ルアーフィッシングのトピックをこまめにお届けする釣りの総合ニュースサイト

LureNews.TV YouTube Channel

【沈ませる為の浮く設計】シャローレンジを自由に泳ぐ“浮くS字スラローム系ルアー”の開発秘話

公開日:
文:池田 篤哉
  • X
  • Facebook
  • Line
  • はてなブックマーク

こんにちは。アクアウェーブテスター兼開発の「池田 篤哉」です。

のど元過ぎれば何とやら…と、早いもので暑い夏も終わり、暦の上では季節は秋となりました。釣り人にとってはこれからが色んな魚の活性が上がり気持ちが熱くなる釣りハイシーズンとなってきましたね。そんな中、秋にハイシーズンを迎える魚種の1つ、シーバスゲームに合わせてアクアウェーブシーバスルアー第5弾、今まで発売の正統派ルアー達と比べ、少し異才を放つルアー「クー・シー80F」が発売となります。

今回はこのルアーのご紹介を少しさせていただければと思います。

Cu-Sith80F(クー・シー80F)【アクアウェーブ】

食べ頃サイズ80mmで14gに設定。

フラットサイドが特徴的で小さなサイズ感なのに、大きなアピールを放つS字スラローム系ルアーです。フラットサイドの…S字スラローム系ルアー。まあ…アレですよね? 自分で言うのもなんですが異才と紹介しながら、その手のルアーって近年よく聞く系統のルアーで正直「今更何を言っているの?」って感じですよね。

80mm / 14g

アクアウェーブ公式「クー・シー80F」詳細ページはこちら

しかし、この「クー・シー80F」には、分かり易く少し変わった特長があります。

名前の最後に付くアルファベットの“F”。このFが何かと言いますとそう、F=フローティングなんです。本来、S字スラローム系ルアーの王道と言うとほとんどがシンキングで、大きく分けるとシンキングペンシルのカテゴリーに分類されるモノが大半。使い易さや汎用性、更に飛距離を求めれば自ずとシンキングに設定が振れるのですが、このルアーはそこには属さず、同じ様に大きく分けるならフローティングミノーの分類に。

何故?王道のシンキングにしなかったのか?

では、何故に王道のシンキングにしなかったのか?

近年、一筋縄ではいかなくなったスレたシーバスに対し、スラロームアクションと言うのは、一つの手札として欠かせないアクションになりました。私自身も使用することが多くなったのですが、色々なシチュエーションで使えば使うほどに、フローティングの必要性を感じるシーンが多くなりました。

流れのゆるいシャローエリアや、ストラクチャーや明暗の奥への流し込み他、シンキングでは決して狙えないデッドスロー域での表層レンジへの誘い出し等。そもそもこの手のルアーにとんでもなく深いレンジの攻略なんて求める事はほぼ無く、大体メインとなるスイムレンジは平均1m以内。なら、「フローティングミノーのように、シャローレンジでもっと自由度の高い、スラロームアクションのルアーがあれば…」とそんな思いで作ったのがこのルアーです。 潜行レンジは0〜40cm。いわゆるシーバスルアーの激戦区と言われるレンジで、それだけHIT率も高く、狙って面白いレンジになります。

フローティングにしたもう1つの理由

更にもう1つ、フローティングにした大きな理由は“沈ませる為”。

浮かしたモノをワザワザ沈ませる? 最初からシンキングに作れば良かったのでは? いえいえフローティングにしたそもそもの理由が“沈ませる為に浮かした”のです。沈ませると言うと語弊があるかも知れませんが、狙うエリアが広いシーバスに対し、足場の高さや流れの強弱、塩分濃度やシーバスの活性の違いなど、狙う状況により、シビアにルアーをアジャストさせる為、チューニングできる様にしたかったのです。

最初から沈んでいると、ボディに穴を開けて中のウエイトでも抜かない限り、2度と浮かすことはできません。しかし、浮いているモノはアングラー側の意図で、フックサイズを上げたり鉛ステッカーを貼るなど…意図的に好きな沈下速度に沈めれます。

要はシンキングのモノはフローティングとして扱う事は出来ませんが、フローティングのモノはある程度シンキング仕様にして扱うことができてしまうのです。

当然、チューンせず、そのまま使用しても能力を活かした中で、限りなく100点の泳ぎになる様に作りました。100点に作ってあえて99点にしました。

ルアーは使い手自身でエリアや状況に合わせてチューンして100点にする。それが本来のルアーフィッシングという遊びの面白さの1つでもあります。状況に合わせたチューンができる、完全淡水でも浮く浮力1点を残し99点に。モチロン、そう言ったチューンをしても、泳ぎが変わらずバランスが取れる様に作りました。

ちなみに私が良く行うチューンは、フックサイズを一つ大きくし、フロントアイの前に鉛ステッカー0.5〜1gを貼り、サスペンドか超スローフローティングくらいに調整して、水中ステイ気味に漂わすように狙います。活性が低い時やスレたシーバスにはこの微妙な浮力調整が攻略のカギになる事が多いです。

飛距離最優先のご時世に固定重心にした理由

そしてもう1つの大きな特長…。

それは、飛距離最優先のこのご時世に“あえての固定重心”。

逆に言えば飛距離以上に能力、つまりアクションを優先しました。必要以上のギミックは動きの不安定感に繋がり、動きの要所要所に少しずつぎこちなさとして表れます。

その少しのぎこちなさが1尾の釣果に如実に現れてきます。そんなエラーをできる限り排除して、ルアーの基本性能を上げる為に、そしてピンポイントでも初動から正確な動き出しで、間違い無いバイトを生む為にあえての固定重心にしました。

ただし、だからと言って決して飛びにストレスを感じるルアーではありません。大型ウエイトをボディ後方に配置した事で、動き出しの良さと安定した飛距離を両立しました。ぶっ飛ぶと言う過大評価はしません。ただ、飛ばないと過小評価もしません。能力を活かせる中で必要最低限の飛距離は確保しました。

何より一番大切な〇〇なルアーにしました

そして最後に、それより何より一番大切な事。

それは“見て、使って、ワクワクする”ルアーにしました。タダ巻きでの艶めかしいS字スラローム他、細かくトゥイッチすると水面下で180°ターンをし、速巻きでは水面にS字波紋を残しながら滑走するなど、多彩なアクション。チューンと同様、使い方も釣り人次第。まあコレはここで言うより、使って頂くのが一番。

水中アクション①:ショートジャーク

水中アクション②:エスケープアクション

「クー・シー80F」は泥臭せぇ釣りが好きな、百戦錬磨の生粋のシーバスマンにこそ使っていただきたいルアー。是非、ボックスにお供していただけると幸いです。

この記事を書いた人

池田 篤哉(Atsuya Ikeda ) プロフィール

詳細情報・関連記事はこちら
  • X
  • Facebook
  • Instagram
  • Threads
釣りの総合ニュースサイト「LureNewsR(ルアーニュース アール)」