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3度目のモデルチェンジ!天龍のショアシーバスフラッグシップモデル「SWAT(スワット)」

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天龍のショア用シーバスロッド、「SWAT(スワット)」が2020年にモデルチェンジがされました。

2005年に登場して以降、今回で3回目となるモデルチェンジ。

ヒラスズキを想定した2機種も追加され、6機種のロッドが展開されています。

ネバリ強さと飛距離を両立したブランク設計!

今回のモデルチェンジでもっとも進化したポイントはブランク設計。

従来のスワットで言えば、「曲げて獲る」ロッドが主体でしたが、2020年のモデルチェンジはそこに飛距離という要素を追加!

ネバリ強さと飛距離という相反する要素の両立が今回のモデルチェンジから取り入れられています。

そもそも、ロッドの曲げこみ・ネバリ強さを上げようとした場合、ブランクの反発力が落ちるため必然的にルアーの飛距離が伸ばしにくくなってしまいます。

逆に弾性率を上げると反発力が上がり、シャープなキャストフィール性能が得られますが、その分ロッドのトルク力・ネバリが落ちるなど、この二つは反比例する要素でした。

矛盾要素を両立させるC・N・T(カーボンナノチューブ)

今回のスワットには「C・N・T(カーボンナノチューブ)」という新技術が採用されています。

このC・N・Tとは、ロッドの主成分であるカーボン繊維に含まれる樹脂にカーボンナノチューブ粒子を絡ませることで繊維の剥離を防ぐ技術で、ざっくりと性能を言ってしまうとネバリと強度が大幅にUPし、しっかり曲げて獲り切る力と感度・キャストフィールを持ち合わせたロッドということになります。

現代のシーバスゲームは多様化し、タックルもそれに合わせた変化に対応できる汎用性が求められます。

このC・N・Tが取り入れられたことで、キャストからキャッチまでの一連で取りこぼしがないフラッグシップモデルに相応しいロッドに進化しています。

持ち重り感のないグリップバランス

 

実は今回のスワットは前作のモデルより数値上やや重量が増しています。

しかし、手にした方のほどんどが軽くなったと感じたといわれ、フィールドテスターの方にも渡したときに同様の声をもらっているのだとか。

もちろん、実際はウエイトが増しているのですが、軽量に感じた理由はリールをセットしたときのグリッピングバランスの調整によるもの。

前作では手に馴染むコルク素材を採用され、リア部にはEVAが使われていました。

これはEVAの方が比重が高いため、バランサーの役割をしてくれる狙いによるものでした。

今作はリアグリップ長を短く設定した機種も展開されているためグリップの構成を見直し、西陣織カーボンを採用したリールシートとEVAグリップの配置のバランスを調整した設計になっています。

そのため手に取ったときの持ち重り感が解消され、より軽くなった感じるほどに進化しています。

キャストフィールを向上させたガイド部分

このほかにもガイドパーツにはチタンフレーム、SiC-SリングのKガイドを採用。

フットの高さを調整しながらキャスト時のラインがスムースに抜けるようバランスを追求されています!

西陣織の詳細などは以前紹介したこちらの記事をチェック

【コンセプトは進化した個性】天龍の本格派シーバスロッド「スワット」

各ロッドのスペック

ベイエリア・ラン&ガンモデルを想定したSW842S-LML (Tidal Walker)

LENGTH
( m [ft])
PCS. ACTION CLOSED LENGTH
(cm)
LURE WT
(g)
LINE
(lb)
PE
(号)
TIP DIA
(mm)
ROD WT
(g)
CARBON /GLASS
(%)
2.54[8’4″] 2 R 131 MAX 30 MAX 16 MAX 1.2 1.7 130 97/3

前作SWAT SW83LMLの後継機として作られたのがこの SW842Sというモデル。

港湾部・中規模河川・運河など、機動性とキャスト精度を要求されるフィールドに合わせた設計で、ベリーからバットを強化したことで、近・中距離でのピンスポットへのキャスト性能が向上しています。

前作のとの違いは前述したグリップバランスとアクション(調子)。

ウエイト自体は増していますが、グリップの構成・バランスを変えたことで持ち感は前作よりも軽量に進化しています。

アクション(調子)の面でも、バット部を強化したことによってブレが少なくなりティップの収束も早くなっています。

ベイエリアで多用するプラグ類に、幅広く対応する汎用性も魅力。限られた装備でラン&ガンしていき、テンポよくストラクチャーをタイトに攻めて行くアクティブなアングラーに向けた機種です。

繊細さとパワーを兼ね備えたモデル SW922S-M (Overambitious)
LENGTH
( m [ft])
 PCS. ACTION CLOSED LENGTH
(cm)
LURE WT
(g)
LINE
(lb)
PE
(号)
TIP DIA
(mm)
ROD WT
(g)
CARBON /GLASS
(%)
2.79[9’2″] 2 F 143 MAX 45 MAX 20 MAX 1.5 1.8 170 96/4

