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【カッカッカッ…の謎が解ける】真鯛の捕食のメカニズムとアタリ方、そしてタックルについて。

連載:ジャッカルソルト
寄稿:田中 亜衣
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皆さん、こんにちは♪ 田中亜衣です。

今さらですが、鯛ラバのアタリは「カッカッカッ…」と独特ですよね。
アタリの強さは、もはや掛かっているかのようで、初めて鯛ラバゲームをした釣り人は早合せになっちゃうほど。

鯛ラバのアタリって何で「カッカッカッ…」と小刻みなんだろ?
他の魚はどちらかというと一発で「ゴンッ!」て感じが多いのにね。

今回はね、その独特のアタリについてのメカニズムを少し深く掘り下げながらフックセッティングの話なんかもしていきたいと思います。

田中 亜衣(Ai Tanaka) プロフィール

ジャッカルSALTプロスタッフ。タイラバのエキスパートとして知られるアングラーで、どんな状況にも対応する柔軟なタイラバスタイルを確立している。 物腰の柔らかいトークと雰囲気とは裏腹な、完全な理論派アングラー。 また2021年春から、遊漁船「FxF KIX”(エフバイエフ キックス)」をスタート! キャプテンとして大阪湾南部から和歌山エリアの様々な釣り・スタイルを案内してくれている!

 

真鯛の捕食スタイルについて

魚は、種類によって捕食の仕方に特徴があります。

 

青物は歯が無いので、イワシなどのベイトを捕食するとき、そのスピードを生かしベイトの前方に回り込み大きな口を開けて頭から吸い込むスタイルをとります。 もし尻尾から食べちゃったら…ヒレやエラが喉で引っかかって呼吸ができなくなり、命を落とす恐れもあるもんね。

で、根魚などは唇にざらついた細かな歯があります。 でもその歯は獲物を傷つけるというよりは、吸い込んだ獲物に逃げられないようにするための滑り止めの役割で、やっぱり吸い込む系の捕食行動。

このように捕食スタイルは違えど、青物や根魚は獲物を吸い込むという点が同じで、ルアーにバイトしてきた時にルアー(フック)が口の中に入る確率が高い捕食をする魚なんです。

一方で真鯛はというと…。
青物や根魚のように「バイトと同時にフックが口の中に入りやすい」というものではなく、鋭い歯と強靭な顎で噛み砕きながら首を振り、餌をバラバラに千切って口の中に送り込む捕食行動というのが一般的。

 

そう、「餌を殺してから食べる」という捕食スタイル。

これは、餌が喉で暴れたり、飲み込むのに失敗して呼吸困難で死に至ることを避けるためでもあり、自然界では比較的メジャーな捕食方法です。

つまり、必要以上に口を開けずに獲物の中央付近を押さえ込み、食べやすいように細かくしてから食べるため、口の中にルアー(フック)が入りにくい傾向に。

丸っこい魚体で体の割に小さな口の真鯛、実はイワシなどのベイトフィッシュを追うの、それほど上手くないのかもしれませんね。

 

ベイトにより捕食の仕方が異なる

そんな真鯛も、イワシやイカなどを追うようになると捕食体制も変わり口を大きく開けて獲物を押さえ込むようになります。

鯛ラバゲームをやってて、イワシを捕食している真鯛のアタリってどんなのか知ってます? 活性の低いときの「コツコツ」といった軽くて小さなアタリとは対称的で「ガンガン」と荒々しく、いかにも逃げ足の速いイワシを必死で追ってバイトしたような感じ。

こうなると、口を大きく開けて逃げ足の速いイワシを捕らえて噛み千切る捕食スタイルになっています。

したがって、イワシやイカなどを追う真鯛は”口の中にフックが入りやすい”というところから、大きなフックでガツンと合わせても口の中の柔らかい部分にフッキングできる確率は普段より高くなります。

 

このように、同じ真鯛でもベイトと活性で「食べ方」が全く違います。

・イワシやイカなどを捕食している真鯛
・エビやゴカイ類、貝などの追いやすく食べやすいエサを捕食している真鯛

という感じ。

 

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