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今江克隆のルアーニュースクラブR「世界最高峰スピニングリールのガチインプレ〜スピニングリールの深淵〜」の巻 第1187回

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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TOP50開幕戦七色ダムでのプリプラを終えた今週は、2回にわたるプリプラのべ9日間、みっちりと使い込んだ世界最高峰スピニングリールのガチインプレ第一弾です。

ほとんどスピニングタックルしか使わなかった今回のプリプラ。練習するよりリールを比較する楽しみの方が、やや勝っていたような気も…

回し者?

最近、ココやブログでシマノ製品のことをよく書いてるので、シマノの回し者?って思われてるかもしれませんが、全くサポート関係はありません。

純粋に世界最高峰リールメーカー2社のスピニングリールを、使ってみたい機種を自分で購入し、楽しみながら使わさせてもらってます。

ちなみに、どちらかにサポートしてもらいたい気は全然ありませんので。

あくまで珍しく経験値の少なかった最高峰スピニングリールのノウハウを何か企んで?勉強中です(笑)。

ダイワ製2大最高峰スピニングリール

ということで、先週はプリプラ中にシマノの「ヴァンキッシュ」を絶賛してましたが、決してだからといってシマノ派って訳ではありません。

同時に、今江的に超絶気になっていたダイワ製2大最高峰スピニング「イグジスト」、「エアリティ」各機種で、どれが一番自分に合うかをプリプラという緊張感のある実戦で、本気で使い込みながら検証してました。

なんせダイワさん…一番、今江的に苦労したのは機種も多彩なうえにさらに「SF(フィネス専用)」、「LT(ベーシック機種)」、「PC(パワー重視)」と、スタイルによって「スプール幅」から同一機種でも「ギアボックスの大きさ」まで多岐にわたるうえ、そこにノーマル、ハイギア、EXハイギアとギア比も変わってくるもんで、まずは機種別の性格を示す品番の解読暗記からして、超難解でした。

さらには、そこに「SLPワークス(スポーツライフプラネットワークス)」というベンツのAMGみたいな公式チューニング部門もあって、「STチューン(センシティブチューン)」やら「クイックドラグ」やら、マジで最初は何をどこまで買ったらベストなのか、頭が混乱してしまいます。

「イグジスト」から購入

全部、片っ端からポッチってしまうと数百万円は逝ってまいそうで、まずは京弥神(藤田京弥プロ)にいろいろと詳しくアドバイスをしてもらった「イグジスト」から購入、実戦投入開始。

藤田京弥神との対談で異様にほしくなったダイワの最高峰スピニングリール「EXIST」。自分が少し使っていた大昔の「イグジスト」から驚くべき進化を果たしていた

当然ながら京弥神にならって、最高機種であり、140gという驚きの最軽量スピン「イグジストSF2500SS」のノーマルギアとハイギアを購入。

第一印象は「軽い!」って驚くべきなのだが、そこは何気にABU「ゼノン」も140g台とアホみたいに軽かったので、さほど感動はナシ。

ドキドキしながら回した最初の感触は「んっ???」というのがホンネだった。

もちろんケタ違いのギアの滑らかさ、モノコックボディの剛性感は感動的なものだったが、意外にも初動が重い…ハイギアは、なおさらに感じて「???」って、ちょっとショックな感じ…。

正直、昔から「巻きの初動の軽さ」を極めてライトリグでは重視してた自分は、ABU時代もローギアしか使わなかったほど重視している部分。

ただ「初動が重い」といっても、それでも今まで使っていたリールのローギア相当で、「イグジスト」は普通にはハイギアでも全く問題にならない。

ただ、10万円オーバーのリールだけに「期待値が異常に高かった」がゆえの妄想とは、ちょっと違う違和感だった。

初動の軽さ

web等でいろいろ調べたり、気になってプロ仲間に聞いてみると、磁気を帯びた密封オイルシールド&ベアリングを採用している「マグシールド」特有の使用初期初動の重さらしく、使い込むと初動は軽く仕上がっていくそうだ。

