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【開発スタッフが語る】O.S.P「コト玉」のユニット、ネクタイ、アシストライン&フックへの拘り

寄稿:麻生 雅之
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タイラバ入門

皆さんこんにちは! O.S.P開発チームの“麻生 雅之”です。

今回は引き続き第2部。前回の記事をまだご覧になられていない方は、以下をチェックしていただいてから、今回の内容にお進みください。

【開発スタッフが語る】O.S.P初となる音を発するタイラバ「コト玉」のヘッドに対する拘りとは?

麻生 雅之(Masayuki Aso) プロフィール

O.S.P開発&広報。 幼少期から釣りに慣れ親しみ、東京水産大学を卒業後、広告会社を経てO.S.Pへ入社。バスフィッシングでは利根川をホームフィールドとしており、TBCにも参戦中。他SWルアーゲームにおいては、タイラバゲーム、シーバスゲーム、フラットフィッシュゲーム、ロックフィッシュゲーム、タチウオゲームなどなど...幅広い分野に精通するマルチアングラー。

②ネクタイを簡単&スピーディーに交換できる「O.S.Pマルチユニット」

という訳で、今回は「O.S.Pマルチユニット」についての内容。

コレは“岡元健二”船長のタイラバキャリアから生み出された、ユーザビリティー満点のユニットになります。

既存タイラバのデメリットの1つに、ネクタイの交換が大変という要素が。他メーカーさんもアイディアと性能面で、良いユニットをリリースしていますが、“岡元健二”船長の提案はシンプルで明快でした。

ネクタイが簡単に、素早く交換できるユニットが欲しい」と。

そのため、形状はここがこうなってて、あれがこうなってて、とイメージもある状態でした。まずは“岡元健二”船長の企画を形にしてみようと、開発チームの志田が即加工! まずは実現できるかどうか? ですが、いとも簡単に試作品が完成。

初期マルチユニット

「確かにコレ…良い感じだねぇ。」と、開発チームは盛り上がって“岡元健二”船長に見てもらうために持っていくと、「うぉ~、これこれ。出来上がるの、すごい早いね! すごいね志田ックス!」と言っていただけました。あくまでも形状確認でしたが、1stプロトからイメージに近い物だったみたいで良かったです。

フィールドテストを重ねては試作

ここからはフィールドで使い込み、ディテールの詰めになっていきます。まずは、試作品を使っていると、ネクタイがズレるとか、ユニット自体が潮になびかないで変な方向を向いた状態でロックしてしまうなど…色々と発見があります。

ネクタイがズレやすいという点は、歪さの影響もあるのですが、そこら辺も計算した図面に修正したり。ユニットが潮になびかず違和感がある為、ユニット部分に可動域を与えフレキシブルになるように、#1.5のスプリットリンングを装着したり。

スプリットリングに抵抗があるというアングラーも居るとは思いますが、リーダーでシッカリ結び締め込めばズレることもないです。ユニット自体コンパクトにしたかったので、小さめかつ高強度のスプリットリングを採用しています。

ユニットが進化していく過程の中期プロト

スプリットリングではなく、Oリングの選択肢もありましたが、Oリングとの成型は生産効率が悪すぎるという。製品単価に乗っかってくるので、コスト意識もしながら落とし込んでいきます。

ユニットのストッパーリングも上下方向に可動させてみよう、脱落しづらい且つシッカリ固定できるように、回転しないようにしてみよう…など、細かい部分まで突き詰めた結果、試作品も完全なものが仕上がりました。

最終形態。試作品は樹脂の半割れ状態のものを接着しています。

後は工場側の頑張りで、やはり1番の苦戦箇所は樹脂パーツの精度問題でした。絶妙なクリアランスで、ネクタイをホールドしたりするので、設計図はその微妙な加減まで反映しているものなのですが、成型されると形状がいびつに。あとはバリなども。

そこら辺も当初から想定はしており、金型をどう煮詰めていくのか? 話し合っていたので、何回か金型の調整は行いましたが、結果的にイイ感じの仕上がりに。

金型でできたユニット。金属パーツも一体成型しており、強度も耐久性もGood!

③アクションロスを無くす設計の「アシストフック&ネクタイ」

タイラバでも釣れる物と中々釣れない物があり、色んな理由がある中の1つとして、ネクタイとアシストラインのバランスが良いか悪いかも関係してくるトコロがあります。

どういうことか? イラストを見てください。潮流を受けてネクタイがなびきますが、オレンジのネクタイとアシストラインが絡まずお互い干渉しない、もしくは干渉してもネクタイのなびき具合を殺さない、というのがバランスが良いと言えます。

色んなネクタイやアシストライン+フックのセットが世の中にあり、無限の組み合わせが存在すると思います。ただ、バランスが悪いとアシストラインにネクタイが絡まってなびいていない。なんてことが発生する訳です。なのでO.S.Pでは、まずアシストラインとフックを確定させて、それに応じたネクタイをデザインしていくことに。

アシストライン+フックについて

アシストライン+フックも色んなパーツがあり、重要パーツだと思います。“岡元健二”船長のアドバイスで、マダイは掛けるよりもノセる。バイトがあっても反転するまで待ち、フッキングしてもラインの角度を変えない。など、掛ける動作と掛けた後もバレないようにする動作があります。慣れるまではやっぱり難しいw。

で、多くのタイラバアングラーをガイドしてきている“岡元健二”船長のオススメできる仕様が“段差ツイン”。

理想的な掛かり方としては、マダイがネクタイにじゃれついて啄み、アシストラインの短い方の針が口の中に掛かり、長い方の針は口の周囲に外から掛かる2点掛かり。

スタンダードの長さで2cm&8cm、ショートタイプで2cm&6cm。

この2タイプ展開予定。まず、スタンダードからラインナップを開始することにしました。針はハイグレード線材とフッ素コート仕様の小磯です。

ネクタイについて

アシストライン+フックが決まり、今度はネクタイに着手。

東京湾に絞って言うと、コンパクトでありながら、シッカリとなびく強波動タイプの釣果が◎なので、細身ながらも適度な厚みを備えた“フィネスWカーリー”と、アピールを若干抑えた“フィネスストレートカーリー”。後はタフッた時でも追って食ってくる、周期の異なるなびきを再現してくれる“アシンメトリーカーリー”。

フィネスWカーリー

フィネスストレートカーリー

アシンメトリーカーリー

この3タイプがあれば、タイラバはできる! ということで、リリースすることにしました。形状でアクションも全然変わってきますし、マダイの反応も異なるので、アクションにおける軸はブレないながら無限のバリエーションがあると感じています。

モチロン、O.S.Pではシッカリと実釣テストを行い、釣れる物をリリースしていきますので、これからのタイラバ展開も楽しみにしていてくださいね!

以上! 2回に分けてO.S.P初となるタイラバ「コト玉」を紹介させていただきました。発売後はぜひ試してみてください!

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出典:YouTubeチャンネル「LureNews.TV」

O.S.P(オー・エス・ピー)

2000年6月設立。日本のみならず世界で活躍した並木敏成が代表として自身の経験を活かし、「10 Years Standard(10年基準)」をコンセプトにモノ作りを行う。日々生み出されるルアーは定番となり、多くのバスアングラーから熱く支持されている。