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今江克隆のルアーニュースクラブR 第978回「限界を超える超フィネスの威力とその弱点〜2019TOP50を振り返る〜」の巻

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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折れる竿は釣れる竿!?

ただ、55年間の酷使を経た私の肘や肩、そして首の頚椎には半日も連続でマイクロピッチシェイクをやり続けると痙攣に近い深刻なダメージを各関節に与えてしまい、3日間にわたる長時間それを延々と乱れずキープし続けることは、通常のタックルでは事実上不可能だったのだ。

ゆえに、その特殊な設計のロッドは練習1日で2本折ることも珍しくなく、試合当日は非常にデリケートに扱う必要があった。

常に5本ものスペアを積んで試合には出ていたほど、レーシング仕様の究極で、エバーグリーンの技術力をもってしても市販化の目処は未だにたっていない。

ただ、これを市販レベルまで持っていければ、「スキニーイール3インチ&4インチ」との組合せで、自分がこれまで最も毛嫌いして来たネコリグが、強力な武器になることを確信する予感があった。

七色ダムでの「ZIGZAGポッキー」のテストでは毎日ポキポキ折りまくり…。 でも「折れる竿は釣れる竿」。コレ、販売を考えないならマジで竿の本質を語る名言

「ZIGZAGポッキー」の威力を過信し過ぎた!

しかし、今年猛省することは、このタックルとテクニックに対する過信と頼り過ぎが第3戦旧吉野川、第4戦霞ヶ浦で裏目に出たことだ。即ち「バスが居れば喰わせられる」と過信しすぎたのだ。

旧吉野川、そして霞ヶ浦は七色ダム、遠賀川に比べ圧倒的にバスの密度が薄い。このテクニックは「バスが複数いれば何匹か喰わせられる」ことには長けていたが、「バスが薄いエリア」では時間が掛かりすぎ、バイトがないと逆に集中力を欠いてシェイクリズムを崩してしまう結果になった。

旧吉野川戦では本来、もっとサイトフィッシングや攻めの釣りに徹するべきだったのが、先の2戦で自信を持った「スキニーイール3インチ&4インチ」のネコリグに多くの時間を裂き過ぎたのが致命傷となった。

そしてそれは霞ヶ浦でも同じことだった。

バスが確実にいそうなメジャー場所を雑に攻めた後、「それからでも喰わせられる」と過信があったため、バスが居ない場所でかなりの時間をマイクロピッチシェイクに費やした結果の惨敗だった。

結局、旧吉野川もフィネスを諦め終えた終盤、普通にスモラバを撃てばアッサリ釣れたし、霞ヶ浦もラスト30分にゲンタホッグのTXで攻めたらアッサリ2本釣れてしまうという皮肉な結果になった。

そして、最終戦の桧原湖も開始わずか2時間で、これまた「マイクロピッチシェイク」で3本グッドサイズを釣り、これは楽勝だと続けたがそこからナゼかパタリとこのテクニックが効かなくなった。

後で気付いたが、試合の強烈なプレッシャーでワームを激しく動かすことが裏目に出た結果だった。止めていた方が喰うと言うここでも皮肉な結果となった。

バスが掛かった瞬間、ラインが切れるかより、ロッドが折れるかの方が心配だった…「ZIGZAGポッキー」はそれほど限界繊細。しかし間違いなく釣れる!

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