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みんなのミドルゲーム2026──「少し外す」だけで、世界はここまで広がる

連載:加来 匠レオン「ライトゲームマニア」
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2026年春、全国で“何か”が起き始めている。

5月に入って以降、全国のスタッフやサポーター達から届く釣果報告を見ながら、僕は改めて「ミドルゲームって、やっぱり面白いな」と感じている。

マダイ、アコウ、イサキ、シーバス、チヌ、マゴチ、青物──。魚種だけ見れば、ひと昔前ならそれぞれ専用タックルで狙うのが当たり前だった魚達だ。だが今、その境界線がどんどん曖昧になってきている。いや、正確に言えば“曖昧になった”のではなく、「繋がった」のだと思う。

ライトゲームの延長線上にある感覚。ロックフィッシュの経験値。シーバス的なレンジ思考。プラッギングの流し方。

それらが一本の線として繋がった時に生まれるのが、今のミドルゲームなのだと思う。今年の5月は特にそれを感じる。全国から届く釣果が、とにかく“自由”なのだ。

レオン 加来 匠(Kaku Takumi) プロフィール

加来匠(かく たくみ) 中国&四国エリアをホームグラウンドとし、メバルやアジ、根魚全般の釣りを得意とする生粋のソルトライトリガー。レオンというのはネットでのハンドルネームとして使い始めたが、いつの間にか、ニックネームとして定着。ワインドダートやSWベイトフィネスなどを世に広めた張本人、新たなスタイルを常に模索中! 「大人の遊びを追求するフィッシングギアを提供する」ことを目的としたプライベートプロダクション「インクスレーベル」代表もつとめる。

“少し大きく、少し重く、少し遠く”

例えば、長崎スタッフの横山創万(そうま)は、メバルプラッギングの延長から、そのままデカい魚へ入り込んでいく。

常夜灯周りで魚を探し、その周囲のベイトや潮を見ながら闇場へ展開し、ブルー回遊まで拾っていく。しかもそれを特別な秘境ではなく、いつもの港や河川でやっている。

「少し大きく、少し重く、少し遠く」

彼がよく使うこの言葉は、まさに今のミドルゲームを象徴している。そして面白いのは、そこに“ガチガチの専用感”が無いこと。むしろ逆だ。メバルをやっていたらアコウが来る。アコウを狙っていたらマダイが来る。アミパターンをやっていたらタケノコやシーバスが混じる。

つまり、「何が釣れるかわからない」がネガティブではなく、完全にポジティブへ転換している。

“魚種”ではなく、“水の中”を見る釣り

これって実は、昔の日本のルアーフィッシング、特にライトゲームと呼ばれるスタイルが本来持っていた“自由さ”なんだよね。今は情報化が進み過ぎて、「この魚にはこの釣り」「この状況にはこのルアー」と細分化され過ぎた。もちろんそれは進化でもあるのだが、一方で“遊びの余白”を減らした側面もある。

だけどミドルゲームは、その余白を取り戻してくれる。例えば、各地のサポーター達の釣行記を見ていてもそうだ。5g〜10g程度のリグを使いながら、アコウを狙い、メバルを挟み、最後はマダイへ辿り着いていく。しかも途中でメタルジグへ切り替えたり、プラグへ寄せたり、ライトゲームとシーバスゲームとの間を行ったり来たりしながら魚へ近付いていく。

これが実に“現代的”なんだ。ひとつの型にハマらない。でも雑ではない。むしろ魚のレンジ、水押し、流れ方、ベイトサイズ、潮速──そういう“本質”へ意識が向いている。

だから最近のミドルゲーム勢を見ていると、やたら上手い人が多い。魚種ではなく、「水の中」を見ているからだ。

2026年は“巻き”が強い

そして今年特に印象的なのが、“巻き”の復権。

数年前までミドルゲームと言えば、ボトム主体の探り釣り的なイメージが強かった。もちろん今でもそれは強力だ。だが今年は、ボトムドリフトや、表層ただ巻きや、あるいは中層ショートジャークなどで大型を獲っている報告が本当に多い。

ミドルサイズのワームを丁寧に巻く。シンキングプラグをボトムへ流し込む。メタルジグやメタルバイブを見せて落とす。フローティングプラグ流れに漂わせる。

派手ではない。だが“生き物感”が圧倒的に強い。そして魚達も、それに素直に反応している。

“ボートミドルゲーム”という新しい自由

さらに今年、確実に存在感を増しているのが“ボートミドルゲーム”だ。

これがまた面白い。元々ミドルゲームという概念自体が、「ライトゲームタックルの延長で、もう少し外側を触ってみる」という思想から始まっている。だから実は、小型ボートやカヤックゲームなどの相性も非常に良い。

特に今年Xで流れてくるミドルゲーム釣果を見ていて感じるのは、“魚種の自由度”が一気に跳ね上がっていること。

マダイ。ハタ。イサキ。シーバス。チヌ。マゴチ。ヒラメ。サワラ。青物。

しかも、それらが全部「同じ日の同じタックル」で成立してしまっている。これ、実は凄いことなのだ。ひと昔前なら、ボートゲームと言えばタイラバ、ジギング、シーバス、ロックフィッシュと、それぞれ完全にジャンル分けされていた。ところが今のミドルゲーム世代は、その境界線を軽々と跨いでいく。

