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バラさないバーブレスフック「トラスティンBL35」誕生。バーブ有りとバーブ無しのリスクとバーブレスの必要性

連載:加来 匠レオン「ライトゲームマニア」
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ライトソルトで使われる市販プラグの100%近くはカエシ付き(バーブ)のトレブルフックが付いています。

まあ掛けた魚は誰しも逃がし(バラし)たくないのでカエシが着いているのは当然なのですが、問題はバーブ有りとバーブ無しでの本当のリスクです。特にバーブレスのリスクは「バレやすい(抜けやすい)」と周知されているのですが、逆にバーブ付きのリスクがあまり理解されていません。

レオン 加来 匠(Kaku Takumi) プロフィール

加来匠(かく たくみ) 中国&四国エリアをホームグラウンドとし、メバルやアジ、根魚全般の釣りを得意とする生粋のソルトライトリガー。レオンというのはネットでのハンドルネームとして使い始めたが、いつの間にか、ニックネームとして定着。ワインドダートやSWベイトフィネスなどを世に広めた張本人、新たなスタイルを常に模索中! 「大人の遊びを追求するフィッシングギアを提供する」ことを目的としたプライベートプロダクション「インクスレーベル」代表もつとめる。

 

バーブ付きのリスク

これは魚種によるところも大きいのですが、たとえばメバルに限定して考えると、バーブ有りとバーブ無しで較べるとキャッチ率は正直な話、実はどちらも似たようなものなのです。もっとも頻繁にあるケースで述べると、バーブ付きは刺さってしまえば確かにキャッチ率は高いのですが、刺さらないケースが多々ある事が見過ごされています。

 

あ、当たったのに乗らなかった!という、メバルプラッギングでは良くある現象です。その原因は、高確率でフックが深く刺さらなかったあるいは刺さり損ねた事から起きています。

これは皆さん一度自分で実験してみて下さい。バーブ付きとバーブレスの双方を用意し、雑誌の表紙など少し厚手の紙に刺してみて下さい。バーブ付きは必ずカエシのところで止まり、そこからグッと力を入れるとようやくプスッと音を立てて貫通します。一方バーブレスの方はと言うと、音も無くスッと根元まで貫通します。

さてココで思い出してみましょう。プラグでメバルを釣って“やったー”と堤防へ抜き上げて置いた途端にぽろっとフックが外れた事は有りませんか?

実はこれ、バーブが骨に当たって貫通していない事から起きる現象です。当たったのに乗らなかった場合でも、実はバーブが邪魔して貫通していなかったと言うケースが多いのです。この辺がジグヘッドなどのシングルフックと違って、トレブルフックは針先が三つあり、かつスプリットリングが介在しているので力点の方向が安定せず、合わせ時のモーメントが真っ直ぐ針先に向かず貫通しにくい構造なのです。

 

気づいたのは15年前…

僕がこの事(特にプラッギングで)に最初に気づかされたのは約15年前。

闇磯ですが、尺を楽に超える大型メバルが数居るポイントを発掘し(この時はすべてジグヘッドで釣った)、こりゃあ良い場所見つけたってんで雑誌のメバルプラッギングロケに行ったのですが、うっすらと見えるシモリ際へプラグを打ち込んで水面直下をリトリーブすると、一投目から鋭く硬いカツっというバイト。しかし乗らず。ここで一応フックチェック。何とも無し。そして投じた二投目も三投目もまったく同じ感じで乗らず。

さすがにいぶかしんだ僕は場所を休めるついでにタックルボックスを置いてあるベースへ戻り、明るいライトの下でつぶさにフックをチェックしてみると、なんと、よく見たら前後共に三つずつあるフックポイントのほとんどがわずかに開いてしまっていたのです。つまり大型磯メバルの口が異常に硬いため針先が貫通せず、歯か骨に当たって乗っかっているだけの状態のまま一瞬にしてゲイブを伸ばされていたのです。

フックにはそれなりに弾力があるので、伸びて外れた後元へ戻るので曖昧なチェックでは気付かなかったという痛い経験でした。

まあいつも小魚ベイトばかり狙っている大型の磯メバルが、シモリの下から超速で真上に突き上げてきて一瞬でターンをする喰い方をするというレアケースでもあるのですが、ぼくはこの日以来、活性が低い際のいわゆる本来のショートバイトと高活性時のショートバイトもどきとの違いにとても気を配る事になりました。そしてフックのサイズと線径とゲイブ形状の研究も…。

 

経験から生まれた念願のバーブレスフック

さておき、様々な場面においてバーブレスの数あるメリットを自らも改めて享受すべく、今回インクスレーベルにて【トラスティンBL35】を完成させました。

INX.LABEL公式「TRUSTIN BL35」詳細ページはこちら

太からず細からずの中軸ワイヤーにフッ素コートを施したこのバーブレストレブルは、軽い力でしっかりゲイブの奥まで刺さるのでよほどテンションを抜かない限りファイト中にバレることはほとんどありません。

 

その辺の実際が気になる方は、フック開発工程で一生懸命テストしてくれたINXフィールドスタッフの佐藤宏樹。それから、そもそもこの12年ジグヘッドもトレブルフックもバーブレスしか使わないINXインストラクターの知久正二三と僕の三人で、バーブレスの実際についてWebミーティングしましたので是非そちらもご覧下さいな^^

バーブレスフックって実際どうよ【トラスティンBL35スタッフミーティング】

出典:YouTubeチャンネル「INXテレビ」