今江克隆のルアーニュースクラブR「小さいけど実は大きな話と大きくてさらにとても大きい話」 第1247回
遠賀川の状況
TOP50第3戦の会場である遠賀川(福岡県)のあまりの釣れなさに7日間の予定を1日延長し8日間のプリプラを終了した。
第2戦の小野湖では初日19名ものノーフィッシュを記録したが、すでに7月に入るや否やから猛烈な暑さとなった遠賀川は、このまま下手をすれば同レベルの極めて厳しい試合になりそうな練習だった。
広大な小野湖に比べ、ほぼ全域護岸、直線的で単純長方形ともいえる遠賀川は、ライブスコープ、360メガの登場で水中の小岩まで完全に丸裸になってしまっており、プレッシャーの比では小野湖を完全に上回っているだろう。
練習では、梅雨の影響が残った前半数日こそは、テストがてら使ってみたプロトのワームで、狙い通りアフターのバスを意外に簡単に釣ることが出来たが、その後の一気に35度近い猛暑晴天となってからは23度の水温が一気に31度超えに急上昇、3日間連続のボーズという霞ヶ浦も真っ青なリアルデスリバーへと変貌した。
危険な猛暑となった練習中盤は、それこそ真剣に釣りに行ってノーバイト3日連続と、激熱さと疲れで心折れかける厳しい練習となった。
正直、前半の釣果は梅雨明けの大雨の影響が明白で、無風の晴天猛暑となってからは明らかにバスのモードがデスモードへと変わっていた。
明白なサマーパターンエリアには選手が鈴なりで、上流の堰周辺、橋脚、遠賀名物インビジブルストラクチャーも要所要所に選手が貼り付き、ベストスポットほど順繰りに皆が叩き合っている状況となっていた。
釣れなくなれば釣れなくなるほど、より絶対的ベストスポットに選手が貼り付く現象をいかに打開するか、それが今回の鍵になる気がした。
そこで思い切って「全て逆狙い」で常識のシーズナルパターンを捨て去り、非常識?もしくは「やりたくないな…」と思うようなめんどくさいことを敢えてやってみることにした。
この考え方の「逆張り」が今回の練習で唯一手応えを得られたヒントだった。
決して安定感などサラサラなかったが、さほど平均サイズの大きくない遠賀川で50cmに絡むビッグバスをかなりの高確率で着くスポットがおぼろげながら見えた気がした。
真っ暗闇に思えた練習で掴んだ一筋の光は、小野湖戦同様「釣れれば確実にデカいが、出会えるチャンスは1日あって1~3回」という、またしても恐怖の綱渡りパターンである。
ただ釣れれば物凄くコンディションのよい50cm前後、結局今回テーマとして8日間意識して探したキーパーサイズはまたしても1尾も釣れなかった。
またしても小野湖戦同様、デカバスもキーパーもどちらを釣るのも難易度は同じなら狙うしかないという、なんともまた精神崩壊と常に背中合わせの恐ろしい練習結果となった。
第2戦で開幕の大失態を帳消しにしたにもかかわらず、今回も確実にキーパーを釣る方法がどう頑張っても見つけられなかった。
昔から「俺は一か八かでデカバスを狙うぜっ!」てのは、自分は見えていない証と思っているし、釣れなかった時の言い訳、防御線を張ってるようなものと思っている。
どんな状況でも確実にキーパーを仕留める能力を持ってこそ、勝負強さ、ひいてはプロとしての本当の強さに繋がることを幾度も痛感してきたからだ。
残された公式練習2日間、今回は勝つために何としても「キーパー25cmを確実に1日1本釣るパターン」のみを必死で探したいと思う。
ジャバロンハード150マンバ
さて、TOP50はキーパー1尾が運命を変える価値を持つ舞台だが、一般的には自分もやはりキーパーより1日1本のクオリティビッグバス優先だ。
日陰がほぼ皆無に等しい危険な暑さの遠賀川で七転八倒している間、各地でアフター回復のサマーパターンが本格化している。
このところ、灼熱で有名な旧吉野川では亀井プロが「ジャバロンハード150マンバ」でいい釣りを続けている。
「ジャバロンハード」は、もう20年も前、イマカツからリリースされた超多関節型の元祖とも言えるスネークアクションビッグベイトだ。
