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今江克隆のルアーニュースクラブR「もう1つの究極?ひねくれものガイド『「ZIGZAG(ジグザク)ガイドシステム』最新情報」の巻 第1180回

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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「ジグザグガイド」が最適なラインは

この瞬間写真が、その理由を明確に語っている。

大きな螺旋(スラック)を描いてリールから放出された6lbフロロラインは、チョークガイド(この場合手前から3つ目)を通って整流される。

そして「ジグザグガイド」の部分では、驚くほど美しくラインは直線に整流されており、ラインの「踊り」や「暴れ」は皆無になっている。

ラインのガイド間の暴れが、実は最も飛距離を落としてしまう原因で、真っすぐな状態に整流され滑れば滑るほどSicやトルザイトリングの真価が発揮されるのだ。

この辺はさすがに富士工業(Fuji)の公式ガイドマイスターとして認定されている青木ならではの、実戦的な発想だ。

実釣テストでは、7lbフロロをスピニングの上限としてテストしてみたが、飛距離が落ちる実感は実戦ではほとんど皆無であり、逆にスラック感度や操作性のメリットの方が多いという結論に達した。

ラインが螺旋放出されないベイトフィネスの場合は、10lbフロロでも何ら問題はないだろう。

先の写真のティップ部分を拡大したのが、この写真だ。

6lbフロロでもジグザグ部分にラインの暴れや歪みは全くなく、実にきれいに整流されていることが分かる。

ちなみに、自分の個人的見解だが、この整流効果は「柔らかすぎる」がゆえに、ガイド間で糸が踊りやすいPEラインの0.3~0.4号ではさらに効果が高く、細PE、特に超軽量ルアーだと、逆に飛距離は通常のマイクロガイドセッティングより伸びると感じている。

雨でのラインのへばりつきを気にする人もいるが、キャスト時に水は吹き飛ぶためか、実戦に影響するような大きな変化を感じてはいない。

ただ、太いフロロを扱う強いベイトロッドに「ジグザグガイド」を採用しないのは、使うルアーの重量が重い場合、ラインは常にある程度張った高接触状態になることがほとんどで、あえて「ジグザグガイド」にするメリットを感じないからである。

また硬く太いフロロだと、ティップセクションで糸グセによる抵抗増加になることも理由の一つだ。

むしろ太フロロにマイクロガイドセッティングはライン自由度を過度に制限しすぎる傾向が強いために、逆に放出抵抗が少なく、巻取り時にラインの自由度が高くルアーが活き活きと動く「大口径、最小限セッティング」を選ぶのが、自分の考え方である。

このストロングベイトロッドの「大口径少数ガイドシステム」に関しては、また次の機会にでも解説したいと思う。

エバーグリーン・ブースに展示

このようにガイドセッティングは適材適所、用途と狙いによって様々な選択肢がある。

「マイクロガイド」セッティングが常識化した現在、「反逆のひねくれもの」と称した「スパイラルガイド」、「ジグザグガイド」、そしてさらには少し触れた大口径少数ガイド。

これらは決して全てのロッドに万能なガイドセッティングではない。

むしろ大手メーカーでは怖すぎて製品化を躊躇する、ニッチでピンスポット的な、「見た目無視」の「実戦最優先」セッティングといえるだろう。

ひねくれものガイドは、その狙いと効果を明確化できる選ばれた機種に採用してこそ、その効果を実感できるものであり、それはガイドセッティングの卓越した実績、経験と、同時に様々なガイドシステムを実戦で使った豊富な経験がなければ、なかなか一筋縄ではいかない技術である。

今週のフィッシングショーOSAKA2024で、試作品も含めエバーグリーン・ブースでは「レイジー9」に使っているビッグベイトスパイラル、ダウンショットスパイラル、そして「デルジェス」&「ガルネリウス」の「ジグザグガイド」システム搭載機種が全機種展示されるので、ぜひ一度、実際にひねくれものに触れてみてほしい。

そこでピンッ!ときたら、アナタも違いの分かる立派なひねくれものデス。

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