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今江克隆のルアーニュースクラブR「魅せるバストーナメント!観て楽しむバストーナメントの新しいカタチ!BASS FISHING LIVE〜BMCトーナメント第3戦をLIVE解説〜」の巻 第1201回

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バスフィッシングの競技性、スポーツ的要素

バスフィッシングは、その釣りの本質、すなわち「餌(エサ)」とはかけ離れた「人工物」を人為的に操作するプロセス次第で大きな個人差がつくことから、運的要素が他の釣りより低いため、競技性がとても高い釣りである。

ゆえにバスフィッシングは、釣りの中でも特に「トーナメント」と呼ばれるスポーツ的要素を持つ競技とは切っても切れない関係にある。

だが、他のスポーツとの決定的な違いが、一たび競技が始まれば、どこで誰が何をやっていたのかは結果や、後に公開されるビデオや写真等でしか分からないという部分が、バスフィッシングのスポーツ競技化の最大の難点だった。

特にプロスポーツ競技とは基本、その卓越した技術を一般の観客が生で観て、興奮し、応援して楽しむ要素が絶対条件である。

日本で本格的な全国規模のトーナメントが始まってすでに40年にもなるが、プロトーナメントの最大の課題こそが「生で観て楽しめるトーナメント」だと、自分は常々思ってきた。

そして、ようやくその最大の課題に一筋の光明を感じる試金石となる企画が、この週末開催され、微力ながら全力で初めて「解説者」としての立場で協力することになった。

その企画が、読売テレビ放送スポーツ局の若手社員と業界有志が中心となり、バストーナメントの本格ライブ配信を行う「BASS FISHING LIVE by rtv」である。

過去、U-30トーナメントのライブ配信を企画したことで知っている方もいると思うが、今回はBasser allstar classicと同じ日本最大スケールの全霞ヶ浦水系、利根川水系を舞台に、フルサイズバスボートによるBMCトーナメント第3戦に密着配信するという、まさに本格トーナメントライブ配信であり、その成否が今後のバストーナメントという存在を大きく左右する可能性を秘めた企画でもあった。

今回は、AOY獲得賞金300万円、優勝賞金100万円というBMCトーナメントシリーズで、現在、首位独走状態のTOP50プロ小森(嗣彦)選手、先のTOP50霞ヶ浦戦準優勝の江尻(悠真)選手、BMC開幕戦優勝の河野(正彦)選手、霞ヶ浦をベースにするTOP50最年少サラブレッド加藤(栄樹)選手の4名に、密着9時間、2日間、実にのべ18時間途切れのない連続配信となった。

密着9時間、2日間、のべ18時間をライブ配信

スタジオ解説を担当してくれたのは、11年ぶり再会の彼方茜香さんとBasser編集長の佐々木氏。ぶっつけ本番にもかかわらず、阿吽の呼吸で難なく18時間連続で楽しく解説し続けることができました

内容に関しては、2日間18時間のフルアーカイブ再生が、BFLのYouTubeチャンネルで何時でも視聴できるので、興味ある方はぜひ、見てほしいと思うが、3連休にもかからず初日朝8時にはすでにリアルタイム視聴者が1,000人を超え、その夜にはYouTubeアーカイブ再生が3万回越え、2日目序盤からはリアルタイム視聴2,000人超をキープし続ける、バス釣りライブ配信としては大変な盛り上がりとなった。

霞ヶ浦全域と、大阪の読売テレビ放送スタジオを中継で繋いで、2日間18時間に及ぶ実釣ライブ配信。2,000人以上のリアルタイム視聴を記録したこの企画は、観て楽しむバストーナメントの新しいカタチだ

釣れない霞ヶ浦のバスボート戦、そして決して今年まで決してメジャーとはいえなかったBMCトーナメントにもかかわらず、歴戦の強者に気鋭の若手が挑むという構成に、2,000人もの観客がずっと見続けている状況は、驚きを隠せないものがあった。

