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今江克隆のルアーニュースクラブR「もう1つの究極?ひねくれものガイド『「ZIGZAG(ジグザク)ガイドシステム』最新情報」の巻 第1180回

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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さて、先週は「スパイラルガイド」のメリットについて解説したが、今週はもう一つの究極的?ひねくれものガイドシステム、「ZIGZAG(ジグザク)ガイドシステム」について、最新の情報を、実際の実釣写真を通じて詳細解説してみよう。

ちなみに「ジグザグガイド」システムとは、青木哲氏が考案した現代最新のひねくれものガイドだが、その外見の突飛さから自分が「まさにジグザグやな!」の一言で命名されたガイドシステムだ。

「スパイラルガイド」にも勝るとも劣らないひねくれっぷりだが、「スパイラルガイド」同様、確実にメリットを生み出す使い方は存在する。

ここでしっかりと理解してほしいことは「スパイラルガイド」も「ジグザグガイド」も、どんなロッド付けても最高のパフォーマンス向上を発揮するガイドシステムではないということだ。

むしろ適材適所を理解して、適正な目的をもってロッドに組まなければ、逆にデメリットが出てしまう特殊なシステムであることを知っておいてほしい。

ゆえに相当なロッドへの理解度と経験がなければ、下手に真似すると痛い目に遭うのが、ひねくれものたる所以なのだ。

スラックラインと感度

まずはこの写真をよく見てほしい。

これは先週解説した「スパイラルガイド」のビッグベイト用のセッティングロッドのワンカットだ。

先週も書いたが、「スパイラルガイド」の最大の特徴として、ガイド間においてラインが引力の影響に逆らわないので、下方向に垂れることによってスラックが自然と多く発生する。

これを利用して、よりナチュラルな操作感を生むことができることは、先週に詳しく解説した。

この折に重要なことは、バスロッドには多数の機種が存在し、それぞれに個性的な性能が要求されるが「感度と操作性は矛盾する」ということを知っておくことだ。

すなわち、自然な操作性、ルアーの動きの自由度を求めると、必然的にラインの自由度、すなわちスラックラインをいかに有効に使えるかがポイントになる。

一方で感度を重視するならば、当然ながらスラックラインは感度を低下させる最大の原因となるため、おのずとラインを「張る」方向になる。

ここで覚えておきたいことは、「人間がよく分かる」ということは、逆に「バスからもよく分かる」という紛れもない事実だ。

ラインを張ればよく情報は明確に分かるが、同時にそれはバスに違和感を感じ取らせる最大のリスクにもなるということだ。

その部分の「等価交換」こそが「ひねくれガイドセッティングの妙技」なのである。

「ジグザグガイド」は飛距離が落ちる?

昨年後期、自分が最も開発に注力したスピニングロッドは三原(直之)プロの「ライナースピン」に刺激を受けた、「カレイド」の新型パワースピニング「ガルネリウス67M」である。

ジャバロン140」や「ジャバロン110」の5gジグヘッドを5~7lbフロロで使うための「スピンサーペント」の後継機種となるパワースピンだが、この開発において最後まで悩んだのが「ジグザグガイド」を採用するか否かだった。

その最大の理由は、「ジグザグガイド」の特徴である「密」で「ライン接触率」を限界まで上げたティップセクションに、太く硬いフロロでは抵抗が掛かり過ぎるのではないか…という疑問だった。

すなわち「ジグザグガイドは飛距離が落ちる」と誰も最初に思うデメリットが、あるのか、ないのか、を検証することだった。

3~4lbフロロ、もしくはPEラインにおいては「カレイド・デルジェス」の実戦テスト、現場検証を幾度も経て全く問題はないと自信をもって今もいえるが、硬くゴワつきやすいフロロ5~7lbでは、ガイド間を叩いてしまい飛距離が極端に落ちるのではないか?という不安が、「ガルネリウス」の完成を「デルジェス」から1年以上も遅れる結果にさせてしまっていた。

「ジグザグガイド」の最大のメリット

次に、この取材での実釣時、真剣に操作している時の写真を見てほしい。

ラインはフロロ6lbを使っているが、ガイドが下を向いているスピニングロッドではスラックラインがとても自然に多く出せている。

ラインテンションを切った、水にラインを馴染ませたこの状態はバスに脅威を与えにくく、シビアの状況ほど肝要なのだが、逆に当然、感度はかぎりなく分かりにくくなる。

だが、このダルダル状況でもティップセクションに「ジグザグガイド」を採用することで、スラックラインがティップセクションのみでラインが「整流」され、同時に接触ポイントを多くとれることで「静止感度」は向上する。

このティップセクションのみの「整流効果」が「ジグザグガイド」の最大のメリットなのである。

スラックがダルダルに出ているのに「!」

この日はとても寒くてジジイみたいな姿で申し訳ないが、スラックを出した状態でも「ジグザグガイド」はティップセクションのみでスラックを整流し、接触セクションを増やしていることが分かる。

このスラックラインを出した状態でも、ラインが緩んだ状態でも「何かが触った感触」を感じ取れることが「ジグザグガイド」の狙いである。

実際にスラックがダルダルに出ているのに「!」という感じの、何ともいえないアタリを感じられることから、ひねくれものの極みである「ジグザグガイド」を「カレイド」でも正式採用することにしたのだ。

「スパイラルガイド」がベイトロッドなのにスラックを出しやすいのとは真逆で、スピニングロッドなのにベイトロッドの「マイクロガイドシステム」のような高感度さを出せるのが「ジグザグガイド」といえば分かりやすいだろう。

だが「ジグザグガイド」を数年使ってみて、スピニングロッドの場合、「7lb以下のフロロ、PEラインでこそ最善」と、自分は現時点では考えている。

さらに続く、「ZIGZAG(ジグザク)ガイドシステム」の最新情報!

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