今江克隆のルアーニュースクラブR「最注目!ビッグフィッシュベイトを紹介」 第1244回
梅雨入りとともに、なんだかすでに真夏並みの暑さになってきた今日この頃、やっぱり今年のフィールドはなんか変だ。
まるで一番危険な5月、特にゴールデンウィークをバスが本能的に避けて、「早春スポーン組」と「梅雨スポーン組」に分かれて産卵行動がダラダラと続いているような感じがする。
あながち的外れな意見でもないと思うが、それでももはや梅雨に入ったらビッグバスの主流は間違いなくアフター回復組狙いが本命だ。
今週は、各地から梅雨らしいルアーでのビッグバス釣果が相次いでいる。
本格派ポッパーがトレンドに!?
梅雨と言えば水面系や爆速系がトレンドだが、イマカツスタッフの間では「ジャバロンハード・マンバ」の爆速巻き&足元8の字巻きがちょっとしたトレンドになっており、東条湖や野池で絶好調に釣れ始めている。

ここにきて「ジャバロンハード・マンバ」が大爆発継続中。足元エイトトラップで最強の釣獲力を発揮している。ハウツー実釣動画も近日公開予定
また羽根モノやスイッシャー系がド定番化した昨今、意外に使う人が少なくなった本格派ポッパー、それも首振りスピッツ(唾吐き系)ではなくワンパンチコールアップ系が、ちょっとした業界トレンドルアーになりそうな気配がある。

各地で「ジャバロンハード・マンバ」に匹敵する活躍を見せ始めたのが「MJポップ」。池原ダムでは安藤プロがとんでもない体形のデブバスを釣っていた。賢いバスでも簡単に騙されるのが「MJポップ」だ
ポッパーと言えば大昔に超絶大流行した田辺哲男さんプロデュースの元祖首振りスピッツ系ポッパーの名作「マイケル(TIFA)」の印象があまりに強かったためか、ワンパンチコールアップ系は比較的マイナーな存在で、あまり一般的に認知されていない印象がある。
ワンパンチコールアップ系とは、「ボッコンッ!」という空気をはらんだ強烈な捕食音?を一発起こして、その波動を水面下に強力に伝えて広範囲からバスを呼び浮かせてバイトさせる能力を持つポッパーだ。

「MJポップ」は首振りスプラッシュもハイレベルに簡単に出来るが、その真骨頂は首振り型では難しいドデカいボコンサウンド(捕食サウンド)にある。そのコールアップ能力はクラス最強だと断言できる
大昔、自分も大好きだった「フラホッパー」や「チャガースクープ」などの超正統派オールドアメリカンポッパーに多いタイプだ。
だが、幸か不幸かアクティブ&スピーディーなマイケルに比べ、ワンパンチポップ後の結構な「待ち」のじれったさが、なかなか一般には馴染まなかったように思う。

一発のボコンサウンドの後にはまるで「水面クレーター」のような波動円が広がっているのが見える。この波動砲のような波紋円こそが最強コールアッパー、「MJポップ」の真骨頂だ
まあ、実にアメリカンルアー大好きな三原直之プロ発想(ていねいな使い方説明がマストな発想・笑)、今年はちょっと注目のポッパーになりそうなので、また今度ここで詳しく紹介したいと思う。

「MJポップ」の中でも今江的に一番気に入ってしまったのが「MJカエルポップ」。なんともアメリカンでな匂いと、日本のバス釣り黎明期の雰囲気がして超ナツい気持ちになる。それでいて視認性抜群の超実戦カラーだ
ちなみに「マイケル」のネーミングは、「ま、イケるやろ」ってテキトーに決められたって業界伝説がある。
バスフラット改め「バスワーム」
さて、そんな三原繋がりで今週は今江的にも今シーズン、最も注目のビッグフィッシュベイトとも言える「バスワーム(『バスフラット』だと何かと紛らわしいし、バスはフラットでもないんで『バスワーム』に正式決定)」を紹介しよう。
この「バスワーム」、ブルーギル型フラットワームが完全に人気ジャンルとして普及しきった今、ギルワームがあるのにバスワームがないのはなんで?って感じで三原プロがデザインしたワームである。

