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“3名の職人による至高のロッド”「VERSART FABER」とは?/ロッド開発担当:トシ小池

寄稿:トシ小池
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琵琶湖のバス釣り入門

こんにちは。

ピュア・フィッシング・ジャパンのロッド開発担当“トシ小池”です。

来年2026年春、アブ・ガルシアから「VERSART(ベルサート)」のNEWシリーズとして「VERSART FABER(ベルサート ファベル)」をリリースします。

今回は開発経緯や開発秘話、それから機種展開と特長、今後の展開や見ドコロなどについて、この場でお伝えさせていただきたいと思います。

※こちらの画像および以降の画像にもプロトモデルが含まれます

公式Instagramアカウント「versart__faber 」解禁

VERSART FABER(ベルサート ファベル)とは?

2021年に登場し、多くのバサーから長く親しまれてきた「VERSART(ベルサート)」。全12機種という豊富なラインナップで、あらゆるリグやフィッシングスタイルを網羅するバーサタイルなシリーズとして注目を集めました。

アブ・ガルシア公式「VERSART」詳細ページはこちら

リグやテクニックの多様化によりシリーズを拡大

しかし、バスフィッシングの進化は目覚ましく、毎年のように新しいリグやテクニックが登場し、それらが定番となっていきます。

12本の機種だけでは対応しきれない場面や「ここがこうだったら、このリグの操作感がもっと良くなるのに」と感じることも出てきました。そこで基本コンセプトを継承しつつ、より“痒い所に手が届く”ような新たなロッドシリーズの企画が立ち上がりました。

ボートフィッシングを想定「VERSART FABER」

プロチームとのミーティングやフィールドテストを重ね、2024年に第一弾として登場したのが、陸っぱりをメインに想定した「VERSART G.O.A.T」でした。

そして来たる2026年。

第二弾として登場するのが、ボートフィッシングを想定したスペシャルシリーズ「VERSART FABER(ベルサート ファベル)」です。

 

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開発秘話/名前すら決まっていなかった頃

当初、ボート用シリーズというコンセプトのみがあり、シリーズ名すら決まっていない段階では、開発を誰と進めるかで社内でも議論がありました。

今回「Team FABER」として開発に協力いただいたのは、“藤波和成”プロ、“国保 誠”プロ、“山崎誠”プロの3名。いずれもアブ・ガルシアのフラッグシップモデル「Fantasistaシリーズ」のユーザーであり、開発にも携わっていた“レジェンド”。

国保 誠(MAKOTO KOKUBO) プロフィール

巻く、撃つ、落とす、ハードベイトスタイルとジグ&TXスタイルをこよなく愛する元祖・イケメンデカバス琵琶湖プロガイド。多くのルアーやロッドなどの開発&製作にも携わっている。 ( 1976年生まれ、愛知県出身、滋賀県在住

藤波 和成(Kazushige Fujinami) プロフィール

愛知県出身・1972年生まれ。バスフィッシング歴40年以上の、琵琶湖・北湖全域をメインエリアとして活動するバスフィッシングガイド。長良川におけるバスフィッシングの第一人者としても知られ、数々のトーナメントで優勝経験を持つ実力派。日本で初めて“フリーリグ”をガイドメニューに導入したパイオニアでもある。 豊富な経験から導き出される独自理論で確かな結果を生み出しながら、現在も多くのゲストを日々ガイドしている。

山崎 誠(Makoto Yamazaki) プロフィール

霞ヶ浦や利根川をホームとしながら、年間200日以上フィールドで過ごすスーパーロコアングラー。NBC茨城チャプターやクラブチーム「レイカーズ」など、トーナメントにも多数出場しながら、SNSなどを通じて日々の釣行を日々発信中。