5g〜25g程度のリグや小型プラグを軸に、魚探反応へ落としたり、潮目を流したり、橋脚を撃ったり、バースを通したりする。すると、何が食ってくるかわからない。だが、その“わからなさ”が楽しい。

専用タックルじゃなくてもいい

今年各地で目立っているのが、「ライトタックルで大型真鯛や青物を獲ってしまった」という報告だ。しかも、それが無理矢理ではない。ちゃんと止めて、ちゃんと獲れている。

ここが今のタックル進化の面白いところで、ロッドもリールもPEも数年前とは別物になっている。昔なら“細過ぎる”と言われていたセッティングで、今は普通に大型魚と渡り合えてしまう。だからこそ今のミドルゲームは、“専用ロッド至上主義”ではない。

強めのライトゲームロッド。シーバスロッド。エギングロッド。みんな、それぞれ手持ちのタックルを少しだけ外側へ使いながら遊んでいる。その自由さが、今のミドルゲームらしさなのだと思う。

磯ミドルゲームと“イサキ”の魅力

そして、忘れてはいけないのが“磯ミドルゲーム”の存在だ。特にこの時期、各地で一気に熱を帯び始めるのが「イサキ」。

これがまた、実にミドルゲーム的なターゲットだ。ライトゲームの繊細さ。ロックフィッシュゲームの地形感覚。シーバス的な潮読み。…その全部を要求してくる。

しかも相手は、あの“磯のグラマラスファイター”だ。夜明けの磯。沖から差してくる潮。足元を舐めるように走るヨレ。その一瞬だけレンジへ浮いてくるイサキを、軽過ぎず重過ぎないリグで通していく。これが本当に面白い。

狙い方も実にミドルゲーム的で、ガチガチの磯タックルでもなく、かと言って完全なライトゲームでもない。PE0.4〜0.8号前後。5g〜15g程度のジグヘッドやプラグやメタルジグ。そこへ磯のふかせ釣りのように「流れに馴染ませる」という発想を加えていく。すると突然、“ゴゴッ”という、あの独特なイサキバイトが来る。

そして掛けた瞬間から、とにかく強い。足元へ突っ込む。潮へ乗る。横へ走る。だけど、それをライト寄りのタックルでいなしていく過程が、たまらなくスリリングだ。

しかもイサキって、ただ強いだけじゃない。ベイト。潮色。月。浮きレンジ。そういう条件で反応がガラッと変わる魚だから、“釣った”感が非常に強い。だから最近、各地のスタッフ達の投稿を見ていても、「イサキが面白過ぎる」という声が本当に多い。これもまた、“少しだけ外したライトゲーム”なんだと思う。

結局、必要なのは“自由さ”なんだ

そして何より感じるのは、みんな本当に楽しそうだということ。

魚種に縛られない。釣法に縛られない。昼夜にも縛られない。

「今日は何が来るかな」

そんなワクワク感を、みんな久しぶりに思い出している気がする。結局、釣りってそこなんだよ。予定調和をなぞるだけじゃなく、“少しだけ外した先”にある未知を楽しむこと。

だから今、ミドルゲームがこれだけ広がっているのだと思う。そして、ここは大事なところなのだけど、ミドルゲームは、決して“春だけの釣り”ではない。確かに春は、産卵絡みのマダイやハタ類が動き始め、一気に世界が開く季節だ。だから毎年、この時期になると全国のアングラー達が熱を帯び始める。

だけど実際には、この釣りは一年を通して成立している。初夏になれば、イサキや青物、回遊系の魚達が絡み始める。真夏は、河川や汽水域でチヌ、マゴチ、ハタ類が最盛期へ入る。秋になれば、ベイトに付いたシーバスや青物、サワラ、アコウが荒れ狂う。冬になれば、再びメバルや大型アジ、回復個体のロックフィッシュ達が主役になる。

しかもこれは、全国規模で見ればさらに幅が広い。北では海サクラやアイナメ。西ではオオモンハタやフエダイ。南ではメッキや南方系回遊魚。地域ごとの気候、潮流、ベイト、地形によって、“その土地ならではのミドルゲーム”が存在している。

つまりミドルゲームとは、特定魚種の釣りではなく、“少し外側を自由に探る遊び方”そのものなんだ。だから本来、この釣りには明確な終わりが無い。季節が変われば、魚が変わる。場所が変われば、答えも変わる。

その変化を追い掛け続けられるから、飽きない。そして気付けば、アングラー自身の引き出しもどんどん増えていく。ライトゲームをやっていた人が青物を掛ける。ロックフィッシュをやっていた人がイサキへ辿り着く。シーバスをやっていた人がハタゲームへ入り込む。そうやってジャンル同士が混ざり合いながら、今、新しい釣り文化が全国で育ち始めている。

2026年。ミドルゲームは、もう単なる流行ではない。“自由に魚を追い掛ける”という、とても本質的な遊び方として、確実にひとつの文化になり始めている。

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