ルアマガ黒帯DVDのバカラック編では、イマカツ社員の渡辺がロケ中に数投でとんでもない12lbバスを「ジャバロンハード」で釣ってしまい大ヒンシュクを買ったことで知られる。
今でこそ10lbオーバーは特に珍しくもなくなったが、当時はロケ隊全員がドン引きするほど、バカラックと言えどなかなか釣れないサイズだっ
たのだ。
10lbすら釣れなかった自分は、これにムカついて帰国後2週間後にまたルアマガ引き連れてバカラックに再撮に行くという、今では考えられない暴挙を引き起こした事件でもあった。
あれから20年の月日を経て、「ジャバロンハード」は「ジャバロンハードマンバ(ジャバマンバ)」としてサイズアップして今月末に再デビューが決まった。
マンバは世界最速の蛇と知られる通り、「ジャバマンバ」は超高速巻きからデッドスティッキング、さらにはドリフティングにも対応する設計にバージョンアップされている。
今回、亀井プロはオーバーハングに「ジャバマンバ」をドリフトで流し込みながら軽いトウィッチで喰わせるという技を見せてくれている。
実際の使い方とヒットシーンはInstagramで、そのテクニックを実際に見られるので参考にしてみてください。
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また「ジャバマンバ」に関しては、藤川ハルトプロが東条湖で爆釣動画の撮影に成功しているので、リリースタイミングに合わせて動画公開するので必見です。
ある意味、「ジャバマンバ」は難しい操作は不要で、誰にも一番簡単に使えるかなりオートマチックな、ワームチックな動きをするビッグベイトです。
釣れなかったら足元の壁で延々グルグル竿先で回してても釣れちゃいますので(笑)。
軽い回し心地なので楽勝です。
バスワーム
「ジャバロンハードマンバ」もベストシーズンが始まったが、同時に今季大注目の三原屋謹製「バスワーム(結局最終名バスワームになりました笑)」が、そのポテンシャルを強烈に発揮し始めている。
イマカツスタッフに先行して量産プロトをリリースし始めたが、すぐにテラコバサーから釣果報告が届いた。
テラコバサーも「バスワーム」の必殺水面ヨコヨコメソッドに早速気づいたようだが、この「バスワーム」、ヨコヨコでの安定性は間違いなくかつてのヨコヨコワームの名作「ジャーキーJ」を凌いでいる。
表裏同型でないため左右でセッティング位置が変わるのだが、「バスワーム」の良い所は結構雑にセッティングしてもヨコヨコの安定感が大ブレしないところにある。
特にSG-1(比重1設定)のモデルは、さらにイージーにヨコヨコ岩盤攻めができるのが最強のメリットにあるだろう。
今回テラコバサーは、なんとあの超プレッシャー激クリアレイクの生野銀山湖でも「バスワーム」のヨコヨコが有効であることを証明してくれた。
写真を見た時、一瞬、琵琶湖湖北か?と勘違いしたのだが、今後、湖北の岩礁帯ではめちゃヤバいワームになりそうな予感がした。
ちなみに「バスワーム」は来月リリースが予定されているが、タイミングよく、その詳しい実戦取説が「三原節」にて本日20時(9日水曜日)からプレミア公開されることになった。
ロケ場所は大阪の一級河川「淀川」なのだが、ちょっとオカッパリでは滅多に見られない巨バス連打になっており、バス喰いバスに対する「バスワーム」の威力の凄さを目の当たりにできる。
この実釣ロケで三原プロは、「バスワーム」をダウンショットリグとネコリグで使って巨バスを仕留めている。
ダウンショットもドデカダウンショットでビックリなのだが、今江的にはこのデカワームをヨコヨコとはまた違ったネコリグセッティングで釣っていたことに興味がある。
物凄いパワーネコリグ、パワーダウンショットになることは間違いなく、リグセッティングはもちろんだが、タックルセッティング、動かし方等、今回の三原節は非常に新鮮で必見の内容だ。
まもなくリリースされる三原プロ2025年最大のデカバス専門勝負ルアー「バスワーム」を是非、三原節で学習しておきたい。
激セコリグの最新事情