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今江克隆のルアーニュースクラブR「ニッチだけど唯一無二!今まで伏せていたパワースピンの本当の秘密」の巻 第1170回

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冬の訪れを予感させる冷え込みの今日この頃、苦しかった今年のトーナメントシーズンを振り返ってみると、開幕戦七色ダム、そして桧原湖戦、遠賀川戦と、今年は本当に2本の特殊ともいえるスピニングギアに助けられたシーズンだったように思う。

その2本とは、今週末に店頭デビューを果たす「カレイド」最強のスピニングロッド「スパイダースピン」と、「ステルススイマー」をも扱える超パワースピニングロッド「ライナースピン」の2本だ。

「スパイダースピン」は、基本PEラインがメイン。ファイトもベイトロッド並の強引さで制圧できるスピニングロッドだ

スピニングながらもベイトに匹敵する強度とゴン攻めを可能にした極めて特殊なこの2本は、従来のスピングロッドの概念からは掛け離れた、ある意味、極めて「ニッチ」な、しかしながらコレにしかできないことが明確にある、唯一無二のスピニングロッドといえるだろう。

「スパイダースピン」と双璧をなすパワースピニングの「ライナースピン」。何においても潔すぎる三原(直之)プロらしい、他に類を見ないニッチで激レアなハイパワースピン

今週は、ずっと今日まで伏せていた今江的「ニッチなパワースピンの本当の秘密」を初公開しよう。

ドラグ性能も高いスピニングリールゆえに、ベイトロッド顔負けのデカバス封殺のパワーファイトが悠々とできるのがハイパワースピンの魅力だ

コンセプト

この2本には、偶然にもかなり似た開発コンセプトがある。

要約すると…

  1. オカッパリで想定される様々な局面への対応力を考慮した長めのレングス(=有効レングス7フィートクラス)&チューブラーティップ
  2. フィネスワームやスモラバを用いた軽量リグから小型スイムベイトやフルサイズジャークベイトまで、しっかりと扱える広域対応力
  3. フルキャストでの遠投性能と、ピッチングによるピンスポットへのキャスト精度の両立
  4. シャープでもたれずシャキッとした操作感、かつ細かく繊細なシェイク動作をも苦にしないバランス
  5. テクニカルな動作に対応するストレスのないグリップ設計(長さ、形状、径等)
  6. 遠方やカバー越しのフッキング~ファイト、足場の高い場所からの抜き上げまでを含め、一般的なスピニングロッドの規格を超える圧倒的なパワー

といったところだろう。

ちなみに自分と三原(直之プロ)は、TOP50で、特にライブスコープを使わない試合では非常に似たエリアスタイルの選択することが多く、必然的にバッティングも多い。

おそらくTOP50の選手の中でも最もバッティングする選手といえるかもしれない。

それだけに特にサイトフィッシングではないパワー重視のスタイルに関しては、タックルの好みも極めて似てくるのだろう。

さらに「スパイダースピン」と「ライナースピン」は、ともに「オカッパリ視点も重視」しているという点においても共通点の多い特殊スピニングロッドといえるだろう。

2本違いを明確にするならば、三原の「ライナースピン」は問答無用のパワーに全振りしたタフさと潔さが特徴で、「スパイダースピン」はパワーを維持しつつ、繊細なキャスト力と操作性を重視している。

今江的感覚で言い換えれば、「ライナースピン」は「中長距離操作型柔術系パワースピン」、「スパイダースピン」は「短中距離精度型打撃系パワースピン」といった使い分け方になっている。

「ライナースピン」は、オカッパリでの高い汎用性を考慮し三原プロがデザインした。ニッチなロッドだが、1本で無理やりでもなんでも何とかしたいなら今江的にもベストチョイスだ

ライナースピン

「ライナースピン」に関しては既報の通り、桧原湖戦での「ジャバロンスーパーリアル110」の5gジグヘッド遠投スイミング、遠賀川戦での「ジャバロン140」のデッドドリフトで、その戦闘能力の確かさは証明済みだ。

起死回生の表彰台獲得の主役になった「ライナースピン」と「ジャバロンSR110」。この組合せに出会えなかったら、今期後半のマクりはなかっただろう

遠賀川最終戦初日、「ジャバロン140」のデッドドリフトに喰ってきたわずか1本で26位スタート。その詳細は20日発売のルアマガ・リアルファイトを見てください

今江的には、スラックを存分に活かしながらロングキャストで大きめのワームを繊細に操作し、#3/0~4/0クラスのオフセットフックをワームごと遠距離で確実にビッグバスの上アゴを打ち抜ける性能は、このスピニングロッドの右に出るものはないと、現在、思っている。

オールスターの練習では「ライナースピン」で「ジャバロン110」のネイルリグを7lbフロロで使い、ビッグフィッシュを連発していた。太いフロロラインとの相性が抜群のスピニングロッドだ

オールスター戦でもメインとなった「ブシドー」とほぼ同等の使用頻度で「ライナースピン」&新型「ジャバロン110」を使っていたことは、ライブ配信を見た方は確認できたと思う。

オールスターの練習では「ブシドー」のスイミングに匹敵する結果を残していたのが「ライナースピン」&新型「ジャバロン110」のネイルリグだった。

遠賀川戦で開眼した「ジャバロン」のデッドフォール&デッドドリフトは霞ヶ浦でも効き続けた。風が弱かったら「ブシドー」に代わるオールスターの主役になった可能性が高い

スパイダースピン

一方、「スパイダースピン」も2022年の遠賀川開幕戦では「ワスプ55カットファスト」と併用した「ジレンマスーパースティープ」のダイビングジャークで8位入賞に貢献、23年開幕戦七色ダムの決勝で起死回生の54cm2,400gを仕留めて以来、2023年全試合でボートから降りることはなく、お題の違う取材の合間にも毎回のようにビッグフィッシュを釣ってしまう攻撃力の高さで、すでに長らく一軍定着している。

45cm程度は簡単にブッコ抜き。T1100Gフル採用の恩恵をいかんなく発揮する

611のレングスの長さが67の「ライナースピン」との決定的な違いで、打点の高さや遠投性能、ベイトフィネスに匹敵するピッチングの神精度、カバー越しの吊るしにおける繊細な操作性と打突力においては「スパイダースピン」の優位性はゆるぎないものとなっている。

オーバーハングでは無双の強さを発揮する「スパイダースピン」。基本的にカバー内の吊るし竿なので、50cmUPを余裕でカバー越しに吊るし切るパワーがある

実質レングス7フィート相当のショートグリップ611ながら、その操作上の軽快感は67の「ライナースピン」に勝るとも劣らない。

今江的にはボート上でなら、重め、強い系のルアーはハードソフト問わず、たいていをこなしてしまう「スパイダースピン」。感覚的にはスピニングリールが付いたベイトロッドである

ならではのスーパーキャスト機能と、コンストラクション上の秘密とは?

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