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「エギ王SEARCH」はなぜ釣れる?川上英佑に訊く、釣れる理由とその立ち位置

寄稿:川上 英佑
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遂にエギ王SEARCHに待望の3.5号が10月上旬に登場します。

既に発売されている2.5号、3号での実績も各地から聞かれており「釣れるラトルモデル」との呼び声も高いエギ王SEARCH。

今回はエギ王SEARCHラストとなるサイズ3.5号のリリースに際し、サーチ3.5号の特長とローテーションにも関わるエギ王シリーズとしてのエギ王SEARCHの立ち位置に触れていきます。

川上 英佑(KAWAKAMI EISUKE) プロフィール

ショアをメインにオフショアからのエギングにも精通するYAMASHITAエギングマイスター。 エギング歴は20年に及ぶ。エギングが認知されてまだ間もない頃からYAMASHITAのプロスタッフとして活動、その活動範囲は国内外問わず幅広く、東南アジアからオセアニア、ヨーロッパ、南アメリカと世界中に及ぶ。また世界各国でエギングを行い、またエギングセミナーを開催。ロジカルなセミナーは海外でも人気が高い。

エギ王SEARCH3.5号の特徴

3.5号のリリースが10月上旬というのも非常に良いタイミングで、ほぼ日本全国が10月中旬に秋エギングのピークを迎えます。2.5号~3.5号までローテーションに組み込めるサイズにアオリイカも成長しており、アオリイカエギングの北限である北海道も現在3.5号が十分通用する中型サイズが数釣れるタイミング。

シャローエリアのランガンからサイズ狙いの深場攻略、秋が進むにつれ強まる季節風の中でもエギングを成立させやすい3.5号は非常に頼りになります。

ストロボフィンにより効率的にフラッシングとラトル音を生み出す機構が搭載されているエギ王SEARCH。強く大きなフラッシングを生む平面ボディ「フラットサイド」は、丸みを帯びる従来のエギのボディと比較しても、遠くにいるアオリイカにその存在をさらにアピールできる機能。

その「フラッシング」能力はエギのサイズが大きくなればなるほどに拡大され、ボディ側面の面積が増える程に反射する光の大きさも比例して大きくなる。つまり2.5号→3号→3.5号とサイズが上がるほどに、そのフラッシングの大きさ・強さは増し、シーズンが進むにつれて回遊性が強くなるアオリイカに対し効果的なアピール要素となります。

シーズンが進むにつれサイトフィッシングの要素が薄れる秋エギングは、終盤はほぼブラインド(目でエギやアオリイカを確認せずアプローチ)で駆け引きする機会が増えます。晩秋に向かうシーズンの中でも非常にアングラーをサポートしてくれる機能となる訳です。

また、サイズ狙いで必須の水深の深いディープエリア攻略に嬉しい「ちょい速フォール」もメリット。3.5号で2.8秒/mは潮流の速いタイミングでもエギの着底の精度をサポートし、その1投の探索速度を高めてくれます。

アピールモデルだが実は…

エギ王シリーズで代々“SERACH”の名を冠するモデルの武器は、YAMASHITAのテクノロジーが凝縮された“シリーズNo.1のアピール力”。

前作まではエギ王LIVEと同ボディを使用していたことにより、「アクション」+「ラトル音」がサーチとしてのアピール要素でした。しかし、今回のエギ王SEARCHから全く独立したシリーズとなりました。その理由はストロボフィンによりヒラ打ちでフラッシングとラトル音を生み出すことで、アクションの機敏さから生み出すアピール要素ではなく、通常アクションを光や音へと還元する機構。そのためアオリイカを乗せるために必要なフォールの機能を高めるボディ設計になっています。

従来のボディはエギ王LIVEと同じくしてアクションを活かすためにノーズが細く、ボディも丸みを帯びた形状でしたが、今回のエギ王SEARCHは乗せにも長けているエギ王Kに近いメリハリのついた潮を掴みやすいボディ形状とボリュームのあるデザインを採用。

