今江克隆のルアーニュースクラブR「岸沿いを回遊するデカプリメスをキャッチする方法」の巻 第1145回
TOP50第2戦の舞台・小野湖(山口県)を視察
衝撃的な結果で幕を閉じた2023年TOP50開幕戦。
その余韻も覚めやらぬ今週は、第2戦の開催地、小野湖(山口県)まで、JB本部役員として会場視察と開催アレンジを兼ねて下見に行ってきた。
20数年ぶり?開催になる小野湖だが、さすがの自分ももはやほぼ記憶喪失。
記憶に一番残っているのは日本最大級のエレキ限定戦湖であり、試合中エレキ3台を酷使しすぎてマジで炎上させた記憶で、それ以来「エレキ殺しの湖」と呼んでいたことだ。
まるでアマゾンを彷彿させる一面緑の灌水ブッシュ灌木地獄、リザーバーというより野池のオバケのような湖といった記憶がわずかにあるぐらいだった。
だが、さすがにロープレッシャーな山口県のリザーバー、当初はディズニーランドに行くようなウキウキ気分だったが、行ってビックリ、釣りしてガックリ、本戦は一ヶ月後ではあるが、視察の感想は「今年一番難しい試合になる……」である。
ギル系ルアーが効いている!
さて、そんな小野湖視察だったが、今年は各地で春の進行が早く、小野湖で唯一気付いたのは、早くも「ギル系ルアー」が非常に効いているという印象だった。
スポーニングが始まると産卵にたいする最悪の邪魔者のように思われがちなギル(ブルーギル)だが、それはちょっと違う。
ギルはバスにとって卵を狙う邪魔者でもあるが、同時に、特に大型のメスにとっては常に生息域がモロ被りで、コイやウグイ、デカいフナのように戦闘力もない一番イージーに捕食できて栄養価も高い、極めて喰いやすいエサという感覚があると思っている。
イマカツでは「ギルロイド」シリーズがあまりにも有名だが、先の七色ダムに続き、今回の超厳しい小野湖でもメスのスクールと遭遇した時の「ギルロイドBros」の無双っぷりは、改めて優秀なギルルアーだと確信するに十分な結果になった。
もう「ギルロイド」の使い方に関しては、腐るほど解説してきているので割愛するが、一つ中級アングラーにこれから勉強してほしいのは、ネストの季節にネストを守るオスをギル系ルアーで狙うより、オスを外してまだ産む前のブリブリパンパンのカッコいい「メス」を選んで釣ってこそ、価値があるということだ。
ネストに執着するオスを釣るの、よほど何度も釣られたオス以外、釣ってもなんの自慢にもならない。
というか、琵琶湖や池原ダム以外でオスで50cmを超えるバスは逆に極めて少ないので、できれば50cmを下回るオスはそっとしておいてやりたいところだ。
メスのスクールを仕留める
今週は、ショアを回遊するメスのスクールを仕留める方法のヒントを少し解説しよう。
まず、大型のメスが数匹でスクールして限定されたシャローを回遊している場合、たいていが見えなくてもどこかに小さなオスがネストを張っていることが多い。
この状態の「メス」を見つけたら、最初の一手は「ギルの多い湖」なら、ギル系ビッグベイトでのアプローチがワームやリグ系の攻めより間違いなく落とせる確率が高い。
オスは重めのワームやリグ系が手っ取り早いが、メスは経験的にサスペンドできるプラグやスイムベイトの方が反応すると自分は思っている。
このテのスクールでシャローの「一定エリア」に何度も出没するメスは、卵を産みたくて仕方がない直前の状態なのでとても神経質だ。
たいていの場合、卵を守っているオスは雑なアプローチでも逃げないが、メスへのアプローチは1~2投目で仕留めないと、おびえて当面は帰ってこない。
時間をあけて帰ってきても、同じルアーは2度通用しないと思った方がよい。
何度でもすぐ帰ってきて反応してくるオスとの決定的違いがココだ。
オスを釣らずに怒らせていると、近くにいたメスが我慢できなくなっていきなり襲ってくるケースもあるが、これはそのメスがそのネストに一度ハタいており、2度目のハタキをする寸前であることが多い。
だが、その場合でもメスは1~2投しかチャンスはないと思った方がよい。
ギル系ルアーでメスを仕留めるヒントを紹介!