「持論を否定せよ」振り返りが無ければ進歩もない。あらたな提案のために挑む創造的破壊、「ディスラプション」。
ロッドができるまでの道筋をイチから見直し、全部一切既成概念を捨てて、最高のモノをつくるためにゼロベースで有無によるメリットとデメリットを照らし合わせる。従来ロッドの概念を覆す、“特定のルアー分野”への特化コンセプト。
2025モデルはトップウォーター&シャロークランクベイトをターゲットに開発。
今回は、秦拓馬さんプロデュースのトップウォーターモデル「ディスラプション TOP WATER C68-Type1」について詳しく解説していきます。

秦 拓馬(Hata Takuma) プロフィール
ディスラプション TOP WATER C68-Type1【シマノ】
シマノ公式「ディスラプション TOP WATER C68-Type1」」詳細ページはこちら
品番 | 全長(ft.) | 全長(m) | 継ぎ方式 | テーパー | 継数(本) | 仕舞寸法(cm) | 自重(g) | 先径(mm) | ルアーウェイト(g) | 適合ラインナイロン・フロロ(lb) | 適合ラインPE(号) | グリップ長(mm) | グリップタイプ | リールシートタイプ | カーボン含有率(%) | 本体価格(円) |
TOP WATER C68-Type1 | 6’8″ | 2.03 | グリップジョイント | R | 2 | 174.3 | 100 | 2 | 7-28 | 8-16 | MAX 3 | 235 | カーボンモノコック | DOWNLOCK | 98.4 | 66,000円 |
ベーシックサイズであるトップウォータープラグを操るための硬質なティップを備えたレギュラーテーパーアクション。ルアーウェイトを受け止める低反発素材をベリー、曲げ込めば無段階に押し出す力が増す高反発素材をバットに。狙ったポイントに押し込むために、飛距離とキャスト精度を高める材料配置を選択。着水後のファーストアクションからキレの良いアクションを生み出す硬質なティップはエキサイトトップにて実現し、高次元な飛距離と操作性を獲得しています。
90-110mmペンシルベイトにフォーカスした「TOPWATER C68 Type1」
トップウォータープラグは操作系とリトリーブ系が混在していますが、そのなかでディスラプションがフォーカスしたのは、操作系の代表格であるペンシルベイト。国内外で最もベーシックなサイズとされる14g前後のトップウォーターを快適に扱えるロッドをType1とカテゴライズし、狙ったポイントへ確実にルアーを撃ち込める飛距離、アクションの多くをアングラーのインプットに依存するペンシルベイトを的確に泳がせる操作性を、いかにして高めていくかを検討したとのこと。
ロッドの調子は飛距離だけでなく、ルアーの操作性にも大きく影響する部分となります。つぶれとネジレを抑えるカーボンテープの横繊維、調子を司る縦繊維。ロッドの構造は常に「縦と横の配置関係」にあり、トップウォーターロッドとしてベストな操作性を得るにはどのような繊維配置で、どのような調子を作ればよいのか。
調子の分析に際する大きなテーマは、ティップ先端が軟らかく無段階に曲がり込む「し」の字調子と、ティップ先端を硬質に仕上げ、曲がり込んだのちスナップのように押し出す「へ」の字調子のどちらがよいのかという点。
テストにて検証したところ、「し」の字調子は曲がりが非常に綺麗な反面で細かい操作がティップに吸収されてしまい、アクションのレスポンスは今ひとつ。飛距離においても思ったほど伸びませんでした。逆に「へ」の字調子は機敏なアクションを付けやすく、キャスト時も硬質のティップがリリース直前にルアーを押し込むためか、とりわけ10〜14gの軽量トップウォータープラグでは「し」の字ティップよりも飛距離が出るという結果を得られました。
指先の爪のように先端に硬度と重量を意図的に設けることで、振動感知性能と操作レスポンスを高めることが可能になっています。
グリップエンドに高密度ラバーコルクを採用
また、「ディスラプション TOP WATER C68-Type1」では、高密度のラバーコルクをグリップエンドに搭載。その理由は、世界のビッグフィッシュと対峙するフリースタイルロッドであるからです。アマゾンに生息する巨大なフィッシュイーターのファーストランは強烈で、ルアーを吸い込むやいなや一気に走り、ロッドエンドを跳ね上げ、ヒジに受ける衝撃の強さは、実際に経験した人でなければ理解できません。ビッグフィッシュと渡り合うためには、快適性も不可欠となっています。

急激なロッドエンドの跳ね上がりからヒジへの衝撃を緩和する高密度ラバーコルクをグリップエンドに採用。ビッグフィッシュと真っ向勝負を挑むための快適装備となっている。
テスターインプレッション
[TOPWATER C68 Type1]
僕がペンシルベイト用ロッドに求める条件とは、狙った場所へ気持ちよく遠投できて、掛けた魚をしっかりキャッチできるパワーと粘りを備えていること。そのうえで自分が思ったようにルアーを操作できることです。ペンシルベイトは釣り人側が操作しないと動かないルアーですから、特に操作性は重要ですね。僕はペンシルベイトを“楽器”だと思っているんです。操作する中でどのように水を絡めるかによって音色が変わるんです。水を散らしたり纏わせたり、掻き回してみたり、柔らかく水を持ち上げてみたり。水の膜を自在に操ることって、不要に水を切りすぎるロッドだと難しいんですね。その点、ディスラプションTOPWATER C68 Type1の調子は絶妙です。硬めのティップが細かいアクションをレスポンスよくルアーに伝えてくれるので緻密な操作が可能。またキャスト時もリリース直前にティップがルアーを押してくれるのか遠投が効くし、その距離感もつかみやすい。ディスラプションTOPWATER C68 Type1はよく飛び、ルアーへの水の絡みを自在に表現できるロッドですね。
出典:シマノ公式HP
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