouTube Channel

今江克隆のルアーニュースクラブR 第979回「2020年ロッド最新事情〜スパインレス化について〜」の巻

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
  • X
  • Facebook
  • Line
  • はてなブックマーク

「スパイン」を明確に感じる瞬間

ブランクス真円内の「偏芯(裏筋)」でもある「スパイン」の存在は、竿をネジって投げるサークルキャストでは明確にその差がキャストの直線精度に出る。

スパインの部分が捻れて戻るときに、グラデーションのように滑らかに反発せず、「コリッ」と急加速したり、引っ掛かるような現象を起こすからだ。特にヒネリのキツいバックハンドサークルの場合、「スパイン」が強い竿は真っすぐ投げることすら、相当の反復練習による修正力が必要になる。

スパインの悪癖が最も顕著に出るのがバックハンドサークルキャスト。 イメージした軌道から左右にズレるのもスパインの悪戯。 「クーガーElite7」ではバックハンドでも最初の1投目から真っすぐイメージ通りの軌道で飛ぶ

「スパイン」の位置によっては、右投げの人と左投げの人でも不利有利が出る。

本来なら右投げの人には右投げに適したスパイン位置に合わせたガイドセッティングを施すという工夫もあるが、現実的に右利き専用ロッド、左利き専用ロッドなどは量産で不可能だ。

また、このネジレ反発の悪癖は何もキャストに限ったことではない。「フルキャスト」と「フルフッキング」はかなり似た動作、ネジレモーションを持つ。難しいことを説明すると長くなるので、簡単にいうと「スパインの強い竿は芯を喰いづらい」、「スウィートスポットが狭い」といえる。

芯を喰いにくいロッドは、アワセのストローク(動作)を大きく取らないと、芯を喰った打撃(フッキング)をバスに与えることが出来ない。しかし、どの角度からでも芯を喰う、スィートスポットの広いロッドは、わずかなストロークでもパワーロスを最小限に、かつ効果的にフックポイントに伝えることができる。

ここが、自分が「電撃アワセ」と銘打って、「コンバットスティック」誕生以来、スパインとの格闘を開始した原点でもある。

キャスティングとフッキングは表裏一体の性能。 ストロークの短いアワセはバックハンドと似たティップ~ベリーの「嗤い」現象が起きる。 わらう前に瞬間的に掛け終えるのが高弾性電撃系、わらわず追従し、パワーロスしないのがスパインレス系だ

「スパイン」との戦いの歴史を振り返る

3 / 4
前へ 次へ