GOSENのスゴさ、〝ハッシー〟に聞いてみた
フィッシングラインメーカーのGOSEN。
そのGOSENフィールドスタッフである〝ハッシー〟こと橋本広基さんは、三重県を中心にショアのライトゲームからオフショアまでこなすマルチアングラー。
とても気さくな人柄で、こちらの質問にも分かりやすく論理的に答えてくれます。
さて、GOSENは昨年〝原点回帰〟を意味するPEラインROOTS(ルーツ)の誕生を発表。昨夏に第一弾として「ROOTS PE ×4」をリリース。そして今春にはROOTS PE ×8が登場する。
ROOTS PE ×4はすでに好評を得ていて、8本組の ×8を待ち望んでいる方も多いと思う。
ゴーセン公式ROOTS特設サイトはこちら
ところで、「フィッシングライン」は、なかなかテキスト上ではその良し悪しが伝わりにくい。しかしながらラインというのは、当然例えば切れてしまえば釣り自体が成立しない重要なパーツ。
そんなこともあり、実際問題として低価格なラインを敬遠するアングラーも一定数いると思う。
そんな中でGOSENのラインは低価格で高品質なモノを出し続けている。
果たしてその秘密は?
前置きが長くなってしまいましたが、そこで「気さくな人柄」の橋本さんに聞いてみたのであります(笑)。
「ズバリ、GOSENのラインってなぜあのスペシャリティーが生まれるのですか?」
そして、返ってきた答えが以下。やはり、分かりやすく、論理的だったのです。
GOSENのモノ創りの秘密、そしてROOTSについて。以下、〝ハッシー節〟をご覧ください。
自信を持ってオススメできるGOSENライン
皆さん、釣りを楽しんでいますか~。先日の健康診断で血液検査良好、体重マイナス6キロ、腹囲マイナス10センチと200km/月のランニングでアラフォーだけど体はアラサー状態に戻ったハッシーこと橋本広基です。
さて、そんな話はさておき、私が長年愛用しているGOSENライン。先日も昨年夏の発売当初から好評を得ている「ROOTS PE×4」の使用感などをご紹介させて頂きました。
初期性能が維持される安定した品質は自信を持って皆様にオススメできます。
また、2021年春には待望の「ROOTS PE×8」が発売され、私が使用した感想としては、さらにその性能がグレードアップしていると感じています。
しかし、これはあくまでも私の主観的な感想になります。もちろん引張強度など数値での表示が可能な部分もありますが、全てを定量的に評価することは難しく、「数値が良い=求めるライン」であるかにも疑問があります。
それは私達、釣人がラインに求める性質が非常に複雑であるからです。それは、狙うターゲットやスタイル、使用感やラインに掛ける費用などにも違いがあるからでしょう。それでも私が自信を持って、皆様にGOSENラインをオススメできることには、私が素晴らしいと思う以上に、その品質や性能に裏付けがあるからです。
一貫製造システムを有するGOSEN
その大きな理由が、GOSENの特徴でもある日本国内に自社工場を持ち、全ての製造工程を社内で手掛けることが出来る「一貫製造システム」にあります。
これは世界的にも非常に評価が高い、「日本のものづくり技術」の集結であり、これぞまさに「ジャパンクオリティー」。このようなシステムは、日本国内はもとより世界でもあまり例がありません。
では、一貫製造システムとは何か?という部分を、PEラインの製造を例に簡単にご説明したいと思います。
PEラインの製造工程は大きく分けて以下のように分類でき、それぞれの工程において、ラインの性能や性質にどのような関係性があるかもご紹介しておきましょう。
①原糸加工(ラインスペックや性質を決める調整)
②原糸(超高分子ポリエチレン繊維の束)を4本や8本に編込む(ラインの強度、感度、耐摩耗性、色落ち)
③着色、コーティング(耐久性、耐摩耗性、ハリやコシ、視認性など)
④品質管理、検査(品質の安定=信頼感)
この全ての工程をトータルで行えるのがGOSENです。
一貫製造システムのメリット
では、「一貫製造システム」におけるメリットについても考えてみましょう。
一般的には、スピード、品質管理、コスト、技術力の構築に優位性があると言われています。
まずは、スピード。
自社内で全ての製造が完結するため、工程間での社外調整がなくなり、製作納期の短縮が図れます。ただ、この部分については、釣具店で商品を買う私達にとっては、メリットを肌で感じる機会は少ないと思います。
