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【レイドジャパン開発よもやま話】第2回:MAXX BLADE TYPE-SPEED(マックスブレード タイプスピード)。

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マックスブレード タイプスピードの開発経緯と特長

「マックスブレード タイプスピード」(写真手前)と「マックスブレード タイプパワー」(写真奥)。

今回は「マックスブレード タイプスピード」について触れさせていただければと思います。

タイプスピードの開発コンセプトは前途した通り、シャッドプラグの様な高速・微波動・超ハイピッチアクション

クリア気味の水質やオープンウォーターに強く、タイプスピードと言う名を冠しながらカーブフォールでブレードが起動する程のハイレスポンスで、デッドスロー~超ハイスピードまで幅広いスピード域をカバーします。

超ハイピッチ且つタイトなアクションでベイトフィッシュライクにバスを魅了し、その高速安定性からリアクション系スピードトリックを得意とするレイドオリジナルのニュータイプなチャターベイトとなっています。

 

ヘッド形状

「マックスブレード タイプスピード」(写真右)と「マックスブレード タイプパワー」(写真左)。

コンセプトが異なれば、当然ヘッド形状が異なるのは当たり前。

タイプスピードは通常の早巻きレベルは勿論、限界に近い“超早巻き”においても水面を割らないバランスを実現していますが、それに一役買っているのがヘッド形状。

ワームキーパーをフック後方まで伸ばし、ウェイトを分散。そしてヘッドのメインウェイトを低重心化する事で安定感と水平バランスを追求。アイの付け根の先端部分を尖らせ水を切り裂く事で直進性をアップ。

また、ブレードの可動域を制御しトラブル防ぐ役割も担っています。ヘッド上部を平らな面が特徴的ですが、こちらは水面を割らせずレンジキープさせる為の工夫。一見するとやや異形のヘッド形状ですが、各所に意味合いが込められています。

タイプパワーの方は一見するとレベルスピンと似たヘッド形状となっていますが、シルエットこそ似てはいるもののバランスは専用設計となっています。

 

ブレード

タイプスピードのコンセプトは、「高速・微波動・超ハイピッチアクション」。

高速リトリーブに対応する為には、ブレードとヘッドのバランスが重要になってきます。

チャターベイトはヘッドの重量に対してブレードのパワーが勝った場合、アクションが“破綻”してしまいます。このアクションの“破綻”を上手く利用したのがいわゆる「チドりアクション」と言われるものなのですが、タイプスピードの場合は絶対にチドらないバランスが必要不可欠となります。

要はブレードサイズに対してウェイトをアップしていくか、ウェイトに対してブレードを小さくしていくかの二択なのですが、バス用ルアーとしてベーシック且つ、扱いやすいウェイトはやはり7~14g。

そこに微波動というコンセプトを考慮すると、ウェイトに対して小さめのブレードを装着する事になるのですが、重要なのはやはりそのバランス。

いくら微波動とはいえ、アクションが弱すぎて使用感がノー感じになってしまってはチャターベイトとして不合格となります。微波動ながらも、小気味良い使用感を追求するのに数多くの形状・サイズのブレードサンプルをテストしました。

また、ブレードは当然サイズや形状が変わる毎に、アイの位置(ブレードにスナップを装着している穴の位置)が変わり、その都度ベストなアイの位置を模索し直さなければなりません。

タイプスピードのウェイトラインナップは8g・11g・14gの3ウェイトですが、開発当初はウェイト毎にブレードサイズを変える予定だったのでテストサンプルは莫大な数に…。

ブレードに印刷されている【S】の刻印はSPEEDのSの意。もちろん【P】の刻印はPOWERのP。

後にウェイト毎の役割を明確化する為、ブレードは1サイズ共通で落ち着くのですが、タイプスピードの開発において一番苦労したのがブレードかも知れません。

ちなみに、超ハイピッチアクションを実現する為、ブレード素材は水切りの良い極薄なモノを採用しているのは言うまでもありません。

 

細部にもこだわりが詰まっているタイプスピード

スピード特化系であるタイプスピードのアイは、直進性に優れた水平前方の位置に配置しています。

やや狭いアイの幅はブレード起動した際に、アイワイヤー下部にブレードが接触する事でアピール力のある「カチカチ」としたノイズを発生。さらに、ブレードの左右への振り幅を干渉する事で、ブレードの返りが速くなりタイトでハイピッチなアクションを助長します。

また、タイプスピードには「4本の太目のブラシガード」を装着。これは、オカッパリ・ボート問わず不意な“ネガカリ”を抑えるためには欠かせないファクターとなります。

とにかくネガカリしなければ良い、というわけでもなく、ファーストムービングルアーであるチャターベイトは、リーリング時のバイトに対し「巻き合わせ」で勝手にフッキングが決まる事が前提。

つまり、ガードが少ないことに越したことはないのですが、やはりイメージ以上にストラクチャーをかわせずスタックする事が多いのがチャターベイトの特長とも言えるので、補助的ではありますがフッキングを妨げないことを前提とした本数のガード、つまり「4本の太目のブラシガード」を採用しました。

それでも、無いよりは断然引っ掛かりにくく、ストラクチャーをタイトに巻ける事で釣果アップに繋げてもらえれば…と思うのですが、もし邪魔なら引っこ抜いて貰えればOKです。

「ガードは引っこ抜くのは簡単だけど、新たに増設するのはちょっと大変」…そんな理由も込めてガードを標準装備にしています。また、ブラシを左右に2本ずつに分けてV字にする事で、ガード力フッキング率共にアップします。

これ以外にも、トレーラーのズレを防ぐストレスフリーなワームキーパーに、テフロン加工を施した刺さり抜群のオリジナルフックを採用しているなど。

パーツの多いジャンルのルアーですが、全てのパーツにおいて妥協せず作り込んでいます。

ため池、河川、クリーク、リザーバー、フラットフィールド等、どんなフィールドでも今や欠かせないルアーとなっているチャターベイト。

皆さんが行かれるフィールドでも、良い魚を引っ張ってきてくれると思いますよ。

 

マックスブレード タイプスピードスペック

●ウエイト:8g/11g/14g
●カラー数:8色
●価格:¥1,100-(税抜き)
●発売:2020年7月末

 

レイドジャパン(RAID JAPAN)

2011年設立、岡山県を拠点とするタックルメーカー。 ロッド「グラディエーター」シリーズをはじめ、各種バスルアーを輩出。 代表はカリスマアングラーとして知られる金森隆志氏。 「常に釣り人であれ。」という観念のもと、岸釣りのレベルとステイタスを押し上げるべく、現場主体で日々開発・研究を重ねている。
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