ノーズ比較

左からLIVE、SEARCH、K

ボディ比較

左からLIVE、SEARCH、K

つまり、アピール要素は光の「フラッシング」が加わったことによりさらに高められ、エギ王Kに近いボリュームのあるデザインにより、“乗せ”の効果も高められています。

アピールと乗せの「SEARCH」、アクションの「LIVE」、安定型の「K」

これにより、アピールと乗せを両立したサーチ、アクションに特化したエギ王LIVE、タフコンディション攻略モデルとしてのフォール重視の安定型エギ王Kと、よりそのシリーズ毎のカテゴライズが明確になりました。つまり、ポイントのサーチ能力の高いエギ王SEARCHは、“乗せ”の能力が高まったことにより、取りこぼしを減らし、短時間でのポイント探査能力が大幅に向上したんですね。光と音のアピールでその場の状況を把握、その後は状況によりアクションのLIVEに振るか、安定性のKに移行するか、アングラーのエギのローテーションを意志あるローテーションへと昇華させてくれる。

新たに生まれ変わったエギ王SEARCH。晩秋にも有効な機能を搭載したYAMASHITAが自信を持ってリリースする「ラトル」モデル。これからの中盤~終盤戦の秋エギングにローテーションに加えて楽しんでいただきたいと思います。

エギ王SEARCHだからこそできるアクション

通常エギは、アクションの規則性とフォールの安定性のバランスで設計されます。

そのため、エラーアクションを起こさないようにボディがデザインされるのですが、秋のエギングシーズンでアオリイカの群れに対して活性を上げたり、寄せるためであったり、春の大型シーズンでも神経質な大型イカにエギに触れさせる“きっかけ”を作るために敢えて、エラーアクションに近い素早く不規則な動きをエギに与えるテクニックがあります。

アクションのバランスを整えられているエギでバリエーションに富んだイレギュラーなアクションを演出するには、アングラーのロッドアクションの技術やロッドのパワー等様々な要素が必要となります。エギ王SEARCHももちろん、フォールとアクションのバランスにこだわった設計をされているのですが、エギ王SEARCHのアイコンとも言える機能“ストロボフィン”が、意図したイレギュラーアクションを演出する際に大きな役割を果たします。

アクション時にストロボフィンに水流の抵抗を与えて、エギにヒラを打たせて効率的にフラッシングとラトル音を発するSEARCHの機構は、鋭い連続的なシャクリ上げによって通常のエギよりもバリエーションに富んだ不規則なアクションを意図して演出できます。

このストロボフィンがあるが故、アクションとフォールの規則性と安定性のバランスはかなり困難を極めたと開発陣も話していたのですが、基本設定のバランスをしっかりと調整してくれたおかげで、通常のアクションとフィンにより強い抵抗を与えて意図的にイレギュラーなアクションを演出できるという2面性が生まれました。

広範囲を探るために自重とボリュームを増したボディ形状は、ダート系のスリムなボディではなくどちらかと言えばエギ王Kよりの水を掴む太めのボディ設計のため、イレギュラーなアクションからの潮を掴んだ安定するフォールはアクションとフォールの緩急・ギャップが大きく、秋のアオリイカに対しても非常に有効なアクションです。

潮を掴むボディ比較

左からLIVE、K

左からLIVE、SEARCH

足元で初速の速い鋭い連続したアクションで水面まで誘いあげると、追いが渋かったイカとエギとの距離が一気に詰まるシーンを何度も目にし、沖にフルキャストした底付近で、変化のある場所で狙ってイレギュラーな連続アクションを試すとエギを触るような反応が出たりと、長きにわたってプロトタイプを投げ込む中でSEARCHの持つ有効なメソッドの一つだと感じ、早く誰かに伝えたいと思いながらも言えないもどかしさに苦しんでいました(笑)

10月上旬に3.5号リリース予定

現在発売中の2.5号・3.0号に加えて10月上旬には3.5号がリリース予定。

YAMASHITAが培ってきた独自のテクノロジーが凝縮されたNewモデル エギ王SEARCH。多くの方に使っていただくことで、まだまだ新しいテクニックや使い方が出てきそうです。まだまだ暑い日が続きますが今年の秋エギング、体調に気を付けて是非楽しんでください。

出典:YouTubeチャンネル「YAMASHITA Maria」

ヤマシタ

「ヤマシタ(YAMASHITA)」は、神奈川県横浜市の老舗釣具漁具メーカー「ヤマリア」のエギング、イカ釣り、タイラバ、タコ釣りなど、海釣り用品に特化したブランド。特にエギングへの造形は深く、エギのスタンダートである「エギ王」シリーズや、「ケイムラ」カラー、「490グロー」カラーなどを送り出し、最新のテクノロジーでエギングの世界を変え続けている。