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小森 嗣彦 メガバスの2021年NEWルアー「KARASHI IGX」の開発について語る

寄稿:小森 嗣彦
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みなさんこんにちは。小森嗣彦です。

今回は私が開発に携わらせていただいたプラグで、2021年メガバスから登場する「KARASHI IGX」について、少しご紹介したいと思います

メガバス公式「KARASHI IGX」詳細ページはこちら

小森 嗣彦(Tsuguhiko Komori ) プロフィール

JBのトーナメンターとして、同協会の最高峰TOP50プロシリーズを戦うトーナメントプロ。年間チャンピオン3回(最多)TOP50優勝6回(最多)2008年にはJBスーパーバスクラシックを制覇、2012、2018にはBasserAllstarClassicを制している。シーズンの合間には琵琶湖、桧原湖、北浦、亀山ダムでガイドも行っている。論理的考え方でバスフィッシングとトーナメントを攻略する。1974年生まれ兵庫県神戸市出身、千葉県在住。

 

KRASHI IGXの開発について

クリアウォーターのリザーバーや桧原湖、野尻湖などのスモールマウス、河口湖などのワカサギレイクなど、様々なトーナメントフィールドにおいて、最近はi字系ルアーでの釣果が上位陣の口から語られることが多くあります。

水面、あるいは水面直下を静かに直線的に泳がせてバスを誘うi字アクション。逃げ惑うベイトフィシュを演出するダートアクションではなく、なぜこの釣りが昨今のフィールドで有効なのか、まずはこの釣りを理解することから開発は始まりました。

 

小魚(ベイトフィッシュ)の存在がキー

水中で捕食される難を逃れ、水面近くに逃げ道を見出したベイトフィッシュは、残された僅かな体力で迫るバス達に気づかれないように静かに泳いでいます。

バスの狩場から速やかに離れるための直線的な移動と、体力を温存するための最低限な動き、そして最後の力を振り絞って逃げ切るために体のバランスを保とうとしているのです。

しかしバスにとっては、その動きこそが格好の標的となることを本能的に知っており、見つけてしまえば直線的な動きはとらえやすいので、あとは捕食のタイミングを探すだけとなります。ボートが走り回るようなハイプレッシャー下でベイトフィッシュを追いかけまわすことが難しいときなどは、正にこのチャンスのみをバスが待っているのかもしれません。

水面直下のi字引という釣法には、このような水中のドラマが隠されています。

 

KARASHI IGXに求めたもの

私がi字ルアーに求めるのは、まずこの「フィッシュイーターの本能を刺激するアクション」です。水を切り直線的に動いているようでありながら、左右のバランスを保つために発生する最低限の微妙な波動が大切だと思っています。

今回のi字モデルは、メガバス最新のハイドロダイナミクスが生み出した独特なキールヘッドで、優れた直進性能を発揮しつつ、リトリーブ速度の僅かな変化に対し、あたかも船の揺れ戻しを抑制するかのような、ボディの姿勢変化を補正する微細な波動アクションを発生させます。

 

ただ、ゆっくりと引くだけで幻惑の引き波が生まれるのです。そして、使い手であるアングラーがコンディションに合わせてリーリングスピードを変えることで、思いのように操作ができるレスポンスの良さも備えています。

その中でも私がこだわったのはボディ左右のフラット面を若干強調したことです。これにより左右への揺らぎから生まれる微波動をより広範囲の魚に感じさせる上、バイトのチャンスを逃すことができないとフィッシュイーターに焦りを直観させる生命感を与えてくます。

 

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