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山田ヒロヒトが考える新時代のエギングリールとは!?

連載:山田ヒロヒト「ヤマラッピワールド」
寄稿:山田ヒロヒト
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連載「ヤマラッピワールド」
山田ヒロヒトが考える
新時代のエギングリールとは!?

山田ヒロヒト (hirohito yamada) プロフィール

バックドリフト、ノーテンションソフトフォールなど、新たなエギングの扉を開き続けるエギンガー。2016年年末に、それまで23年勤めた会社を退社、2017年よりフルタイムのプロアングラーとしての活動を開始。これまで通りエギング関連アイテムの開発を続けるほか、イカ係長とフィッシングブランド「NUTS & VOLTZ」を立ち上げるなど、活躍の場を広げている。なおアオリイカの自己記録は屋久島ロケ中に捕獲した4280g。1968 年7月生まれ、大阪府出身、奈良県在住。趣味はスノボと一眼レフカメラ撮影。

最近は、各地でのフィッシングショーに参加するべく日本各地に飛びまわっていたので、なかなか、遠征してじっくりと釣りをする時間を取れないでいました。
ただ各フィッシングショーとも久々のリアル開催で、私自身、ファンの方々から熱気をもらって、やる気満々になってきています。

特に新潟フィッシングショーと西日本釣り博で行ったトークショーは常に熱気にあふれていて、エギング熱の熱さを感じました。実際、過去最高の集客を更新したそうで、エギングのプロアングラーとしては、ありがたい限りでした。

西日本釣り博のメインステージ!
満員御礼どころではない盛りあがり!
皆様、本当にありがとうございました

新潟フィッシングショーも大盛況

そんな各地のフィッシングショーもひと段落し、ガッツリとショアからの春イカを楽しむゾーと思っていた矢先に、3月4月の月夜に沖縄での仕事を入れていたことを思いだしました!
そんなわけで月夜のショアエギングができない状態に…!(まあ、自分で計画入れた訳なので仕方ないのですがね…苦笑)。

今年の潮回りから考えると、3月の月夜はまぁいいとして、今も4月の月夜は強烈に怪しい…。久々に4キロが登場するなど、大事件が続出するのでは!? と思っています。
みなさん! ぜひ狙ってみてくださいね!

さて、春は新製品も投入され、ショー同様、盛り上がってますよね!

春イカ対応の新製品としてもSTOIST ST(ストリームチューン)シリーズに、23エアリティに、イグジストのSFエメラルダス ピークタイプSと目白押し!

さて、そんな新製品たちに関することで、最近、エギンガーの方から質問が多いアイテムなのが情報解禁されたばかりの「イグジストSF(スーパーフィネス)」について。
具体的にはイグジストSFの軽さについてや、エギングで使用できるのか??? など。
せっかくなので、今回の連載ではそれらの疑問に関して、わたくし山田の見解を少々お話します(ダイワ開発の話も含めて)。

イグジストSF(スーパーフィネス)【ダイワ】

2023年6月登場予定

このイグジストSFですが、目を引くのが軽さ! 小さい番手は何と135gという軽さ!
用途的にダイワ公式からはフィネスなバス釣り、ライトSWゲーム、トラウト用としての使用が推奨されていますが、流石に、135gと言われれば、エギンガーならエギングでも使ってみたくなりますよね。

ダイワ公式 イグジストSF詳細ページはこちら

品番 巻取長
(cm/1回転)
ギア比 自重
(g)
最大ドラグ 標準巻糸量 スプール径 ハンドル長さ ハンドルノブ仕様 ベアリング 価格(¥)
ナイロン(lb-m) PE(号-m)
SF1000S-P 57 4.6 135 3.0kg 2.5-100 0.3-200 40mm 35mm HG-Iライト 11/1 102,000
SF2000SS-P 60 4.6 135 3.0kg 2.5-100 0.3-200 42mm 40mm HG-Iライト 11/1 102,000
SF2000SS-H 74 5.7 135 3.0kg 2.5-100 0.3-200 42mm 45mm HG-Iライト 11/1 102,000
SF2500SS 70 5.0 140 3.0kg 3-150 0.4-200 45mm 45mm HG-Iライト 11/1 103,000
SF2500SS-H 80 5.7 140 3.0kg 3-150 0.4-200 45mm 45mm HG-Iライト 11/1 103,000

私自身、軽さは正義だ、軽さは感度だ、と言い続けているだけあって、イグジストSFは気になる存在であるのは確か。

ちなみに開発段階や、いろんな場面で、エギングでの使用も考えられたこともありましたが、コンセプト的にライトな使用に特化した強度基準で開発されいていて、様々なエギングを完全にカバーできるまでの強度は前提とされていません。

*この製品は軽量ルアーを用いたバスフィッシング、エリアトラウト、ネイティブトラウト、ライトソルトでの限られた使用を想定した、SF(スーパーフィネス)専用機として極限性能を追求しております。そのため、SF(スーパーフィネス)に特化させた強度基準で開発しており、ご使用にはご注意ください。