そのため、ミドルクラスに位置する「VERSART」シリーズの開発にご協力をお願いするのは失礼ではないか、という懸念も社内にはありました。フラッグシップモデルであれば、最上級の素材やパーツを惜しみなく使用でき、販売価格は結果として決まるため、妥協は必要ありません。一方、ミドルクラスのロッドはあらかじめ販売価格を設定したうえで、開発を行う必要があり、一定の“妥協”が求められます。

例えば「トルザイトガイド」を使った方が軽く、感度も高まると分かっていても「SiCガイド」を使用せざるを得ないケースも。ただし、リグや釣り方によっては、SiCガイドの方が適している場合もあり、一概にどちらが優れているとは言えません。

こうした事情を踏まえた上で、レジェンドの皆さんに開発協力をお願いしたところ「バス業界全体、そしてアブ・ガルシアのために力になりましょう」と、快く引き受けてくださいました。こうして「Team FABER」が発足したのです。

藤波和成プロ監修/VFC-65MLS & VFC-67MHS

ここからは、実際の開発についてお話しします。まず、プロガイド藤波氏が監修した「VFC-65MLS」と「VFC-67MHS」について。

藤波氏に「どのようなロッドを作りたいか?」という質問を投げかけたところ、「実はA氏(私の前任者)と水面下で進めていた機種があって、5年ほどテストを続けていたんだ」とのお話が。そのプロトサンプルを実際に触らせてもらい、コンセプトや求める性能について説明を受けた時「これは面白い!」と直感しました。

詳しくはこの後に配信予定の藤波氏による記事をご覧いただきたいのですが、このロッドはバーサタイルでありながら、専門ロッドのような使用感を併せ持ち、まさにVERSARTの“血”を受け継いだ1本に仕上がっています。

そのプロトに最新要素やレングスの調整を加え、テストを重ねることで理想的な2本が完成したと思います。

国保 誠プロ監修/VFC-74MH

続いては、プロガイド・国保氏が監修した「VFC-74MH」についてご紹介します。

“国保”氏といえば「スイムジグ」が代名詞。特に「LOOPSスイミングマスター」は、琵琶湖で釣りをされる方なら一度は使ったことがあるのではないでしょうか。

スイムジグは年中使えるリグではありますが、特に春のビッグバス狙いで真価を発揮します。操作はシンプルに「投げて巻く」ですが、レンジコントロールやウイードへの当て方・絡め方など、細かなテクニックが釣果に大きく影響します。

これらの繊細なテクニックを快適にこなせるロッドとして、2013年に発売された「Fantasista X-Glaive FXNC-75H」は、まさに最高の1本でした。

しかし、その後継機は今なお発売されておらず、国保氏はこのロッドを10年以上使い続けていました。実は国保氏とA氏(私の前任)で後継機の試作は進められていたものの、「FXNC-75H」を超えることができず、開発は頓挫していたのです。

「VERSART」の価格帯でこのレベルのロッドを作るのは難しいと感じていましたが、国保氏の惜しみない協力により、価格以上の性能を備えた1本が完成しました。

こちらも、詳しい内容は国保氏の解説記事をご覧ください。

今後の展開と注目見ドコロ

2026年春、「VERSART FABER」の第一弾として、前述の3機種が発売されます。

そして現在、霞水系スペシャリスト・“山崎誠”氏との共同開発による第二弾のプロトロッドも、絶賛テスト中。こちらも非常に興味深いモデルが出来上がりそうですので、今後の「VERSART FABER」の展開にぜひご注目ください。最新情報はInstagramアカウント「versart__faber」でも発信していきます。

ぜひ、チェックしてみてください。

VERSART FABER公式Instagramアカウントはこちら

ピュア・フィッシング・ジャパン(PURE FISHING JAPAN)

アブ・ガルシア、バークレイをはじめ、ペン、サベージギア、プラノ、ハーディなど世界的に有名な各ルアーブランドの企画・製造・販売を行っている総合ルアーメーカー。取扱っているアイテムはリール、ロッド、ルアー、アパレルほか多岐に渡る。
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