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トモ清水のガッ釣りソルト「イカメタルゲーム クロニクル」

連載:トモ清水「ガッ釣りソルト」
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トモ清水(Shimizu Tomo) プロフィール

20年以上ロッド開発者として釣り具業界に携わるスーパーマルチアングラー。ロッド開発を手掛けたブランドは、国内、海外、自社、OEM問わず、20社にも及ぶ。現場主義、実績主義をモットーに全国各地、世界各地、釣りに飛び回るガッつり系。常に自然と魚をリスペクトし、次世代の楽しいものづくりに挑戦し続け、世界トップクラスのロッド開発者を目指す。1977年9月生まれ。本名は清水智一(しみず・ともかず)

こんにちは、トモ清水です。

前回、暑い夏の楽しめる釣りとして、夜のチヌゲームを紹介させて頂きました。

トモ清水のガッ釣りソルト「チヌゲーム 暑い日の楽しみ方」

もう一つ夏の夜釣りといえば、イカメタルゲーム。

私も実家が石川県なので、「鉛スッテ」「一つスッテ」と呼ばれ始めた頃から夏の日本海で楽しんでいました。

昔から、夏の日本海はアカイカ。私と「一つスッテ」との出会い

一つスッテの釣りをはじめて体験した衝撃は今でもハッキリ覚えています。何本もスッテを垂らす従来の胴突き仕掛けよりも、一つしかスッテが付いていない「一つスッテ」スタイルである自分の方が竿頭になったことです。

普通に考えるとスッテがたくさん付いている従来スタイルの方が、数が釣れると思い込んでいたからです。もちろん高活性時などは従来スタイルの方が圧倒的に強いシチュエーションはあります。その初体験の時、まだアカイカのシーズン初期で、あまり数が釣れない状況。そんな中、従来のトラッディッショナルな釣り方ではゼロの方も居る状況で、7ハイと少ないながらも竿頭になり、その手返しの良さと、タフコンディションの中でもイカにスッテを抱かせる威力は、一つならではのメリットを感じました。

その当時は「一つスッテ」のスタイルをやっているアングラーは、自分の親と自分、あと数えるくらいしかいなかったことを記憶しています。

ゲーム性の高さ、効率的に数釣りが楽しめることから「一つスッテ」は大人気の釣りに

その後、そのスタイルのゲーム性の高さ、または数釣りが出来ることから、あっという間に各地に広がっていきました。毎年決まってお盆の実家に帰省した時は必ず「一つスッテ」の釣りが、夏の恒例フィッシングになっていきました。

2013年の石川県金沢沖で実釣同動画もどうぞ!

実はあの「バチコンアジング」をその後、確立させていくのもこの釣りが原動力、キッカケとなっています。アカイカのシーズン初期は、イカの群れが小さく釣果もムラがあります。しかしそのシーズン初期に同じアカイカのポイントで釣れるのが、大型のアジだったのです。ですから当時、ルアーロッドにサビキを付けて、イカの時合までに、尺を超えるアジをサビキで鯉のぼり状態で釣って楽しんでいました。

実は「バチコンアジング」が生まれたのも、このイカメタルゲームがキッカケに…

その引きは本当に強烈。ただサビキではなく、ルアーでこの尺を超えるアジを何とか釣れないか?というのが今でこそ確立しつつあるバチコンの私の原点、原動力になりました。アカイカとアジ、しかも良型、同じクーラーで持って帰るにしても両方あった方がよいと思いませんか~。

イカメタル&アジングのアクション解説動画

当時、イカメタルゲームが広まっていなかった韓国で投入。すると…

日本で一つスッテが流行り、イカメタルと呼ばれる名前も増えた頃、韓国に一つスッテを持ち込んだこともありました。

当時、夜に船の明かりでイカを寄せるスタイルは同じだったのですが、韓国は独自の伝統的な釣法を持っていたのです。その釣り方は非常に興味深く、胴付きの仕掛けの針に一本ずつ生きたエビを付けてイカを狙うスタイル。この釣りはやったこともないし、生きたエビでアカイカを狙うのだと、まぁまぁ衝撃的でした。おそらくこの釣りはこの釣りで奥が深いのだと思います。

船長含めて乗船者の100%がその釣りスタイルでイカを狙う中、私一人だけ「一つスッテ」スタイル(笑)。ある程度、通用するとは思っていたのですが、圧倒的に釣り勝った結果に私自身も少々驚き。船長も「どんな仕掛けで釣っていたんだ?」と興奮気味に聞かれました。もちろん韓国語でね。同行者に通訳してもらいました。

生きたエビを一つ一つ丁寧に針に刺してセットするよりは、「一つスッテ」の圧倒的な手返しの良さが勝った瞬間だったと思います。今では韓国でも「イカメタル」が老若男女問わず、流行り出しているそうですよ。

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