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今江克隆のルアーニュースクラブR「TOP50プロたちが選ぶ!究極のPEラインとその先」 第1298回

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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高比重PE

そして、ここからが今週の本題だ。

ここまで紹介した極細PE、12ブレイドの最強PEたちは限定された使い方において鉄壁の存在だ。

だが、自分的にここ数年市場のすべてのPEを使い込んで一番感じたことが、どうしてもPEはラインが軽すぎてテンションをかけ続けていれば高感度だが、スラックを使う釣りやベイトリールに巻くと致命的にフロロの操作感、特にベイトタックルではフロロのキャストフィール、精度には遠く及ばないストレスフルなものだということだ。特に「向かい風」では比重が1以下のPEは風でたわんでしまい感度は絶望的になくなるうえ、水中に沈めることすら厳しくなる。極限定的に比重1以下を利用して水面から「ラインの浮力でワームを吊るす」ようなホバストのような釣りには「慣れれば」メリットはあるが、正直、PEでのホバストを完璧にマスターできれば同時に相当のFFSマスターでもあるはずだ。一般的にPEホバストはノー感じすぎるため、間違いなくホバストはフロロの方が操作感は高く、「やってる感」を得ることができる。

今や霞ヶ浦ではPEラインをベイトタックルで使うプロが激増している。ただ、通常のPE、通常のベイトフィネスリールでのPEベイトフィネスはストレスがメリットを上回ってしまうのが現実だ。

そこで興味を持ったのが「高比重PE」の存在だった。

ただ今江的に高比重PEが出たころに散々試して「高比重PE=弱い=飛ばない」イメージがあり、はなから敬遠していた。ところが数年前、山岡プロが「高比重PE、いいですよ」と、こそっと桧原湖練習中に教えてくれたことがあった。そのとき、自分は「高比重はなぁ…」とあまり本気にしてなかったのだが、その試合で山岡プロが桧原湖の表彰台に上がったキーが高比重PEだったことから、急激に興味がわいたのである。

そこからさまざまなメーカーの高比重PEをすべて使い込み、実戦研究しまくった結果、「オードラゴンX4」のかつてバッドイメージがあったシンキングPEからの圧倒的クオリティ向上と使いやすさに衝撃を受けてしまった。

黄緑の鶯グリーンと梅色マーカーが特徴の「オードラゴンX4シンキングPE」。このPEとの出会いがシンキングPEへの偏見を完全に払拭させてくれた。ちょっとカラーが独特に派手ですが…。

4ブレイドゆえの適度な硬さと張りで風にも強く、1.4を超える比重でフロロにも近い感覚で操作でき、さほど高額でもないのに今江的耐摩耗テストでも十分な強度を確保していた。ゆえにそれ以来、ずっと疎遠になっていた東レモノフィラメントを無視して内緒で0.4~0.6号レンジは「オードラゴン」をずっと使っていたのである。

だが、フロロに近い感覚で使える細PEというメリット以上に、実はもっと大きなメリットを感じることがあった。それが高比重PEをルアー総重量5~7g以下のベイトフィネスで使うと、低比重PEより格段にピッチング能力が向上する点にあった。

ルアーの重さ頼りで「ラインを引っ張りながら飛ぶ」スピニングと違い、ベイトリールはスプールの慣性モーメントによって、「ラインの放出がスプールで後押しされる」ため、「ルアーの重さ+ラインの押し」でピッチングの後半軌道がグッと伸びるのである。これは比重が1.7と重いフロロではより明確で、比重が1未満のPEではスプールを引っ張る慣性モーメントが弱すぎて、スプールがラインを押せずキャスト後半にフワッとラインに引き戻されるように失速し、ひどい時はルアーの着水より前にスプールの回転が止まってしまうこともある。

ルアーの重量が10g以上ある場合は重さでラインを引っ張れるのでさほど問題はないが、本気のベイトフィネス(5g以下)になると、ラインの重さは致命的なほどキャスト精度に影響し、同時にストレスの高いキャストフィールになりピッチングのリズムを崩してしまうのである。

PEをベイトで使うとき、軽量ルアーのピッチングにストレスを強く感じていたが、シンキングPEの2号を使うことで専用リールでなくともピッチングがかなり快適になることがわかった。ベイトPEには高比重PEが好相性なのだ。

もちろん、PE専用のベイトフィネスリールの開発も必ず今年あたりからメーカー間競争が激化すると思うが、それ以前にベイトフィネスに向くPEラインの質も重要なのだ。

今江的にここ数年最もヘビロテで使い込んできた「オードラゴンX4シンキングPE」。4本撚りゆえのほどよい硬さとフロロに近い操作感で、1.5号~2号をベイトPEに転用したときにさらなる大きな可能性を感じた。

このころ、バス業界はZ世代ウケを狙ったのかプロの新旧交代の波が突然津波のように押し寄せ、自分は30年付き合ったピュアフィッシングに突如クビにされ、あれほど親密だった東レモノフィラメントからも事実上、窓際族に追いやられていた。リールの開発も、ラインの開発も、したくてもできない状態にあった。

だが、幸か不幸か、Z世代戦略が功を奏さなかったのか、はたまた腐っても鯛だったのか、転職寸前にピュアフィッシング、東レモノフィラメントが再び自分を必要としてくれることになった。

自分がここでもっともやりたかったこと、それがPE専用のベイトフィネス機の開発と、東レには今までなかったシンキングPEの開発だった。フロロを世界的メジャーバスラインに普及させた自負と実績、ライン開発に対する一方ならぬ経験と情熱が東レ初のシンキングPE開発というカタチで再契約、再スタートさせることができた。この5年間、ピュア以外のリール、東レ以外のラインを片っ端から自腹で買ってテストしてきた経験がこういった形で生きることになるとは思いもしなかったが。

長くなってしまったので、東レで自分が初開発した2種のシンキングPEライン、2026年9月リリースが予定されている「EXTHREAD PE グランドカモフラージュ」、「EXTHREAD PE クラウディーカモフラージュ」について、その実戦コンセプトとすでにTOP50で急速に進んでいるベイトPE化の避けられない絶対的理由「バスのキャビテーション」と落とし穴についてまた次回詳しく解説しようと思う。

ベイトでPEを使うときのストレスが解消できず、先の北浦戦ではフロロでバラシが連発した。決勝ではベイトPEにもどしたらバラシはなくなった。その理由がバスのキャビテーションにある。

高比重PEを沈めてボトムに敷いたときや、深く水中に入れたときにもっとも自然で目立たず、バスにストレスを与えにくいウィードのダークグリーンを採用したシンキングPEが「EXTHREADグランドカモフラージュ」だ。

人からは極めて見やすいホワイトに、モスグリーンのマーカーを密に配した「EXTHREADクラウディーカモフラージュ」。こちらはバスが見上げたときに、空や水面の銀幕に雲のように溶け込むカモフラージュカラーだ。

東レモノフィラメントが初めて開発・発売するシンキングPE。比重は1.4強。フロロに近い操作感ながら細く強く、トラブルに強い適度な張りを持たせてある。2種のカラーリングにも大きなこだわりがある。9月発売だ。

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