三原プロは相模湖や亀山ダムでも「バスワーム」のテストを敢行。すでに関東のメジャーリザーバーでも十分通用する結果を得ている
自分自身、「バス喰いバス」の存在をいち早く世に問い、3DRの超リアルバス型プラグを早くから世に出してきたのだが、これは正直かなり盲点を突かれた発想だった。
確かにバス喰いバスが下手すればギル喰いバス同等に多いことがもはや常識になった今、「バスワーム」がなかったこと自体が逆に不思議で、マッチザベイトの基本に忠実にシルエットも動きまでもバスに寄せ切った業界初の新種ワームである。

「バスワーム」最大のメリットは145mmもあるサイズ感もあってか、とにかくデカいバスの反応がヤバい。バス喰いバスの存在が広く知られた今、ギルワームが山盛りあってバスワームが全くがないことの方が不思議なのだ
「バスワーム」の基本使用法
三原プロのルアーは基本的にかなり狙いが明確で、使い方を理解して使わないと???ってなることがあるが、この「バスワーム」の手作りプロトを最初見た時は、ギルワーム同様「ネイルリグ」や「フリーリグ」のスパイラル系かと思った。
だが、このワームのコンセプトは全く違っており、簡単に言うと「バンクの切株などにデカバスに追い込まれてビビった小バスが、必死に岩や切り株の隙間に入って逃れようともがいているような様子」である。
このコンセプトを明確に実現させたのが、14~17gというヘビーな「ビフテキシンカー(ビーンズシンカー)」をペグ止めした「バスワーム」のテキサスリグを、強いロッドのティップで細かく叩くようなシェイクで使う方法だ。
重い低重心シンカーを支点としてボトムに固定し、一点シェイクのパワーをシンカーを介して独特のセミフラットボディに「波のように伝達」する使い方だ。
この方法で、ちょっと今までに見たことのない、まさに「必死でもがく小バス」ソックリのシルエットと動きを出すことが「バスワーム」の基本コンセプトだ。

「バスワーム」の威力を最もシンプルに発揮するのがビフテキシンカー14~17gを支点にしたボトムでの一点シェイクだ。今江的にはバスに直接見せるワームではなく、バスに遠くから気付かせて喰いに来させる能力にズバ抜けたワームだと感じている
もはやこの動きに関しては能書き並べるより、まさに百聞は一見にしかずで、アングラーズチャンネルでの池原ダム水中撮影動画を見てもらえば一発で理解できると思う。
今江的には14g~17gの「ビフテキシンカー(ビーンズシンカー)」が基本だが、岩盤などでは同じリューギの10~14gクラスのフットボールヘッドと組み合わせるのも、より操作性とカバー回避力が上がって抜群だと感じた。
ただ、こちらは10g、14gともに引くほど入手困難レアモノなので、やっぱビフテキシンカーのペグ止めが基本のオススメである。
すでに各地でデカバスだらけに
すでに東条湖では藤川ハルトプロがプロトの1本を渡しただけでアッサリと素晴らしいコンディションの賢そうな50cmUPを速攻で釣っており、さらに数本だけプロトを渡した河野正彦プロもゴールデンウィークの混雑する七色ダムで、もうちょっとでロクマルサイズをこれまた見事に釣っていた。

藤川ハルトプロも東条湖の岩盤落しでブリブリのデカバスをすでにキャッチしていた。「バスワーム」は他にないので、ギルワーム以上の破壊力になるかもしれない

ゴールデンウィーク中に七色ダムに行っていた河野正彦プロも「バスワーム」のビフテキシェイクでロクマル近いビッグバスを釣っていた
ともに使った方法はビフテキシンカーでのペグ止めテキサスリグだ。
ビフテキシンカーは独特の形状でかなり低重心のため、通常のテキサスシンカーより軽いスタック感がよく、シンカー下部を支点としての一点シェイクのレスポンスがとても良いのがポイントである。
次回「三原節」を乞うご期待!
「バスワーム」の使い方の基本は上述の通りだが、このバスワームにはまだまだ未知の使い方が山ほどありそうな予感がしている。
Vishの番組「三原節・淀川オカッパリ編(6月下旬公開予定)」で三原プロは「バスワーム」をネコリグで使用して物凄い魚体のデカバスを仕留めているので、ネコリグセッティングと適応に関しては、近日公開予定の三原節で実際に見てみるとよいだろう。

今江的、2025年三原屋最高傑作ワームと思っているのが「バスワーム」だ。Vishプレゼンツ・三原節(次回配信)でもオカッパリでメガバス(デカバスの最上級ね笑)を爆裂させている
ポテンシャルがありすぎ!注目リグ