「マグシールド」は、海でのライトゲーム使用も視野に入れ、塩水の侵入による巻き感の劣化を完璧に防御するためモノで、ソルトウォーターゲームでは非常に重要な素晴らしい機能だそう。

だが、ソルトウォーターゲームを一切しない自分にとっては正直、ちょっと残念な気持ちになった。

ダイワの専売特許でもある「マグシールド」。ソルトウォーターゲームでは、この機能は絶対必須だが、淡水のみで使うならその効果はあまり必要必須とはいえない

だが、そこはさすがはダイワ様、AMG同様にSPLというチューニング部門で、この「マグシールド除去サービス」、すなわち初動が一気に軽くなる「ST(センシティブチューン)」があると聞いた。

まぁ…これまた1台あたりチューニング料1万数千円と、高い「イグジスト」がさらに高くなるが、もはやビビるぐらいの台数を買っていただけに、やるしかない。

見事にダイワ様の戦略にハマってしまった感じ。

そして待つこと2週間…やっと帰ってきたマグシールド除去型淡水専用「イグジスト」を回してみると…「ゲッ…」と思うほどの激軽さ…。

特にノーマルギアの初動は「スコスコかよっ!」って思うほどに劇的に軽くなった。

100g以下のスピニングロッド「デルジェスUL」と組むと、これはまさしく「エアー」の名に相応しい、とんでもないフィネス感に仕上がっていた。

さらにAmazonプライムで注文翌日着で買えてしまう「クイックドラグ」も購入。

合計1台実に12万円以上もする、最高峰「イグジスト」ができあがった。

SLPワークスでチューニングしてもらったマグシールド除去の「イグジスト」には「センシティブチューン」のロゴが入る。ローギアの初動の軽さは劇的に向上する

京弥神の世界に近づけた!?

まぁ、これで悪かろうはずがないのも当然で、気分だけは完全に京弥神の世界に近づけた感じ。

難をいえば「クイックドラグ」が性に合い過ぎて、同じ機種であれば全部「クイックドラグ」で統一しておかないと、バスを掛けた時に思わぬドラグ操作ミスを犯してしまいそうな点。

あとリギング時に緩めた「クイックドラグ」を締め忘れてバスを掛けた時だけは悲惨だ。

一度、装着すると全てに装着してしまう病的な「クイックドラグ」。締め忘れ事故だけには注意したい、とココに書いて自分にも言い聞かせている

現時点ではこの「イグジスト」に難クセを付ける方が難しいというのが本音なほど、驚異的なスピニングリールだが、ただ「SSスプール(溝浅、ショート幅スプール)」を採用している「SF(スーパーフィネス」モデルに関しては、4lb、PE0.6号までを上限」と謳っているのは、非常にシビアなルールだと思った。

事実、実戦ではフロロ3.5lbまでは全く問題は起きなかったが、4lbフロロ、さらには5lbフロロだと、スプールのスカート部分への「糸落ち」が超軽量ルアーの連続長時間使用時に意外に発生した。

ある意味これは、幅の非常に狭いスプールゆえにオシレート幅が狭く、シマノのかつての「密巻きトラブル」に近い現象が起きやすい可能性はあるのかも…と感じた。

そう考えると、シマノが「超密巻き」に進化して「縦幅の長いスプール(特に2500S)」にしたのは、納得がいった。

それだけにSFモデルに関しては、まさにスーパーフィネス、トーナメントに特化した4lb以下、0.4号クラスの細PEで使ってこそ、価値ある機種だと実感した。

「イグジストSF2500SS」ハイギア、EXハイギアは、まさしくサイトフィッシングのために生まれた究極のトーナメント専用リールといってもよいだろう

「イグジストSF/ST2500SS・ST/QD SLPWチューン」のローギアは、ローギアならではのトルク感とギア感度のよさから、抵抗のほぼないi字系などの一定巻きで威力を発揮する

「23エアリティ」は、どの機種を選ぶか??

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