前作のSW92Mから同じコンセプトを踏襲しながらも、一世代先をいくロッドに開発されたのがこのSW922S-M。

進化したポイントは、穂先がスムースに入り徐々にバットに移り変わるアクション性能。

小さなバイトであっても瞬間的にフッキングを入れていく事ができる「掛け調子」のシーバスロッドに仕上っています。

ブランク全体が少し細く感じられるシャープなフィーリングで、曲げこむと徐々にバットに荷重が移り変わるなどC・N・Tの良さが発揮されています。

干満差が強い港湾部や潮流がキツイ河川など、繊細さとパワーを要求されるゲームで活躍し、軽量プラグであっても繊細な操作と激流下でも強引なファイトができる性能です。

ミノープラグやバイブレーション系プラグ全般から、スピンテールやメタルジグ、ボリュームがあるビッグプラグにも対応します。

ベイエリア遠投を想定したモデルSW932S-LML (Tidal Walker)

LENGTH
( m [ft])
 PCS. ACTION CLOSED LENGTH
(cm)
LURE WT
(g)
LINE
(lb)
PE
(号)
TIP DIA
(mm)
ROD WT
(g)
CARBON /GLASS
(%)
2.82[9’3″] 2 RF 144 MAX 35 MAX 16 MAX 1.2 1.5 140 96/4

SW84Sと同じサブネームをもつSW932S-LML。

コンセプトとして、都市型フィールドや中規模河川でのゲームを主体とした比較的ライトなタックルで遠投性を備えたロッドになっています。

SW84Sに比べレングスを長く設定し、より遠投できるように設計されています。

もちろん、長くしただけではダルくなるだけ。延長させた分はバット部を高弾性カーボンで締め上げ、C・N・Tでネバリを強化させるなど各所で違和感を感じさせない調整がされています。

港湾部や中規模河川、ベイエリアでの重要な操作性やキャストアキュラシー性能はそのままに、手が届きにくかった遠投性もプラスされるなどより広範囲をアプローチできる性能です。

プレッシャーの高いシビアなフィールドで、攻めの一手となるモデルに仕上げてあります。

遠投&大物ハントを想定したモデルSW972S-ML (Distance)
LENGTH
( m [ft])
PCS. ACTION CLOSED LENGTH
(cm)
LURE WT
(g)
LINE
(lb)
PE
(号)
TIP DIA
(mm)
ROD WT
(g)
CARBON /GLASS
(%)
2.92[9’7″] 2 RF 150 MAX 40 MAX 16 MAX 1.5 395 171 96/4

都市近郊の中・大規模河川や、サーフ、干潟などで求められる飛距離と汎用性を高めたモデルです。

ルアー最大は40gと幅広く、バイト時のロッドの追従性で弾くことなくキャッチできるのもこのロッドの魅力ポイントです!

数々の大物と対峙し鍛え上げたブランクは、ターゲットサイズに応じて曲がるしなやかなアクションとし、負荷を分散しファイト時にフックアウトのリスクを軽減させるなどアングラーをサポート。

ブレを抑え強化されたバットと、新たに設定したガイドバランスにより更なる遠投性能を実現させたモデルとなっています。

平磯ヒラスズキ対応モデルSW1163S-M (Variable Master)
LENGTH
( m [ft])
PCS. ACTION CLOSED LENGTH
(cm)
LURE WT
(g)
LINE
(lb)
PE
(号)
TIP DIA
(mm)
ROD WT
(g)
CARBON /GLASS
(%)
3.51[11’6″] 3 RF 121 MAX 50 MAX 25 MAX 2.0 1.9 225 97/3

足場が低く、遠浅の磯場でのヒラスズキをメーンターゲットに仕上げたモデル。

ヒラスズキ用と聞くとガチガチの硬いロッドのイメージが先行しますが、このロッドは追従性重視の少ないチャンス、浅いフッキングでも1匹をキャッチできるそんな性能に仕上がっています。

強風下でのコントロールが出来る長さ、スポットに打ち込める正確さを併せ持つので、タフコンディションでも板ぬに活躍してくれるロッドです。

遠投力を必要とするサーフや、ゴロタやテトラが多いエリアでのゲームにも活躍します。

荒磯ヒラスズキ対応モデルSW1253S-MMH (Variable Master)
LENGTH
( m [ft])
PCS. ACTION CLOSED LENGTH
(cm)
LURE WT
(g)
LINE
(lb)
PE
(号)
TIP DIA
(mm)
ROD WT
(g)
CARBON /GLASS
(%)
3.78[12’5″] 3 RF 131 MAX 55 MAX 30 MAX 2.0 2.1 266 99/1

足場に制限があり、波風が強いフィールドで活躍するロングモデル。

張りと粘りの要素をバランス良く分配し、キャスト時はシャープな振り抜き感と高いアキュラシー性能を実現させたハードフィールドで真価を発揮するロッドになっています。

ファイト中のエラ洗いや突っ込みに対しても、ティップからベリーが追従しバラシを軽減するアクション性は抜群!

感度、操作性、パワー、軽さの面をバランス良くミックスさせた磯ヒラロッドです!

天龍(TENRYU)

1961年、六角竹竿加工業として下伊那郡鼎町下茶屋に塩澤製作所設立。1990年、株式会社 天龍に社名変更及び改組。創業当時、六角竹竿で一世を風靡し、1970年には日本初となるバスロッドを自社ブランドで発売。以降、カーボン素材を主軸に幅広い時代のニーズを先読みしたアイテムを輩出している。ソルトウォーターでは超軽量&高感度のSWライトゲームロッド「ルナキア」、ライトジギングでは「ホライゾン」が有名なほか、バス、トラウト、エリアフィッシング、さらにはテンカラなど、非常に幅広いジャンルでこだわりの強いロッドを生み出している。