ただし、このスピード感は品質管理に深く関連します。
私達に直結する部分としては、各工程が社内で行われているため、工程間を跨いだ情報や問題、ものづくりに対するマインドの共有がスムーズに行えるスピード感。
これは統一された基準や環境(国際規格ISO14001取得)、考え方の中、安定した信頼性の高い商品が供給される品質管理(国際規格ISO9001取得)につながります。
また、これがコストパフォーマンスにもつながります。
外注業者との調整やマージンなど、無駄な費用が発生せず設備や商品開発にも注力することができるコスト。
そして、このようなメリットは、私達消費者には非常に嬉しい、高い次元での「コストパフォーマンス」を実現するための重要な要素といえ、GOSENはこれを実現できる体制が構築されているのです。
そして、最後に触れておきたいのが高い技術力です。
GOSENの製品は、釣糸だけでなく、スポーツ、自動車、医療、建築と様々な分野で用いられ、テニス、バトミントンのラケット用ガットの分野では、世界トップクラスの生産量を誇っています。
これは、日進月歩で変化していく世の中の技術変化を常にリードし、消費者のニーズに答え続けてきた、企業のマインドと技術力の証でしょう。また、このように多面的な商品開発は釣糸を始めとする他の製品においてもシナジー効果を生みだします。
また、ものづくりを行えるGOSENは、研究開発の場面でも非常に強みとなり、高い計測技術やデータ化は元より、研究者や消費者、フィールドテスターだけでなく、製造現場からの意見やアイデアを取り入れた形での、計画・実行・評価・改善のPDCAサイクルを自社内で全て回せます。
これは生産管理や品質管理だけでなく、高い技術力を構築していく上では、大きなアドバンテージといえるでしょう。『アイデアから夢の1本へ』長年、それを追い求めてきたのがGOSENです。
GOSENとの出会い
私はGOSENとの出会いを今でも忘れません。
ルアーフィシングを始めた当時、リールに新品のラインを巻き込んで挑んだ、シーバスフィッシング。一心不乱に銀ピカの大きな魚体を求め、私の夢は、リールから「バフッ」とぐちゃぐちゃに飛び出したライン、ラインがガイドに絡まり「パチンッ」と遥か彼方に飛んでいったルアー(涙)。
その都度、夢は儚く砕け散りました。楽しいはずの釣りが、苦悩の日々へと変わり、幾度と心が折れそうになりました。
そんな時、初心者の私に最高の1匹と快適な釣りライフを提供してくれたのが、「剛戦X」でした。爽やかな水色が印象的なラインは価格もリーズナブルでトラブルも少なく非常に優秀。
当時は釣糸に関する知識などほとんどありませんでしたが、それからは次々とターゲットを釣り上げ、ルアーフィシングにどっぷりハマりこみました。私の釣りライフは、1本のPEラインとの出会いで、苦悩から感動へと大きく変わっていったのです。
そして、今回、冒頭でも紹介しました、新PEライン『ROOTS』シリーズが登場しました。糸は長年の歴史とテクノロジーの集結であり、PEラインは登場から多くの釣りシーンに変革を起こしてきました。
しかし、感度、強度に加え、ハリ、コシ、しなやかさといった使用感、耐摩耗性、耐久性といった性能に関しても、原糸の編込み方などの製造方法で大きくその性質は左右されます。
多くの釣人が求める究極のライン『海中からの細かい情報を伝達し、強く瞬発的なアワセやトルクフルな引きにも切れず、細くて見えやすくて長持ちする』そして、何より釣りの原点とも言える『快適に楽しめる』これを忘れてはいけません。
このベストバランスを追求したのが、今回の「ROOTS」です。しかも、ライン号数や用途に合わせて、最適な設計を追求し、それぞれに糸質が調整されているというのだから驚きだ。しかし、これがGOSENの歴史。1951年の創業から70年。職人の拘り、培われた確かな技術とノウハウ、そして環境があるからこそ実現できる匠の技と言えよう。
『糸のスペシャリスト』が作ったライン。「ROOTS」に注目だ!
昨年登場したROOTS PEx4に加えROOTS PEx8が2021年4月に登場。また「ROOTS」シリーズに待望のフロロカーボンリーダー「ROOTS FCリーダー」も6月に登場する。
GOSEN公式ROOTS特設サイトはこちら