もうひとつのレイグリット。HC=ヒラマサキャスティング
gamakatsuが現在開発中のオフショアキャスティングロッド「ラグゼ レイグリット」。
その現物(プロト)が多くのアングラーの目に触れたのは、フィッシングショーOSAKAだっただろうか。レイグリットは大きく分けて2つにカテゴライズされる。ひとつはレイグリットTC。「TC」が表すのはツナキャスティング。その名の通りツナ(マグロ)類やGTなどを想定したロッド。
もうひとつ双璧をなす存在として開発が進められているのがHC。ここまでくればピンとくる!? そう、「ラグゼ レイグリットHC」はヒラマサキャスティングに特化したモデルとして誕生する。
そんな気になるHC、そのテスト釣行の模様が公開されている(撮影は2025年春)。
レイグリットHCのコンセプト

オフショアキャスティングにおいて「無風」は、時としてアングラーに絶望感すら抱かせるタフな状況だ。今回のテスト釣行も、そんな厳しいコンディションから幕を開けた。
しかし、そんな状況下だからこそ、新たに開発が進められている「レイグリットHC」の真価が浮き彫りになる。

テストにはラグゼ・フィールドスタッフの弘瀬伸洋さん。まずは8ft3in・8号クラスのプロトモデルを手に、無風の海へとルアーを放つ。キャストウェイトの下限60gから上限140gを想定して作られたこのロッドで、ルアーをキャスト。その素直な使用感を次のように語っている。

「こんな無風の絶望的な感じでも、これだけ飛んだら全然ありだよね。飛距離さえ出ていれば、気分良く釣りができる。土俵に立てる感じが出ないと、攻めきれないからね」
釣れない時間帯、風のない時間帯に「いかにモチベーションを保ち、投げ続けられるか」。これはヒラマサキャスティングにおいて釣果を分ける重要なファクターだ。レイグリットHCは、その圧倒的な飛距離と軽快感で、アングラーを力強くサポートしてくれる仕上がりを見せている。

開発を担当する阿部さんは、今回追加されるレイグリットHCシリーズは、大きく分けて6号クラスと8号クラスの全5機種がラインナップされる予定だと述べている。

レングスは、8ft3inをベースに、ショートで力強い8ft、そして遠投に特化した8ft9inまで幅広くテストされているという。

レイグリットHCの核となるコンセプトは以下の通りだ。
ひとつは「曲げて獲る」こと。 レイグリットシリーズの持ち味である、魚をかけてからしっかり曲がり込んでファイトを助ける要素はそのままにキープ。
が、弘瀬さんは開発コンセプトだけを聞いた時は、やはり一抹の不安があったそうだ。曲がり込むロッド、それはつまり飛距離面でディスアドバンテージをもたらすのではないかと思ったからだ。

しかし、実際にキャストしてみると「不思議なほどによく飛ぶ」という印象を受けたそうだ。その秘密は、ブランクスの素材と構造にある。
開発陣は、あえて高弾性寄りのカーボン素材を採用。高弾性素材特有の「張り」を活かすことで、シャープな振り抜けと驚異的な飛距離を生み出した。
一方で、高弾性ロッドにつきまとう「折れやすさ」への懸念については、ブランクスを極めて肉厚に巻き上げることで克服。レイグリットならではの「しっかり曲がる調子」に仕上げることで、局所的な負荷を逃がし、ブランクス本来の反発力で重いルアーを弾き飛ばす構造へと昇華させている。

しかし、ブランクス全体としては「細い」という。8号クラスのパワーを持ちながら、見た目は従来の6号クラスに迫るスリムさ。これにより振り抜けが格段に向上し、向かい風(アゲインスト)の状況下でも快適なキャストを可能にしている。当然1日中キャストを繰り返しても疲労を感じさせない軽さと、ルアーを思い通りに操れる操作性が同居する。
実際に映像内でも、船の近くでの強烈なバイトに対し、ロッドの追従性を活かしてラインやフックを労わりながら、見事に良型のヒラマサをキャッチするシーンが収められている。
自己記録更新を目指す、すべてのアングラーへ

開発中の「ラグゼ レイグリットHC」が、単なるパワーロッドではなく、アングラーの感覚に寄り添い、過酷なオフショアゲームを一日中サポートしてくれる「相棒」として着実に仕上がってきていることが伝わってくる。
初心者にとっての頼れる最初の1本として、あるいはエキスパートが自己記録(レコードフィッシュ)を本気で狙いに行くための勝負ロッドとして。
正式なスペックや発売時期の発表はもう少し先になりそうだが、ヒラマサキャスティングゲームに新たな風を吹き込むであろうレイグリットHCの動向から、今後も目が離せない。




















































