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トモ清水が立ち上げた「G-TEC」ロッドの核であるブランクス製法「MAGNUS製法」とは?

寄稿:トモ清水
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こんにちは、トモ清水です。

少し前に、私自身が2023年より「ジーテック」というブランドを始動することを正式に発表させていただいただき、ジーテックの最新情報をいくつかご紹介させていただきました!

そんな中、今回はG-TECロッドブランドの核であるブランクスの製法についてご紹介します!

『G-TECの核であるMAGNUS製法とは?』

新ブランクス製法「MAGNUS製法」採用

G-TECのロッドの心臓部であるブランクスには、新しいブランクス製法技術として、グラファイトイノベーションを施した「MAGNUSマグナス製法」を採用しています。

マグナスとは、ラテン語に由来した語句で、偉大な、巨大な、という意味があり、しばしマグナス効果として、ルアービルディングでも使われる言葉です。

G-TECは、ブランド名の通り、グラファイト(カーボン)のテクノロジーに徹底的にこだわったメーカーです。

そこで心臓部であるブランクスに、コストを惜しまず、最新の素材、テクノロジーを注ぎ込んだ、これ以上ない製法。最高上位機種にしか採用出来ない製法! それがG-TECのロッドに採用されている新製法「MAGNUS製法」です。

国産カーボン100%使用のブランクスを採用。海外製カーボン、グラス素材は一切使用しておりません。そして世界トップクラスの東レ株式会社、TORAYCA®のカーボンプリプレグを採用。

東レ第3世代の最新鋭素材「T1100G」「M40X」を取り入れいれています。この素材は、従来比+30%の引張強度を実現した新素材です。その新素材を最大限活かすための生産技術のテクノロジー、それが「MAGNUSマグナス製法」になります。

新ブランクス製法「MAGNUS製法」のコアなお話

まずロッドの設計に関しては、企業秘密なところもあり、実際には多くは公開されないのが一般的です。

しかしG-TECは、そんなロッドの核であるブランクスの設計、構造に関して、可能な範囲で少しずつ説明していきたいと考えています。今回も少しばかりコアなお話を!

さてG-TECのロッドに使われるカーボン素材は、その必要な特性に合わせ、低、中、高、超高、超々高と異なる弾性率のカーボンプリプレグをコンポジット(24t、30t、33t、40t、55t)しています。

そしてアイテム毎に求められる要素別に、異なる弾性率の比率が最適数値になるようコンピューターによる緻密な計算、設計で導いています。

なお、その設計の組み合わせは実に1万通り以上あったりします。

MAGNUS製法では、従来より低レジンの極薄のカーボンプリプレグを導入し、独自の設計でより多重にプライすることで多積層を構築し、感度、軽さはもちろん、さらなる剛性とトルクの向上による強度UPを図りました。

なので、軽いけどパワー不足、バルク不足といった現象を無くしています。

また多積層によって縦材の繊維だけでなく、横材の繊維が増え、つぶれ方向の強度を格段に向上。さらに今まで横材には、今までグラス繊維が使用されるのが一般的でしたが、生産技術が高難度のカーボン繊維を横材にも100%採用することで、グラスより強度が圧倒的に高いカーボン素材によって、従来の2倍以上もの強度UPに成功しています。

ここ最近では、縦材の繊維より横材の繊維が注目されています。

同時にグラスより軽いカーボン素材100%にすることで、軽量化も得られます。

そしてブランクス最内層には超高弾性、最外層にいくにつれて低弾性カーボンという配列で、理論上でも研究閣下上でも強度が一番高い最適設計になっているのがMAGNUS製法の特長です。

さらにここでは明かせない設計のノウハウがマグナス製法には詰まっています。

マグナス製法は、ブランクス強度も格段に向上しながら、軽量化という相反する要素も同時に高次元で実現出来る夢のような最先端の製法なんです。

しかしMAGNUS製法にもデメリットが存在し、そのデメリットとはコスト増という点。

極薄カーボンは従来のカーボンに比べ倍くらいの平米単価(1㎡のプリプレグ卸し価格)になります。
さらに従来カーボンが仮に4プライ(4巻き)した場合、従来カーボンの半分の厚さ、極薄カーボンで同じ硬さのロッドにする場合、単純計算した場合倍の8プライ(8巻き)必要となり、使用するカーボンの量も倍になってきます。

よって2×2の4倍、通常よりブランクスに遥かにコストを掛けている計算になります。

ガイド素材を変更するより、各部品を軽くするより、最も変化、進化をもたらし、アングラーが最も感じるのはやはりロッドの核、心臓部であるブランクスの変化なのです。

新素材は、カーボン繊維を繋げる接着剤的な役割をするレジン(樹脂)を、従来の汎用樹脂ではなく、#2574のナノアロイ。ナノレベルで管理された、これ以上ない樹脂が使われています。

そのナノアロイの特殊樹脂が採用された最新鋭素材「T1100G」「M40X」のプリプレグの物性として、引張強度、圧縮強度、3点曲げ強度、90°引張強度、45°剪断強度、円筒曲げ強度といった全ての強度において、10%から30%以上もの強度アップを実現しています。

特に炭素繊維トレカ®、M40XのMXシリーズ素材は、ナノレベルの炭素繊維の結晶構造を高精度に制御し、炭素結晶配向促進した「超高配向微結晶」の構造で欠陥を少なくし、高強度と高弾性率化を両立を実現した最新の新素材。

このように素材から製法まで、徹底的にこだわっているため、安いロッドが作れないというデメリットがあります。しかし企業努力で最高の材料、最高の製法ながら、かなりコストを抑えた製品がG-TECのロッドの強味。

今までになかった性能、それは持った感じのインスピレーション、使ったときの操作性、アタリがあったときの感度、魚を掛けてからのパワー。どれをとってもアングラーを必ず満足させる異次元の仕上がりを体感して頂きたいと考えています。

ロッドの表面には無駄な塗装を極力抑え、100%カーボンブランクスの性能を最大限引き出すための無塗装アンサンド処理を施しています。

そしてブランクスの最外層は、横軸のカーボンで覆い、耐衝撃性を上げ、外部からの傷や衝撃から守ります。

写真では少し分かり辛いかもしれませんが、カーボンの繊維が横に走っており、この表面がティップまで入っているか、という見た目でも、そのロッドの良し悪しが判断出来る材料となっています。

 

グリップ部のブランクスには、国産Quattro Axial Carbon(4軸カーボン)で補強。従来の縦0°、横90°に加えて、45°、135°の角度にカーボン繊維を補強し、ねじれ剛性を高めています。

さらにはルアーロッドでは、ほぼ使われない超々高弾性55t、東レのナノアロイカーボンを、このグリップ部に使い、高弾性化、高感度化、操作性を高めました。

グリップ部はキャスト時、ファイト時にねじれが発生しやすく、それがミスキャスト、フィーリングの悪さに直結します。

Quattro Axial Carbonと超々高弾性55t・ナノアロイカーボンで武装した結果、グリップ部のネジレ防止、剛性力が向上。

というわけでMAGNUS製法は、現在考えうる最高の素材と生産技術を持ったテクノロジーの結晶だと考えています。

そしてその製法を搭載したロッドがG-TECのオリジナルブランド、そしてOEMブランドから発売されていきます。ぜひ注目、手にとっていただけるとウレシイです!