出典:ダイワ公式

そうはいっても、ぶっちゃけ、どうなの? 山田は使うのか? 使わないのか? と言われると、ズバリ使います。
ただ、ダイワの開発陣によるテスト段階では、「ドラグを強く締め、魚とのやりとりを行うと、すぐにゴリ感が出る」とだけ言われています。
このことから考えるとエギングの使用には向いていない感じ…というのが正直なところです。

イグジストSFのギア

では、どういった部分で、エギング全般をカバーできるほどの強度設計となっていないのか? 説明したいと思います。
まずは、ギアです。写真を見てください。
大きいのから順番に
22イグジストPC LT2500
22イグジストLT2500S(LT2000Sと共通)
23イグジストSF2500SS

さらに注目して欲しいのが、ギアの大きさもそうですが、薄さです(↓下写真参照)。
ここまで軽量化を図ると、ドラグを強くかけたり、エギングのしゃくりを強く行った場合に、かなりのひずみがでます。
ギアの噛み合わせが悪くなることで、ギアの破損につながってきます。

 

カタログでも
「エアドライブデザイン、フルメタル(Mg製)モノコックボディ、マグシールドといったEXISTの基本性能は維持したまま、ギリギリまで追い込んでチューニングしている。ターゲットを、4lb(フロロ・ナイロン)もしくは0.6号(PE)以下のラインを用いたバス、トラウト、ライトソルトに絞り込み、徹底的にコンパクト化・軽量化。そのために一定レベルの耐久性・防水性は削ぎ落としたが、それらによって得られる対価は、いまだだれも踏み入れたことのない領域」とまで言っています。

前回、私も連載でリールについて記載しましたが、バーサタイルではないということと、完全に特化したリール、釣り人側を選ぶ道具、これが今の時代リールの行き着くところではないかと考えています。

イグジストSFはメインシャフトにしてもそう、スプールにしてもそう
とにかく、耐久性や防水性を削ぎ落としているスーパーフィネス仕様となっているというわけです。

エギングと一言で言っても、そのスタイルの幅の広さから、必要な強度はさまざまです
ガンガン大きなエギをシャクる人、ドラグをゆるくしてゆるゆるとエギを扱う人、なかなか全てを考慮した考えでは、ものづくりは難しく過剰な強度が必要となります、

この辺りの考え方は汎用リールとしてはかなり重要になってきます
お客さんはどういった使い方をするかが全くわからないからですね。

 

前回のリールの話に繋がる部分がありますが、魚種や用途別のリール! といっても、はっきりと区分けできないのも現状です。
エギングに関しても、ほんとにライトなスタイルであれば、どうか? といった視点はもっています。

ロッドで考えてもSTOIST STシリーズの73Lなんかは、ライト中のライトなエギング仕様のロッドですが、先日の長崎での釣行のように、1500gくらいのアオリイカならうまくやりとりできたりします。

そう考えると、イグジストSFもエギングでイケるんじゃないか!? ってなりますよね。その考え方は、理解できます。
しかしながら、この場合も、使う人、扱いによっては、使えるかも!? といった具合のギリギリのラインになると思います。

今までは、釣り人側がある程度のことをしても、リール側の強度で補ってきました。
そこから、リールが使い手を選ぶ、リールが使う側の釣種を選ぶ、そんな時代に入ってきたことがわかると思います。

なにか新しいことをやれば、少しの問題でクレームに繋がる時代です、このままでは新しいものが生まれてくるとは思われない。

ドラグ800g以下、フロロ4ポンド以下、PEネイティブトラウト0.6号(ドラグ負荷をかけない上での)と、いろいろと制限が出れば出るほど私はワクワクします。
イグジストSFは、テストではエギングは対象としていなかったため、私自身はテスト使用はしていませんでしたが、先ごろ、やっと現物を手にすることができたので、これから試してみようかと思います。
まずは、壊れることも想定して使用はします。ライトエギングの走りとしても、面白い試みではないかと思いますので!

イグジストSFに関しては、エギングでの使用を、私はオススメすることはしません

さて、いろいろと話してみましたが、イグジストSFに関しては、エギングでの使用を、私はオススメすることはしません。普通に考えても、壊さずに一年使用することは難しそうですからね。

それでも、この軽さを実感してみたい方は、最先端のエギングの世界を味わえるかもしれませんね。

あと、軽さを追求するという点では、SFではなく、エアリティの2000番SLPのカーボンライトハンドルを使用することで、140gくらいの軽さになります。

これはこれでとても魅力的な軽さですし、ギアの大きさや強度は2500番と変わりませんので、この組合せがエギングでは現状最軽量で安心して使用できるのではないでしょうか?

技術の進化が、リール選びをとても楽しいものにしてくれています。
リールに選んでもらえる使い手になることも、釣り人としてワクワクする遊び方なのかもしれません。

 

ヤマラッピ・最新動画情報

エギングに関する色んなテクや最新アイテムについては、YouTubeチャンネル「ヤマラッピちゃんねる」でもガンガン紹介していってますので、チェックしてもらえるとウレシイです!

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【DAIWA2023新製品】実釣シーンあり!エメラルダス STOIST STのPVロケの裏側お見せします

 

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