霞ヶ浦BMCトーナメント第3戦は、年間レーストップを独走する小森プロに、若手プロがストップをかけるられるか、注目の一戦となった

予想をはるかに超える反響

正直なところ、超人気選手が集結するオールスタークラシックでもなく、ある面、一般アングラーには最も縁遠い霞ヶ浦のローカルトーナメント戦で、この反響は予想をはるかに超えるものだった。

初日の倍近いリアルタイム視聴数は、続きを見たい人たちと、「面白いわ~、このトーナメント!」という口コミが広がったおかげだろう。

トーナメントは、魅せ方次第で「観戦スポーツ競技」としてとても魅力的なものであることが、図らずしも証明できた形となった。

それは配信後、バス釣りを知らない読売テレビ放送のスポーツ局長、部長から「バストーナメントが、こんなに面白いものとは知らなかった」というお褒めの言葉を頂けたことにも表れていた。

バスフィッシングを全く知らない人が見ても楽しめ、長時間でも興味を持って見続けられる映像配信、これこそが自分がかつて思い描いた「魅せるトーナメント」の未来予想図だと確信できるものでもあった。

初日驚異の4kg越えをマークしたK-POP松村プロと、BPS郡司プロ。郡司プロは驚愕の2本で4kg越え。利根川を含む霞ヶ浦全域戦のポテンシャルの高さを、改めて証明した

見どころ

今回の配信の見どころは沢山あるが、初日は同じスポット、同じ釣り方でバッティングした優勝の江尻プロ、河野プロの緊張感あふれる精神戦、メンタルバトルの面白さだろう。

エリア選択もルアー選択も完璧だった唯一のAWAY参戦の河野プロ。浮く「ダンベルクラブ・エラストマー」で早々にキッカーサイズを仕留め、優勝争いになるかと思われたのだが…

非情なまでに河野プロをブロックしながら釣り続ける江尻プロに、バチバチの試合経験の浅い河野が気圧される様子は、これぞ「水上のメンタル格闘技」といった緊張感があった。

タッチの差で2日間とも花室川最上流に先行され、完璧なブロックで得意のサイトフィッシングを封じられてしまった河野プロ。次々とバスを仕留める江尻プロを後ろから呆然と眺めるしかなかった

花室川上流での江尻プロとのメンタル戦に敗れ、本湖勝負に出た河野プロ。選択したルアー、エリア選択も完璧だっただけにサイドバイサイドで江尻プロとゴリゴリに勝負してほしかった

また、加藤栄樹プロの、もうその距離からでは帰着にどう見ても間に合わないんじゃないの???って、スタジオ解説者全員がハラハラ焦りまくるほどの超絶ギリギリまでの粘りには、今後の伸びしろの大きさと高速バスボートのすごさを感じさせられた。

まさかコレ以上奥へは進めないだろう…と、誰もが思っていた次の瞬間、薮の中から熊のようにバスボートがにゅっと出てきたときはスタジオ全員が度肝を抜かれた。霞のツワモノ今泉く~ん、恐るべし…

さらにTOP50若手強豪プロ達の想像を絶するアドベンチャースピリット、巨大なバスボートで座礁上等、カメ上等で後退不能なジャングルのような水路を果敢に攻めまくる根性には、自分がいかに老いたかを痛感させられる現実を見せつけられた。

コアングラー部門の助演男優賞受賞は加藤栄樹プロのペアの若者でした。今江的にはアマゾンでのジャングルクルーズを思い出す悲惨な名場面でした。カメを一切恐れない若いバスプロ、恐るべし…

ルアーもエリアも釣り方も、ほぼ河野プロと同じだった江尻プロ。サイト能力で上回る河野プロを警戒し、河野プロの先行を終始完璧にブロックした試合巧者振り、メンタル勝負の強さが光った優勝だった

今回、江尻プロが花室川最上流でサイトで1,500gを含むグッドサイズを連発させていた「野良ネズミミニ(カラーはカヤネズミ)」。霞水系での「野良ネズミ」の威力は、今も健在だった

江尻プロのバックシートで、優勝に貢献する1,300gを花室川で仕留めた相野谷選手。「ジャバロン110」のノーシンカーリグをしっかり画面にアピールしてくれました

小森プロの凄み LIVE配信の課題

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