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今江克隆のルアーニュースクラブR「デロン系が新テッパン!晩秋~初冬の一撃必デカな釣り方はコレだ」の巻 第1171回

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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先週は、ちょっと先取りネタでメタル系ルアーのキモを誰でも理解しやすい表現で解説してみたが、今週は、今江的に近年はメタル系よりもまぁまぁ晩秋~初冬のマイブーム?新鉄板ともいえる「デロン系」ビッグワームのキモについて解説しよう。

「デロン系」の釣り???

先週も書いた通り、確かに年々季節感のメリハリがなくなった11~12月は、スピード感とリアクションで「数撃って当てる」釣りは、下手な喰わせより高確率に連発でバスに出会える釣り方だが、サイズは当ててみないと分からないのが弱点だ。

しかし、昨年晩秋から今江的にハマってる「デロン系」の釣りは、ボーズ上等、狙ってデカいのを釣りたい人にはオススメの晩秋~初冬の一撃必デカな釣り方だ。

では「デロン系」の釣りとはどんな釣りか?

要は大昔から冬のデカバス必殺ルアーといえば、デロデロアクションの決定版「フルサイズジグ&ビッグダディ」と相場が決まっている。

すなわち、この釣り方の現代進化版みたいなものである。

冬の最終兵器となる理由

ご存じの通り、「フルサイズジグ&ビッグダディ」が冬の最終兵器たるゆえんは、低水温になってもプラスチックワームのような素材の硬度変化がなく、デロンデロンで、少しの移動距離でも自然にゆっくり大きく動く生命感が最大のポイントだ。

プラスチックワームは、低水温になると硬くなり、ごくごく微妙なロッドワームでは棒のように動いてしまい、「ビッグダディ」のように柔軟なレスポンスを失うからでもある。

10年モノの半腐りデロンデロン「ビッグダディ」を後生大事に冬になったら蔵出ししてくるベテランアングラーは、今も多いはずだ。

また「ケイテック」創始者、故・林圭一氏直伝のアンクルジョッシュ「ポークフロッグ」や「ビッグダディ」のデロンデロンチューンは、氏を知るアングラーなら誰もが一度は台所でママのひんしゅくを買いながらも、夜な夜なトントンと包丁の背で叩いていたものだろう。

低水温期の歴史的絶対定番ともいえる「フルサイズジグ&ビッグダディ」(写真はピッグダディ)。ラバーの自発的動きとジョイント部分、そしてわずかな操作でも分厚い肉がデロンデロンに動くパワーは健在だ。ただ仕込みも含め臭いし、暖冬ではカピカピにすぐなるし、単体では使いにくい等のデメリットもあった

しかしながら、現代の低水温期のバス釣りは、昔のようにヘビーカバーにジグ&ポークをぶち込んでゆっくり動かしていれば釣れるほど甘いものではない。

というか、1年を通じて常にルアーが降ってくるゴージャスなカバーで、デカバスがご機嫌に喰ってくれることは余程タイミングがよくない限り出会い頭の交通事故のようなものだ。

そこで、デロンデロン能力を活かしながらも、カバー以外の広範囲な攻めに「緩急」を付けてバスを呼べるパワーのあるワームを使った釣り方を「デロン系」の釣りと自分は呼んでいる。

メタル系とデロン系

基本的に晩秋から初冬までは、バスは冬を越すための体力が絶対必要なので、大型の個体になればなるほど、より大型のエサを1年で一番好んで喰う。

ゆえに大きくてゆっくりと動く特徴を持ちながら、それでもなお存在を気付かせやすく、同時にシャローからディープ、岩盤からカバーまで、中層も含めてどこでも撃っていける利便性と対応力を持つリグとワームが必要になる。

メタル系の記事でも書いたように、現代のバスはまだまだ11~12月は回遊性が高く、固まりきっていないのが傾向だけに、狭いスポットで時間をかけて喰わせるルアーでは効率が悪すぎるのだ。

ゆえにメタル系が「スピード(急)&リアクション(反射)」であるなら、デロン系は「スピード(急)↔デッドスロー(緩)」といった相反する「緩急」を使うことがキモになる。

すなわち、撃ち続ける機動性「急」に、限りなく静止に近い「緩」で、勝手に喰わせてしまうルアーパワーと間の作り方がキモになる。

フリーリグが最強

もう分かると思うが、ジグ&ポークをしのぐ「急」と「緩」を演出でき、どこでも気兼ねなく撃ち込め、風波に影響されにくいリグ、すなわち「フリーリグ」は、やはりこの時期最強だ。

そして、今江的2023年超鉄板晩秋初冬ワームが「ジャバロン160」と「ハドルギル5インチ」だ。

ともにフォールでは「ジャバロン」は、死んだ魚のような予測不能の「デッドフォール」、「ハドルギル」は、シャッドキルそっくりの「グライドフォール」と、似て非なるスローなフリーフォールが特徴だ。

ハドルテールの重さとボディのデロンデロンさで、大きくゆっくりと水を動かす「ビッグダディ」のようなアクションが出る。横方向にデロンと動く「ジャバロン」に対し、「ハドルギル」は縦方向のデロン系だ

そして、この二つに共通するのは、わずかな動きでも勝手にデロンと最小限のロッド入力で動いてくれるのがポイントだ。

昨年の12月は「ジャバロン160」のフリーリグが大活躍。取材でメインに取り上げることはなかったが、実釣動画は山ほど撮影している

「ジャバロン」は、エッジの立った「塊」と「極薄部」の落差、「ハドルギル」は、柔軟性抜群のディープリングリブと最後方にある水受け最強の塊部分の重量落差でデロンデロンと水温に無関係によく動く。

ただ、スローに動くだけでなく、「塊」がゆっくり動くことで発生する「水押し」を出せることが重要な要素である。

ちなみに自分はこの二つを冬季はひと手間かけて塩鍋で煮込み、パウダー漬けにし、「ビッグダディ」と遜色ないほどのデロンデロン、かつ激臭漬けにしている。

「ハドルギル」と「ジャバロン」を海水程度の塩水を沸騰させ、3分ほど煮込み、常温で冷ます。これだけで「ビッグダディ」顔負けのデロンデロン系ワームができあがる

3分煮込むと摘まんだだけで2つ折りになるほどの柔軟性が得られる。「ハドルギル」はテールに、「ジャバロン」は全身ブロックに、明確なパーツ重量差があるので、わずかな操作で強烈な攪拌ウネリパワーをより発揮できる

煮込んだ後はベタベタするので「モエビパウダー」漬けにしておくことでサラサラなのにデロデロになる。特に「ハドルギル」は頭部の凸凹シボも含め、全身のパウダー保持力が最強無双。食い込ませるために味と匂いを最大限にキープできるデザインにしてある。このひと手間は「ハドルギル」には特に効果があるのでオススメだ。ここ一番では、毎回塗し直して投入したい

デロン系ビッグワームのフリーリグ!そのキモを紹介

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