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今江克隆のルアーニュースクラブR「初公開!超バーサタイルショート&ハード WARGAZELLE(ウォーガゼル)63MHR」の巻 第1086回

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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フィッシングショーのトークショーがわりの企画として、2週間連続でエバーグリーンのバスロッド「カレイド」シリーズの2022年最新作リリース情報を最速公開中。

先週までは、すでに夏前リリースがほぼ決まってきた「インクレディブルセンサー“デルジェス63UL”」、「“ガルネリアス63L”」、そして「ジャイアントディアウルフ611XXXH/RS」の情報を公開してきた。

今週は引き続き、現時点で2022年中リリースが確定している新機種について初公開しよう。

WARGAZELLE(ウォーガゼル)63MHR

2022年第3弾リリースがほぼ見えてきている「カレイド」新機種が「WARGAZELLE(ウォーガゼル)63MHR」だ。

「WARGAZELLE63MHR」のグリップデザインは、「インスピラーレ」シリーズを継承しつつ、より堅牢でキレとシャープさを際立たせた新デザインになる

このロッドの開発は、実は3年前から「ハングマン」として開発してきたソリッドティップの「PEベイトフィネス」対応パワーベイトフィネスロッドが前身となる。

当時、コロナ禍でTOP50が開催されない中、ありあまった時間でPEラインによるベイトフィネスの可能性を試行錯誤していた。

この時点では強化ソリッドティップを搭載した「ハングマン510MHX」が、そのフィネスながら強引な攻めができ、さらにオカッパリでのヤブコギ時の機動性、操作性の高さも実感し、ほぼこの路線で完成しそうな状態まで開発は進んでいた。

ところが、その実践テスト段階で、たまたまあるオカッパリとアルミボートを楽しんでいるという熱烈な「テムジン」ファンの一般アングラーから「僕のベイトフィネスでは、「テムジン・スーパーグランドスラム・ガゼル(以下:SGSガゼル)」が神ロッドなんです!」と、うれしそうに語られる機会に遭遇する。

その時は20年も前の限定生産ロッドだけに懐かしいね~みたいな感じだったのだが、その迷いのない「SGSガゼル」に対する信頼の高さが印象に残り、自宅倉庫から新品で保管してあった「SGSガゼル」を探しだして、ネタにでもなるかなと取材で使ってみることにした。

コロナ禍の中、開発に没頭していたPEラインを使ったベイトロッドでの様々な釣り。当初は「ハングマン㊧」が完成間近だったが、あるアングラーの一言で「SGSガゼル」の底知れぬ可能性に気付くことに……

20年前のロッド「SGSガゼル」の底知れない可能性

この「SGSガゼル」は、2001年に自分がスーパーグランドスラム(JB/AOY TOP50/AOY、JB/SUPERCLASSIC、ALLSTARCLASSICの4大メジャータイトル2セット制覇)を獲得した時、特別に記念限定生産したロッド。

この「ガゼル」は正統派レギュラーテーパーながら、驚くことに20年前にすでに40トンカーボンをメインクロスに、さらに50トンをセカンドシートに採用。

さらに前衛的ショートセパレートハンドル採用という、一見ファーストアクションに見紛うほどの超絶軽量、破損上等のカリカリ高弾性ロッドの極めつけだった。

当時は、カリカリ過ぎて一般アングラーにはまず使いこなせない……といわれた超プロ仕様のショートハードロッドである。

ただ、さすがに「エアリアル」とともに一世を風靡した超人気ロッドとはいえ、20年前の仕様はさすがに古臭さを感じさせた。

そこで青木哲氏に頼んでガイドとグリップ周りのセッティングを調整してもらい、久々に実戦投入することになった。

そしてその初投入の取材で55㎝オーバーを釣ってしまい、一躍この「ガゼル」に対する思い入れが復活してしまった。

ソリッドティップとチューブラー

この時、この「ガゼル」で使ったのが「スーパーファイアーライン1.5号」を使ったPEベイトフィネス。

しかも、ルアーはスモラバや吊るしではなく、「メタルマウス」の大遠投&高速ドッグウォークという思わぬハードベイトへの汎用性を見出すキッカケになった。

この55cmUPのバスが「ガゼルSGS」の素晴らしさを思い出させてくれた。20年たっても変わらぬクオリティに改めてエバーグリーンのロッドの品質の高さに驚かされる

これがその後、「メタルマウス」→「野良ネズミマグナム」と転換され、さらに「SGSガゼル」が持つPEベイトフィネスだけではない操作汎用性の高さに惚れ直していくことになる。

ソリッドティップの「ハングマン」は、確かにPEベイトフィネスやワイルドフィネスなどの接近戦での繊細なリグ操作には最適だった。

しかし、ハードベイトにおいての遠距離操作性は穂先だけがショックアブソバー的に曲がるソリッドティップの可変アクションがどうしても逆に仇になってしまう。

投げて積極的に操作し、積極的に掛にいく釣りにはソリッドティップより、継ぎ目が一切なく、力の伝達に段差がないチューブラーに軍配が上がることは自明の理である。

「ガゼルSGS」は、強烈に張りがありながら、極細身ゆえに実現しているレギュラーアクションのブランクスは、PEベイトフィネスのみならず、ベイトフィネス、そして重量のある操作系ハードベイトまで広範囲にカバーできる類稀なる汎用性を兼ね備えていたのである。

そしてハードベイトで伸びのないPEラインを使っても、ショート&スリム、さらにショートグリップゆえにジャーク時やアワセ時にオーバーパワーになりすぎない適度な緩衝作用があり、1.5号程度でもタカ切れやアワセ切れなどもほぼないPEとの相性の良さを兼ね備えていた。

しかし、何よりすごいなと思ったことは、一本のロッドを大切に20年も使い続けて「ガゼルSGSは神ロッドです!」と私に対し言い切った一般アングラーの迷いのない一言だ。

この十数年、トーナメント業界を席巻したソリッドティップ神話の影に隠れて、ベイトフィネスロッドに関しても裸の王様になりかけていた自分に、汎用ベイトロッドの基本中の基本であるチューブラーロッドの本質を思い出させてくれたことに感謝している。

「ハングマン」から「ウォーガゼル」へ!

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