ルアーフィッシングのトピックをこまめにお届けする釣りの総合ニュースサイト

LureNews.TV YouTube Channel

【伊東由樹のメガトレンド最前線!】2020年生まれ変わるNEWデストロイヤーの全貌を直撃インタビュー【第一回】

連載:伊東由樹「メガトレンド最前線!」
  • X
  • Facebook
  • Line
  • はてなブックマーク

テーマ:伊東由樹のタックルデザインの内側に迫る
YUKI ITO‘S INSIDE OF TACKLE DESIGN

ルアー「I-WING」と新機軸モバイルロッドの「トライザ」による同時受賞で、アウトドアスポーツ分野の日本人として史上初となる、世界で最も権威と歴史あるデザインアワード、IF(国際フォーラム)デザインアワードウィナーとして3年連続受賞を成し遂げたメガバス代表伊東由樹氏。

稀代の鬼斬り師「YUKI ITO」の世界観が生み出すスーパーバスロッド「新生デストロイヤー」、そのデザイニングの起源やロジックなど内側について伺いました。

伊東由樹(YUKI ITO ) プロフィール

30数年にわたり世界各地のメディアで驚異的釣果を叩きだしてきた伝説のカリスマアングラー。 アーロン・マーティンスをはじめ、数々のトッププロを育て上げ、エドウィン・エヴァース、クリス・ザルディン擁するトーナメントプロチーム「メガバスSTW」の初代監督を務め、3度目のバスマスタークラシック制覇とAOY(アングラーオブザイヤー)獲得に貢献。 米国法人MEGABASS of America Inc.初代CEOを務めた。現アイティオーエンジニアリング・フィッシングアドバンスドテクノロジー最高技術顧問。 ㈶ジャパングッドデザインアワードでは、200作品を超えるアワード受賞作品をプロデュースするフィッシング/スポーツ用品カテゴリー最多受賞デザイナー。 国際的に最も権威と歴史あるIFデザインアワード(ドイツ・ハノーバー)では、日本人初の快挙となる2018-20年連続受賞デザイナーとして、メガバス、アピア、I×I(アイバイアイ)をはじめ、数々のフィッシングブランドの名作を手掛けている。 メガバス㈱グループ創業者。

 

フィッシングショー大阪2020では、あのデストロイヤーが、およそ四半世紀の時を経てまったく新しい概念から誕生したブランニューロッドとして衝撃のデビューを飾りました。1996年にデビューして以来、日本のバスロッドを象徴する名作として歴史を刻んできたロッドが、“BRAND NEW”されるということは、これまでになかったことかと思います。あえてデストロイヤーブランドで新たなチャレンジをする理由について教えてください。

デストロイヤーは、常に「破壊者」でした。

1986年に私が最初に手掛けたメガバスロッド、「ARMS」のDNAを受け継ぎ、これまでのバスロッドの既成概念を破壊、既存のロッドテクノロジーの破壊、これまでのバスフィッシングを破壊し、新たなバスフィッシングをコアなアングラーたちと創造をすることが、「破壊者」たる由縁です。「創造」するチカラがあるからこそ、「破壊」もできる、ともいえます。

未来を切り拓く新たなロッドテクノロジーとしても、2019年にアイティオーエンジニアリングの試作部門が主導した「プロジェクトLAIHA」から、続々と新技術が考案され導入されています。

デストロイヤーがデビューしてからいよいよ四半世紀を迎えて、新たな破壊者が、これまでの破壊者が成し遂げてきたものと、未だ成し遂げていなかった夢の領域も含めた両方を凌駕すべく、満を持して未知のロッドテクノロジーを解放する時が来たのです。実績や栄光のネームバリューにさえ満足せず、あえてこれまでの歴史に「挑戦」することも、デストロイヤーらしい創造的な破壊活動です。

 

伊東さんのデザインには常々「破壊」というキーワードが登場しますが、言わせていただければ、今現在十分に機能している設計なりテクノロジーなりを破壊してしまうのはもったいないとも感じていました。今のお話で伊東さんのなかにある「破壊」の真意について理解できたような気がします。

私が考える「破壊」は、「創造」と一体です。

これまでの概念や実績をぶち壊したグラウンドゼロから、新たな世界へと踏み出す第一歩がはじまります。2020年、新たな破壊王を生み出した私のライバルは、‘96年に最初の破壊王を生み出した伊東由樹であり、さらに遡って‘86年に最初のバスロッド「ARMS」を生み出した、当時の自分自身です。

過去の創造主と対峙することは、実はとても勇気がいる行為です。なぜなら、それは、私にとって自己否定にもなりかねないからです。なお、過去の実績にしがみつくのは、人としてとても自然な行為です。いまの自分を保持し構成する上で重要な矜持(プライド)だからです。なのに、あえてそれを破壊する勇気が抱けるかどうか、でした。

一時代を築き上げ、成功した生産物を生み出した自己のプライドと功績について、新たな自分が新たなチカラで打ち砕き、マーケットで賞賛されてきたこれまでの実績を凌駕する、あえてゼロからの挑戦をすることが真の「創造」です。もはや、生き様(ざま)のようなものかもしれず、‘86年にメガバスをスタートアップした時と同じ、ARMSを作り上げた青臭い感情と同じものかもしれません。

 

1 / 3
次へ