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今江克隆のルアーニュースクラブR「オカッパリ&ボート両用の最高峰パワーフィネススピン誕生!『スパイダースピン611MHX』を紹介」の巻 第1128回

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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「T1100G」でキレと強靭さを両立

そして「スパイダースピン」のブランクス構成は、アワセのパワーを吸収してしまう枝や葉っぱ越しのクッションをものともせず、硬いバスの上アゴを一瞬で貫通させられる高弾性フルチューブラーのキレ(張り)あるフッキングパワーと、同時に3kg近い個体を吊るし切る、時には抜き切る強靭さを両立させるために熟成の「T1100G/33Tナノアロイ」を採用しているのは、もはやいうまでもない。

空気を吸わせたバスに一度でも下を向かれるとバレる確率は急激に上がる。2kgを軽く超えるバスをカバー越しに吊るし切れる強靭なパワーが、吊るしロッドには必要だ

特に「T1100Gナノアロイカーボンシート」の調理法に関して、国産の「カレイド」は世界最先端の経験と取り扱い技術をマスターしているといっても過言ではないと思う。

枝や葉っぱを利用して真上から音もなく忍び落とす通称「吊るし」。枝葉がクッションとなるのでアワセが弱くなり、ハンパな吊るしでバラすケースが多い。「スパイダースピン」は、それを解消している

特徴はエンドグリップ

最後に「スパイダースピン」の最も特徴的なところは、違和感すら覚えるエンドグリップの小ささにある。

これはスピニングでのピッチングを軽快かつ正確無比にするためのもので、この極小エンドグリップデザインは、劇的な取り回しのよさを実現している。

驚くべきことはエンドバランサーウェイトを使わずに、さらにこのショート&スモールグリップエンドにもかかわらず、実効レングス7フィートを担保しながら、感動的に軽い操作感を実現していることだ。

フォアグリップには「セルペンティ」初のベイト用ワインディングチェックを採用。エンドグリップ(プロト)は、とても小さくコンパクトなのが特徴

このショートグリップなのに驚くほどの軽快感と握りのパワフル感が、ヘビー級ベイトロッドに匹敵する強度を持ちながら3g程度の軽量ルアーの操作性を苦もないものにし、軽いが抵抗のあるダイビングシャッドなどの巻きモノにすら転用可能としている大きな要因である。

今年のTOP50遠賀川戦では「ジレンマ・スーパースティープ」のニーリングで大活躍した「スパイダースピン」。ベリーの腰の強さがダイビングシャッドをきっちりと潜らせ、力負けしない

ガイドセッテイング

ちなみにガイドセッティングに関しては、ビルダーである青木哲氏とビルダー経験豊富なオカッパリアングラーの2人が現場で煮詰めたセッティングで、PEラインだけでなく、太めのフロロカーボンラインの裁きにも抜群のセッティングになっている。

ガイドセッティングの善し悪しは工場任せではなく、相当にハイレベルな実釣実戦経験のあるビルダーに設置してもらってからテストし、最終的に工場にセッティング指示することは、ロッド作りにおいて非常に重要なポイントになる。

この点においても「スパイダースピン」は間違いなく、カレイド史上最高峰の船陸兼用のパワーフィネススピンに仕上がったと思う。

先日のロケでは12インチワームのオモネコでも大活躍してくれた「スパイダースピン」。強靭なロッドだがネコリグなどの操作も意外に得意

高比重ノーシンカーワームへ転用すれば、驚異的飛距離と繊細なボトムジャークも可能。かなり重量のあるルアーも軽々と操作できる

カレイド史上最高峰の船陸兼用パワーフィネススピンが完成

2020年「ハングマン」として510インチのベリーショート&タフソリッドから始まったパワーフィネススピンの開発は、トーナメントとオカッパリの両面からのテストを経て実効レングス7フィートチューブラーのショートパワーグリップ仕様として最終テストを終えた。

類稀なるスピンピッチングの容易さと、難攻不落の要塞に潜むビッグバスと互角以上に渡り合える「スパイダースピン611MHX」、木の上から音もなく水面へと忍び降りる毒グモをイメージして、ルアーを操作してみてほしい。

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