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様々なフィールドに通いこんで分かる「レイクごとのバスの癖」…そしてバスフィッシングに終わりはないと知る

寄稿:津輕 辰彦
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2014 H-1マスターズカップで優勝!ノリーズプロスタッフとしてスカウトされるきっかけに!

2014年から私がフル参戦しているH-1グランプリでは、レギュラー戦で年間5か所のレイクをトレイルします。

ボートキャパシティの問題で、この5か所は固定されており、新利根川・牛久沼・亀山ダム・津久井湖・相模湖を毎年訪れています。

私の場合、H-1のプラクティスと試合で、前述した5か所のレイクの他に、不定期で募集しているスピナーベイト道場やメディア取材で高滝ダムや印旛沼、将監川や片倉ダムなどに行くことが多いです。

※スピナーベイト道場についてはこちらをどうぞ!

スピナーベイト道場の門下生を募集します

同じマディシャローレイクでもバスの癖が違う

2017年春のこと。

私は雑誌の連載の取材で3月末の牛久沼を訪れていました。

牛久沼の春の風物詩である「クリスタルS祭り」を再現し、牛久の名物であるコンディションの良い「豚バス」をキャッチしようと意気込んでいました。

2日間を実釣に宛てましたが、残念ながら2日ともノーバイト。

3日目には地元の旧友をバックシートに乗せて、プライベートで出船しました。

春の牛久沼は天気が荒れやすく、全体的に浅くその名の通り沼地である牛久沼は強風が続くと土煙を巻き上げて濁ってしまいます。

強風ザブザブの牛久沼。もしかするとチャンスかも…!?

3日目の夕方にもそのような天候になってしまい、ノーバイトのまま3日間が終わろうとしていた時、牛久沼のロコである先輩が私の噂を聞きつけ、アドバイスをくれました。

「ウインディサイドのシャローがチャンスだよ!行っておいで!」

私は耳を疑いました。

風当たりの良いシャローが良いのはセオリー通りかと思いますが、ゲキ荒れで砂煙舞うウインディサイドがチャンスだとは、普通は思いません。

しかし、アドバイス通りに勧められたスポットへ行くと、私のクリスタルSに3日目にして初めてのバイト!

その直後にバックシートの友人がジャスト50cmほどのまさしく豚バスをキャッチ!

3日目にして友人がキャッチ。これぞ豚バス!

私はこの時、3日間ノーフィッシュだったことよりも、自分が20年以上続けてきたバスフィッシングにおいて、常識だと思っていたことが崩れたことに大きな衝撃を受けました。

なぜなら、同じようなマディシャローレイクである霞水系や印旛沼では、砂煙が舞うような荒れ方をしているエリアではロクにバイトを得たことがなかったからです。

同じような水の色をしているレイクでも、ベイトやカバーやベジテーションの種類によって、レイクごとにバスが好む状況が違うのだと思い知ったのでした。

リアクションが異様に効果的なレイク

高滝ダムで開催された2014年のH-1グランプリマスターズカップで優勝したことでノリーズプロスタッフ入りを果たした私ですが、高滝ダムは学生時代にレンタルボートフィッシングを覚えたレイクであり、早稲田大学時代に高滝ダムで開催された3回の学釣連関東支部の大会で2度の優勝と1度の準優勝を果たした相性の良いレイクでもあります。

高滝ダムのコンディションの特徴として、「バスのポピュレーションが極めて大きく、餌(メインはワカサギ)の量も極めて多い」ことが挙げられます。

これはつまり、「バスが餌を見慣れており、その気になればいつでも捕食できる」状態であることに加え、「バスにとって普通に泳ぐワカサギは空気のような存在である」とも言えます。

とどのつまり、「餌が多すぎるが故、バスの食性に訴えかけてバイトを取るのが難しい」ということです。

H-1マスターズカップ2014の図。会心の試合でした!

このことに既に学生時代に気づいていた私は、H-1マスターズカップではボトムに堆積した枝にインザベイトを故意に引っ掛けてハングオフすることでバイトを重ねていきました。

ルアーにも餌にも見慣れたバスを釣るために、リアクション要素が不可欠。

結果、唯一のリミットメイカーとなり、H-1マスターズカップを優勝、さらにはノリーズプロスタッフとして声をかけていただくきっかけとなりました。

ところがその時のハングオフテクニックを様々なレイクで試していますが、5年経った今も未だに満足いく釣果を挙げたことがありません…!

バスフィッシングに終わりはないのだと思い知りました。