今江克隆のルアーニュースクラブR「爆誕!ひねくれモノのベイト”ライブ”フィネスロッド」 第1241回
今週は、青野ダム(兵庫県)での第一次ライブ特訓を打ち上げて、この記事がアップされる頃には山口県の激ムズな小野湖に浮かんで病んでいるころだろう。
青野ダムでも特訓開始前半は青野無駄かと病むことも多かったが、青野での練習はいろいろと新たな学びが多く新たな経験値になったと思う。
その中でも、今江的に思ったことは「ライブサイト=スピニングタックル=かなりセコイ」というイメージが一変したことが大きかった。
そのキッカケになったのが、スピニングロッドでのライブサイトは、ライブ自体に苦手意識があるうえに超ライトスピンニングでの繊細な操作、さらにはその独特の姿勢からも最初は首と肩が異常なほど凝ってしまい、翌朝は両肩が上がらないほど苦痛なものだった。
ベイトフィネスロッドに替えてみたところ
このままでは首と肩凝りで断念してしまいそうに思え、中盤から気持ち的に一番好きなベイトフィネスロッド「ストライダー」に替えてみたところ、これがとても楽になった。
ロッドの重心の違いや構えの姿勢もあるが、何よりスト系(スイミング&リアクション)のロッドアクションと巻き動作の連携がスピニングロッドより断然自分には楽に感じたからだ。
また、もう一つのメリットとして、バスをライブ画面に捉えた瞬間からルアーをシュートするまでのタイムラグが両手で垂らしを調整しベイルを返すスピニングより圧倒的に速く、サミングによる距離感の調整、クラッチのオンオフによるスラックの調整も片手でできる。
さらには前でも横でも斜め後ろでもライブ照射角(20度)内に入れる咄嗟のキャストの直進性がスピニングより圧倒的に良く、照射角外にズレにくいことが、物凄く自分には合っていた。
「ヴェロキラプター」がライブサイトを「楽」にしてくれた
ベイトフィネス用ロッドの「ストライダー」がライブでとても使いやすいことに気が付いたことで、今度はなんとなくベイトネコ&ダウンショット用に「カレイド」シリーズのベイトとしては異例の軽さとしなやかさ(柔らかさ)で作ったスパイラルガイド仕様の「ヴェロキラプター」をライブサイトで初めて使ってみた。
この転用が、今江的には苦手なライブサイトをめちゃくちゃに楽にしてくれたと言っても過言ではないほどハマった。

今までスピニングタックルでやっていた「レイジースイマー3.9インチ」を「ヴェロキラプター」でやったら、めちゃくちゃやりやすくてストレスも解消された。これがキッカケで「ヴェロキラプター」のライブベイトフィネスに開眼した
このロッドは最もしなる系の「ベイトフィネスロッド」の一種だが、まさに「ベイト“ライブ”フィネス」のために生まれてきた唯一無二のロッドではないかと感動するほどにライブサイトが楽になると同時に、カッコいい釣りに思わせてくれるようになった。
何がカッコいいかというと、バスをモニターに捉えた瞬間、瞬時にクラッチを切りショートモーションのロールキャストで、神速ノールックキャストで前後左右ドンピシャにバスにアプローチできるようになったからだ。
あくまで自分の思い過ごしだが、ノールックの斜め後ろ方向などへのベイトロールキャスト、そして操作時もベイトロッドをカッチリ構えた感じはちょっとライブでもカッコいいと思った(笑)。
まあ、自分は沢村さんと共に「元祖ベイトフィネサー」なので、このクイックショットのお陰でバスを見失ったり、バスが通り過ぎた後にルアーが入るようなミスがスピニングロッドに比べ激減したこと、構えの関係で首の痛さや肩凝りが激減したことが、何よりメリットだった。

青野ダムのライブ特訓最終日は「ジャバロンスーパーリアル110」&「ヴェロキラプター」のコンビが絶好調に。水深4m付近のバンクライブでは40cmクラスが簡単に釣れた
スパイラルガイドの恩恵
しかも、スパイラルガイドの恩恵は素晴らしく、特にクイックロールキャスト時にしなるロッドにもかかわらずスパインのねじれによる悪影響がほとんどなく、キャスト後にラインが下に垂れる自然なスラック操作感はまさにスピニング感覚で、スイミング(今で言うスト系)の操作にはこれ以上のロッドは絶対にないと断言できるものだ。
リールとロッドの振りの同期連動がハンドルの回転軸のズレから難しいスピニングロッドに比べ、ロッドの軸とハンドルの回転軸が圧倒的に近いベイトは巻きとロッド操作の同期が圧倒的に楽なのだ。

普通のベイトロッドでは不可能な、自然なラインスラックをスピニングチックに出せる。スト系アクションやダウンショットには最も効果のあるガイドセッティングだ
この「ヴェロキラプター」の操作感の唯一無二さに、新しい「ベイトライブフィネス」という世界観が広がった気がした。
そしてその結果、青野ライブ特訓で釣れるバスが徐々に釣れる確実性を増し、数も増えていったという経緯だ。

この時は「クジャラ」のモリケンリグに「レイジースイマー3.9インチ」をズボラして付け替えた途端、沖ライブで会心の一発。「ヴェロキラプター」はライブに最適な、ベイトロッドの見た目をしたスピニングロッド?だと気が付いた

第一次青野ライブ特訓ラストは「ヴェロキラプター」&「ジャバロンスーパーリアル110」で55cmクラスを仕留めて打ち上げ。沖ライブで釣れるバスは体形が別格だ
ひねくれものガイド
これら以外にもスパイラルガイドは柔らかいのにハイレベルにバラしにくいといった特性も素晴らしく、詳しい情報はルアーニュースクラブRで詳しく解説した過去の開発レポートがあるので、是非もう一度読んでみてほしい。
今江克隆のルアーニュースクラブR「ひねくれもの?ガイドシステム、最先端スパイラル(螺旋)ガイドの真実」の巻 第1179回
ちなみに今月5月発売とエバーグリーン公式サイトで先日発表されたとのことだが、今回の記事はホンマにあくまで偶然のタイミングで宣伝狙ったものではありませんので(笑)。

今の時代でもバスロッドでスパイラルガイドを自信をもって世に問えるのはさすがのエバーグリーンならでは。唯一無二の性能と存在は決して奇をてらったものではなく、実に理に適っているのだ

大胆な一気回しスパイラルガイドを採用した「ヴェロキラプター」はひねくれものロッドに思えるが、世に溢れるバスロッドの中で明らかに唯一無二、明確な性能差を衝撃的に実感できる超実戦型ロッドだ
「ヴェロキラプター」の現場インプレッション