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今江克隆のルアーニュースクラブR「レイジー!バマスト!23年3月上旬”シン最強”鉄板ルアー2選とその使い方」の巻 第1138回

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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新谷式バマスト

それでは”シン早春最強ルアー”の2つめは何か。

これはある意味、サスペンドシャッドの究極進化パターンともいえる「ハドルスイマーエラストマー」を利用した「バマスト」こと、アラバマリグの表層直下ストーローリングだろう。

2021年初頭にはすでに密かに導入していたアラバマリグのミドストこと「バマスト」。当時はディープ~ミドル攻略の裏技だったが、新谷式は、アラバマリグ自体を浮かせてしまう「表層バマホバ」である

メジャートーナメントではルール上使えないが、ソフトで超ナチュラルにもかかわらず、サスペンドプラグに近いレンジをゆっくり時間をかけて通せて、さらに圧倒的ともいえるほどの遠距離からバスを呼び寄せてしまう自然なフラッシュと集魚波動は「残念ながら」、早春シン最強ベイトと言い切っても過言ではないと思う(ほど、自分も使いたい……)。

この「『ハドルスイマーエラストマー』のバマスト」は、ルアマガ陸王ダービー2年連続優勝の新谷健斗くんのまさに必殺技で、霞ヶ浦決戦での圧倒的スコアでの勝利は極めて印象的だった。

ルアマガ陸王ダービー2年連続優勝の新谷くん。決勝・霞ヶ浦でのバマストビッグフィッシュは衝撃的だった

おそらく現在のイマカツ・プロスタッフの中で、最もこの冬釣りまくっている新谷くん。驚異的な50cmUP捕獲率だ

彼の「『ハドルスイマーエラストマー』のバマスト」は、基本は全衛星に「コーンヘッド(ジークラック)」の0.9g、「ハドルスイマーエラストマー4インチ」、センターにベイトの大きさに応じて「ハドルスイマーエラストマー4.5インチ」をセットしたモノだ。

具(セットするワーム)のサイズは、その時その場所でバスが喰っているベイトに合わせるのが基本だが、この「新谷式バマスト」リグのキモは、重心が高いコーンヘッドを高浮力の「ハドルスイマーエラストマー」を全衛星(9本)にセットすることで、ワイヤーとジグヘッドの重さをエラストマーの浮力で相殺、重いリグながら「ホバスト」に近い感覚で表層直下をフワフワと泳がせていることに尽きる。

「新谷式バマスト」は高浮力エラストマーで重さを相殺するアラバマリグのフワフワリグ、すなわちホバストでもある

アラバマ系リグは、特にブレード式になるとワイヤー重量、ジグヘッド重量、ワーム重量が合わさって、大型ビッグベイト並みの重さになる。

もともとはその集合体ゆえの重さと浮き上がりにくさから、ディープを巻くモノとして使用されていたのが始まりだが、新谷式は全衛星に、ナチュラルでありながらブレード並のフラッシュを発揮し、同時に重さを相殺する強力な浮力も発揮する「ハドルスイマーエラストマー」を使い、表層の壁を利用したホバスト感覚でMAXクラスのビッグバスを仕留め続けている。

「新谷式バマスト」は、基本的に着水から足元まで、ゆっくり表層直下付近を泳ぐルアーをずっと目視していることがポイント。「バマスト」というよりは「バマホバ」が、その意を得ている

その表層の壁の利用の仕方は、今回公開されたYouTube動画でこれ以上ないバマストの動きと、MAXサイズのバイトシーンが完璧に収録されている。

水面の壁を利用した「新谷式バマスト」の真骨頂ともいえるバイトシーン。ロッドティップとルアーまでのラインがほとんどない状態での喰い上げモンスター

今回のYouTube動画で「新谷式バマスト」を初公開しているが、動画をよく見れば見るほど、独自のワイヤーの本数から内衛星のフック処理、さらには新谷君自身が一番のキモと明かしているセッティングのシークレットもあり、そのリギングが並ではないほど徹底的に研究されつくしていること、ただのアラバマリグではないことがよく分かる。

「新谷式バマスト」は、4本ワイヤーの9衛星リグの独特の仕様。細かい部分まで実によくセッティングされている。今回のバマスト動画はいろいろな秘密が公開されているので必見だ

バスの性質が変化!?

ひと昔前は、早春といえば小型サスペンドシャッドプラグ、大きくてもサスペンドジャークベイトが鉄板鉄則のようにいわれてきた。

しかし、近年はバスの減少と大型化により、バスの性質がカバー依存のテリトリアンから広範囲に縄張りを持つ回遊型に変化、ルアーのアプローチ方法も、固定されたピンスポットにより深くより奥に入れることより、いかにバスに遠くから自然に見つけてもらえるか?に変わったといえるだろう。

ルアーを無理やり見せるのではなく、ルアーを自然にバス自らに見つけさせるアプローチの意識改革が、現代のバスフィッシングには必要な時代になったと思う。

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