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今江克隆のルアーニュースクラブR「次世代チビ羽根モノ系ルアーの鍵!アベンタRSRフィネスの可能性」の巻 第1061回

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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「アベンタRSRフィネス」を投げてみようと、ふと思った。

先週も書いたが小潮、晴れと雨が交互する池原ダムは難しかった。

「レイジースイマー9インチ」や「アベンタ(クローラー)RSR」をどんなにガマン比べでデッドスローに動かしても全くの無反応。

逆に高速スピードでのリアクションで反射的に喰わせるしか、まともなバスを釣る方法がない状況だった。

そんな折、なんとなく「(アベンタ)RSRフィネス」を投げてみようと、ふと思った。

理由は、霞ヶ浦で使った「野良ネズミ」のタックルがめちゃくちゃ気に入っていたので、それに付けて巻いたらどんな感じかな?と思っただけ。

ほぼ、PEラインとロッドテストだ。

この「RSRフィネス」、頭が細く、尻が太い矢尻型の形状で、細身に成型した硬質樹脂ウィングが尾翼のようになっているだけに飛距離は本当にビックリするほど、まっすぐ、驚異的に飛んでくれる。

「アベンタRSRフィネス(仮称)」は、独特のS字カーブを描く上下非対称ボディ。このハイドロフォルムと後方に掛けて膨らむ逆テーパーボディが、今までのクローラーベイトにない能力を宿すことになる

しかし、デッドスローでひと通り使ってみたが20cmぐらいのチビバスが群れでつつきにくるだけ…。

ところが「あ〜ぁ、回収めんどくせ〜ぇ!」と速巻きで回収すると、この「RSRフィネス」、信じられないぐらいの速度でも全く破綻せずウルトラハイピッチで追従してくるのである。

「鬼ヤンマ」である程度その能力は知ってはいたが、その倍は高速に追従してくる。

その姿はまるで「水に落ちたセミが必死で離陸しようとする姿」のように見えた。

そして次の瞬間、驚くべきことが起きた。

長年テストして来た桐ウッドの「アベンタRSマイクロ」。極小デッドスローを極めているが、ナゼかマメバスしか釣れず…。「アベンタRSRフィネス」もデッドスローを極めるが、「鬼ヤンマクローラー」譲りの意外な性能がある

「RSRフィネス」の後ろに……

突然、どこからともなく50cmUPのスクールが沸いてきて、回収中の「RSRフィネス」の後ろを猛スピードでチェイスしてきたのである。

それらは、まったくのオープンウォーターで、全く予期できない異次元の場所から沸いてきたのである。

不意をつかれバイトは逃したが、ゲリラ雨が上がったピーカンの晴れ間の瞬間であり、およそドクリアでオープンな沖の水域でトップに出るようなお気楽な状況ではない。

「ひょっとしてRSRフィネスって速巻きがキモ???」と直感し、自分にスイッチが入ったように全力遠投し回収速度で速巻きを繰り返す。

そして緩やかなバンク沿いに投げた「RSRフィネス」を回収している時、また10数匹の群れが「RSRフィネス」の後ろに突然現れた。

ウワッと思ったが、そのまま群れは沖へで出ていってしまったので、再びその進行方向前方、ほぼ川筋ど真ん中にロングキャスト。

そのまままた回収のハイスピードで引くと群れが再びどこからともなく浮上!

「マジかー!そのまま喰うたらお前、製品化したるわー!まぁ、ないやろけど……」と意味不明な言葉を吐きながらそのまま高速巻き。

次ぎの言葉は「ウソでしょ、マジっスかー!」って絶叫仮面参上でした。

残念ながら迷いなく喰ってきたのは53cm程度の中堅バスだったが、口に掛かった「RSRフィネス」を奪おうと2匹の当確ロクマルがネットインまでずっと追いかけてきた映像は大興奮モノだった。

池原ダムで、何もない沖をスクールする大型バスを迷いなく喰わせたことで、このルアーに対する考え方が180度変わってしまった!

この後、手作りプロトの羽根を止めるネジがズコズコになってしまいテスト続行は、ジ・エンド。

しかし、ついに極小羽根モノの新たな可能性を知るには十分過ぎる出来事だった。

ということで、ルアーと約束してしまったんで、製品化に向けて本気でテストすることに決定。

今まで「デカ羽根モノのキモ=デッドスロー」と頭から思い込んでいたが、「チビ羽根モノのキモ=ハイパーピッチ&ハイスピード」が鍵かもしれない……。

今後、徹底的に突き詰めたいと思います。

デカ羽根モノは、スーパーデッドスロークロールがキモだが、小さくスリムなフィネス羽根モノは、真逆の破綻しないスーパーハイスピードクロール対応能力が、デカバスを反応させるキモかもしれない……

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