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今江克隆のルアーニュースクラブR 第979回「2020年ロッド最新事情〜スパインレス化について〜」の巻

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR

インスピラーレが思わぬ国で大ブレイク!

さて、2019年はカレイド・インスピラーレとしては「スーパースティードGT-R」、わずか1機種しか出せなかった1年でした。

ところが予期せぬところでインスピラーレ人気が大ブレイク、結果的に例年以上のビッグセールスを記録した年でもありました。

その予期せぬところというのが実は「中国」。現在、中国でカレイドシリーズの人気は驚くべきものがあり、驚異的なオーダー本数が入る異常事態。

自分が中国に対して何かしたわけではないのに、原因不明の大ブレイク。特に「スーパースタリオンGT2RS」、「グランドコブラLTD」の人気が凄まじく、日本では限定生産だったグランドコブラは、中国向け限定の仕様で再生産の特別依頼が入るほどの特需状態。

またその数が驚き…。共に10万円前後の超高額ハイエンドロッドだけに、ますます中国市場の謎が深まってます。

この謎の人気に相まって上海フィッシングショーへの招聘があったのだが、不運にもその開催日がTOP50開幕戦とモロ被り…残念ながら断念しましたが2020年、一度は中国のバス釣りを体験してみたいと思います。

遂にスパインレス化に成功した「ディアウルフWILD7」(左2本)、そして「クーガーELITE7」(右2本)。「 T1100G」を上回る「M40X」を初搭載し追従する超高弾性を実現した「ブラックレイブンEXTREME」(中央)。 2020フィッシングショーの3大目玉ロッドだ

「スパインの悪癖」とは

ということで、2019年はカレイドとしては新製品をほぼ出さなかったが、その最大の理由が6年の開発期間を掛けた「スーパースティード」で実現可能となった「スパインレス」化技術の応用と熟成に徹底した時間を掛けたのが理由だ。

「スパインレス」とは簡単にいうとロッドのブランクス内部に発生するカーボンシートのエッジが多分に重なった偏肉、偏筋のことで、それがブランクス内に背骨のように存在することから「スパイン(背骨)」の名前が付いている。

この「スパイン」の存在は、40年以上前からロッド性能を一般ユーザーに語るうえでの「タブー」とされており、カーンボンシートを巻いて作製されるロッドにおいて量産時にそれを排除するのは事実上不可能とされた、ロッドの「悪癖」のような存在である。

「スパインの悪癖」とは、簡単にいうと例えばオーバーヘッドキャストで真正面に全力で投げたとき、最初の一投目にルアーの飛行軌道が左右のどちらかにズレて(スライスやフック)しまうことがあるだろう。具体的にいえば垂直の岩盤に対しルアーを平行ギリギリに全力投げた時、なかなか完璧平行に真っすぐ投げられないで、岩盤に当たるか岩盤から沖に離れてしまうような状態だ。

これが実は腕の善し悪し以前に、「スパイン」の存在位置が起こす「悪癖」で、右へ軌道がズレる(スライス)するロッドはずっと右にずれ、左にズレる(フック)するロッドは常に微妙に左にずれる。

ルアーをフルキャストで真っ直ぐブレずに投げる事は意外に難しい。 それはスパインが最大反発の瞬間に悪戯をするからだ。 「ディアウルフWILD7」では「アベンタクローラーRS」やジョイント系ビッグベイトの「レプリケーター」でも驚くほど真っすぐ飛ぶ

だが、キャストに慣れてくる3~4投目からはその軌道の左右のズレを無意識に体の感覚で修正して真っすぐ投げることができるが、とっさにロッドを持ち替えて投げる「一投目」こそ、精度において最も大切なのは誰もが分かるだろう。

それを絶え間ない反復練習で瞬時に体が覚えているプロなら問題ないが、プロ、アマ問わず、そのズレが最小限であることは最善であり、それが「真のロッド性能」でもある。

「スパイン」の存在をいつ感じるのか?

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